異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

戸影絵麻

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#228 決戦の地へ②

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 愛液トルネード。
 それは、名前の通り、おまんこから大量の愛液を放出するという、ただそれだけの魔法である。
 だが、敵を足止めするにはこれが一番だった。
 なんせ、レベルが低い頃にはただサラサラの液体に過ぎなかった愛液が、今使ってみると、かなり粘り気のある牛乳みたいなものに変化しているようなのだ。
 愛液がいわゆる”本気汁”にまで進化を遂げているのである。
 駅前広場はぶちまけられた私の本気汁で、阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまっていた。
 ねばねばの液に足を取られ、動けなくなる通行人たち。
 バスターミナルでは、市バスまでもが愛液の海に沈もうとしている。
 逃げるなら今だ。
「翔子、こっちこっち!」
 ソフィアの声に導かれ、私は扉を開けて待っているタクシーに駆け寄った。
 後部座席に飛び込み、ティッシュで股間を拭って紐パンを穿く。
「清水寺へ」
 ラルクが運転手の視線から私を隠すようにして、身を乗り出した。
「行けるぎりぎりの所まで行ってほしい。金ならこのカードで前払いしておこう。10万円もあれば足りるだろう。釣りはいらない。取っておいてくれ」
「へ、へい」
 変な客を乗せちまった。
 そんな嫌そうな顔をしていた運転手の表情が、ぱっと輝いた。
 タクシーが漫画みたいに尻を跳ね上げ、勢いよくダッシュする。
「でも、本当に清水の舞台から飛び降りたら異世界転移できるの? 失敗したら、私たち全員死亡確定だよ」
 タクシーが順調に往来に乗り入れるのを確かめると、息を調え、私はたずねた。
「もちろん、飛び降りるだけではだめだ。地面に叩きつけられる前に、花に時空魔法を使ってもらう必要がある。どうだ。できるか? 花」
「全員、輪になって手をつないで飛び降りれば大丈夫でちゅ。ほら、スカイダイビングでよくやるあれでちゅ」
 いつの間に買ったのか、生八つ橋を食べながら花が言う。
 異世界の幼児のくせに、スカイダイビングを知っているとは驚きだ。
「頼むぜ、まったく。おめえの魔法においらたちの命がかかってんだからよ」
 同じく八つ橋をかじりながら、一平がブー垂れる。
「信用しないなら、一平たんだけこっちに残ってもらいまちゅ。あんたなんか、そのうち補導されて少年院にぶちこまれるのがオチでちゅけどね」
「な、なんだよ、脅迫する気かよ」
 青ざめる一平を、ソフィアがとりなした。
「ちょっと一平、仲間うちでもめないでよ。それより問題は、転移に成功した後でしょう? 黒い塔にどうやって潜入するか、考えなけりゃ」
「それについては、俺に考えがある」
 顎を指でなぞりながら、ラルクが言った。
「考えって?」
 どうせろくなもんじゃないだろうな。
 そう思いながらも、一応訊いてみる。
「なあに、簡単なことだ」
 自慢げに口元に笑みを浮かべて、ラルクが答えた。
「塔の中はどうせトラップだらけの危険なダンジョンになっていることだろう。上へ向かえば向かうほど、雑魚敵が強くなるような感じで」
 って、それ、ゲームじゃないの?
「だから、中に入ったら明らかにこっちが不利だ。だから、外に魔王をおびき出す。どうだ。いい考えだろう」
「おびき出すって、どうやって?」
「決まってる。翔子があのビッチファッカー初号機に乗って、黒い塔の前でデモンストレーションするんだ」
「デモンストレーション? なにそれ?」
 また変なこと言い出した。
 憮然として首をかしげると、横からソフィアが口をはさんだ。
「わかった! 初子にストリップさせるんだね? 魔王がむらむらして、襲いたくてたまらなくなるように」


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