18 / 385
#16 反応する肉体⑨
しおりを挟む
慣れない運動のせいで疲れが出たのか、いつのまにか少しうとうとまどろんでしまったようだ。
ハッと我に返ると、廊下の喧騒は収まり、病棟全体は静けさを取り戻したようだった。
幸い、リハビリルームにはいまだに琴子以外の人の気配はない。
マシンから降り、そっとドアを開け、廊下の様子をうかがった。
昼食の片づけと午後の検温が済んだのだろう。
廊下にはまったく人気がない。
和夫は30分後に戻ってこいと言った。
時計はないが、もうそのくらい、時間は経っている気がする。
スマホは切れたままなので、もう画像を送る必要はなさそうだ。
和夫はとにかく早く琴子に会いたがっているのだ。
これから起こるだろうことを想像すると、複雑な気分になった。
実の息子の自慰を母親が手伝うだなんて…。
でも、と思い返す。
たとえば子どもが半身不随の車椅子生活を送っている家庭の場合、ひょっとするとそういうこともあるのでは?
子どもが大きくなれば、当然性欲の処理も必要になる。
脚だけでなく、手も動かせない場合、頼りになるのは最も近い位置にいる女性、母親だけなのだから…。
そう考えると、少し気が楽になった。
顔面に大やけどを負った和夫も、思えば似たような境遇なのだ。
この先、まともに女性とつき合えないとなると、母親である琴子がなんとかしてやるしかないのだから…。
帰りの半周は、ほとんど人に遭わなかった。
和夫の個室に滑り込むと、琴子は太い安堵の吐息をついた。
やっと終わった。
長い旅だった。
「かあさん?」
和夫の声がした。
気を取り直して、カーテンを開ける。
和夫はヘッドボードにもたれて、上半身を起こしていた。
ミイラのような顏に開いた、赤く充血した目が舐めるように琴子を見た。
「ご苦労さん。とってもよかったよ」
上機嫌な口ぶりで、和夫が言った。
「今度は顔を隠す仮面を用意してきてよ。そのほうが、かあさんも行動しやすいだろ?」
「何言ってるの」
琴子は和夫の下半身を覆うシーツに手を伸ばした。
シーツをめくる前から、そのふくらみには気づいていた。
「待ちきれなかったよ」
シーツをはぎ取ると、和夫はすでに下半身裸になっていた。
目の前にそそり立つ、夫のそれ顔負けの性器に見入っていると、ふいに和夫が言った。
「ベッド汚せないから、最後は口で頼むよ」
ハッと我に返ると、廊下の喧騒は収まり、病棟全体は静けさを取り戻したようだった。
幸い、リハビリルームにはいまだに琴子以外の人の気配はない。
マシンから降り、そっとドアを開け、廊下の様子をうかがった。
昼食の片づけと午後の検温が済んだのだろう。
廊下にはまったく人気がない。
和夫は30分後に戻ってこいと言った。
時計はないが、もうそのくらい、時間は経っている気がする。
スマホは切れたままなので、もう画像を送る必要はなさそうだ。
和夫はとにかく早く琴子に会いたがっているのだ。
これから起こるだろうことを想像すると、複雑な気分になった。
実の息子の自慰を母親が手伝うだなんて…。
でも、と思い返す。
たとえば子どもが半身不随の車椅子生活を送っている家庭の場合、ひょっとするとそういうこともあるのでは?
子どもが大きくなれば、当然性欲の処理も必要になる。
脚だけでなく、手も動かせない場合、頼りになるのは最も近い位置にいる女性、母親だけなのだから…。
そう考えると、少し気が楽になった。
顔面に大やけどを負った和夫も、思えば似たような境遇なのだ。
この先、まともに女性とつき合えないとなると、母親である琴子がなんとかしてやるしかないのだから…。
帰りの半周は、ほとんど人に遭わなかった。
和夫の個室に滑り込むと、琴子は太い安堵の吐息をついた。
やっと終わった。
長い旅だった。
「かあさん?」
和夫の声がした。
気を取り直して、カーテンを開ける。
和夫はヘッドボードにもたれて、上半身を起こしていた。
ミイラのような顏に開いた、赤く充血した目が舐めるように琴子を見た。
「ご苦労さん。とってもよかったよ」
上機嫌な口ぶりで、和夫が言った。
「今度は顔を隠す仮面を用意してきてよ。そのほうが、かあさんも行動しやすいだろ?」
「何言ってるの」
琴子は和夫の下半身を覆うシーツに手を伸ばした。
シーツをめくる前から、そのふくらみには気づいていた。
「待ちきれなかったよ」
シーツをはぎ取ると、和夫はすでに下半身裸になっていた。
目の前にそそり立つ、夫のそれ顔負けの性器に見入っていると、ふいに和夫が言った。
「ベッド汚せないから、最後は口で頼むよ」
1
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる