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#196 怪獣島を脱出せよ!③
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翌日の早朝、私たちは満を持してその盆地のへりに立っていた。
背後には50人を超えるチチモミ族の屈強な戦士たち。
全員、マッチョな上半身に戦闘用のペイントを塗りたくり、両手に盾と斧を掲げている。
もちろん股間からはチチモミ族男子の証である金色の象牙が屹立し、まさに勃起した第2のペニスのように朝陽を浴びて燦々と輝いている。
私はというと、すでに初子を起動させていて、身長50メートルのメイド服少女のコクピットから、敵地の様子をうかがっているところだ。
足元では鼻血で顔を真っ赤に染めた一平が、食い入るように上、すなわち初子のスカートの中を見上げている。
「なんか作ってるところみたいだね」
初子の音声を借りて、私は言った。
「ああ。新しい怪獣じゃないかな。あの基地は、おそらく怪獣製造工場だろう。魔王から依頼があったのかもしれない」
返事をしたのはラルクである。
この偏屈なイケメンは、特に初子のセクシー衣装に関心を示すわけでもなく、岩に腰かけてつまらなさそうに煙草を吸っている。
外輪山に囲まれた盆地の中では、オレンジ色の全体スーツで身を包んだ雑魚戦闘員たちが、でっかいビニールシートの下にさかんに出入りしているところだった。
青いビニールシートに包まれた物体は小山ほどの大きさがあり、あれが怪獣だとすると、これまで戦ったことのないほどの大物だ。
「アラクネがいるわ。彼女、やっぱりここまで逃げ延びてきてたのね」
ソフィアの指摘に、初子の眼球をズームさせると、なるほど、戦闘員たちの中に、ひとりだけエナメルのボンテージ衣装を身をまとった露出過多な女の姿が見えた。
気取った仮面といい、セクシーな網タイツといい、間違いなく闇の錬金術師、アラクネその人である。
「では、行くぞ。せっかくの奇襲攻撃のチャンス。敵に見つかってからでは効果が半減する」
頭に孔雀の羽根の冠をかぶったマンマミーア酋長が、さっと扇を振り上げた。
バブル時代、ジュリアナで踊ってたボディコンOLたちが持っていたようなアレである。
「レディ・ゴー!」
酋長の今風な号令とともに、鬨の声を上げて斜面を駆け下りていく戦士たち。
「行くよ、初子」
そう声に出しておいて、私はコクピット内で駆け足の真似事を始めた。
その動きに合わせて、初子が軽やかな足取りで斜面を駆けくだる。
短いスカートがひらひらめくれてそのたびに真っ白なレーズのパンティが見えるけど、これも初子の攻撃力のひとつと割り切って、あえて裾は押さえないでおく。
チチモミ族の軍団が平地の到達した頃には、魔王軍の雑魚たちも襲撃に気づいていた。
あたふたしながらも、外輪山に開いた出入口からおびただしい数の戦闘員たちが駆け出してくる。
その数はざっと200人。
チチモミ族よりずっと多い。
いくらチチモミ族が歴戦の勇者ぞろいで、ある程度奇襲攻撃の利があるにせよ、4倍の数の敵を相手に戦うのは無理がある。
となればここは、エロ魔導士の私と、マザーファッカー初号機・初子の出番である。
オレンジ色の大群に、くさびのように褐色の裸族たちが突入していく。
たちまち起こる混戦状態。
のんびりしてはいられない。
私は初子をバトルフィールドの端に立たせると、両手を上げさせ、大声で新魔法の名を唱えた。
「出でよ、世界中の淫魔たち! 全体エロ魔法”デリヘラ”!」
と、にわかに空がかき曇り、厚い雲に覆われ始めた。
その雲の中から、きらきらと輝きながら降りてくる、無数の天使たち。
むろん、正確に言うと、彼女らは天使などではない。
対象にご奉仕するためだけに召喚された、世にもエロチックな全裸の少女の群れである。
対象ひとりひとりにもれなく出張淫魔がとりつき、宿主が昇天するまでサービスの限りをつくす。
これが最強魔法のひとつ、デリヘラの正体なのだ。
もっとも、デリヘラはその上位魔法のデリヘガと違い、淫魔たちに”本番”は許されていない。
だから自然、手こき素股舌舐めパイずりフェラチオが責めの中心になるわけだが、雑魚相手ならそれで十分なはずである。
予想通り、淫魔たちの降臨で、魔王軍は総崩れとなった。
驚いたのは、チチモミ族の戦士たちだろう。
今まで戦っていた相手が、突然地面に転がり、喘ぎ声を上げてよがり始めたのだ。
びっくりするなというほうが、無理な話である。
「おそるべし、エロ魔法」
風に乗って、酋長がつぶやくのが聞えてきた。
「楽勝だったね」
思わず笑みを漏らした時である。
-翔子、油断は禁物です。あれを見てー
女神のひと言が、私の余裕を一気に打ち砕いた。
背後には50人を超えるチチモミ族の屈強な戦士たち。
全員、マッチョな上半身に戦闘用のペイントを塗りたくり、両手に盾と斧を掲げている。
もちろん股間からはチチモミ族男子の証である金色の象牙が屹立し、まさに勃起した第2のペニスのように朝陽を浴びて燦々と輝いている。
私はというと、すでに初子を起動させていて、身長50メートルのメイド服少女のコクピットから、敵地の様子をうかがっているところだ。
足元では鼻血で顔を真っ赤に染めた一平が、食い入るように上、すなわち初子のスカートの中を見上げている。
「なんか作ってるところみたいだね」
初子の音声を借りて、私は言った。
「ああ。新しい怪獣じゃないかな。あの基地は、おそらく怪獣製造工場だろう。魔王から依頼があったのかもしれない」
返事をしたのはラルクである。
この偏屈なイケメンは、特に初子のセクシー衣装に関心を示すわけでもなく、岩に腰かけてつまらなさそうに煙草を吸っている。
外輪山に囲まれた盆地の中では、オレンジ色の全体スーツで身を包んだ雑魚戦闘員たちが、でっかいビニールシートの下にさかんに出入りしているところだった。
青いビニールシートに包まれた物体は小山ほどの大きさがあり、あれが怪獣だとすると、これまで戦ったことのないほどの大物だ。
「アラクネがいるわ。彼女、やっぱりここまで逃げ延びてきてたのね」
ソフィアの指摘に、初子の眼球をズームさせると、なるほど、戦闘員たちの中に、ひとりだけエナメルのボンテージ衣装を身をまとった露出過多な女の姿が見えた。
気取った仮面といい、セクシーな網タイツといい、間違いなく闇の錬金術師、アラクネその人である。
「では、行くぞ。せっかくの奇襲攻撃のチャンス。敵に見つかってからでは効果が半減する」
頭に孔雀の羽根の冠をかぶったマンマミーア酋長が、さっと扇を振り上げた。
バブル時代、ジュリアナで踊ってたボディコンOLたちが持っていたようなアレである。
「レディ・ゴー!」
酋長の今風な号令とともに、鬨の声を上げて斜面を駆け下りていく戦士たち。
「行くよ、初子」
そう声に出しておいて、私はコクピット内で駆け足の真似事を始めた。
その動きに合わせて、初子が軽やかな足取りで斜面を駆けくだる。
短いスカートがひらひらめくれてそのたびに真っ白なレーズのパンティが見えるけど、これも初子の攻撃力のひとつと割り切って、あえて裾は押さえないでおく。
チチモミ族の軍団が平地の到達した頃には、魔王軍の雑魚たちも襲撃に気づいていた。
あたふたしながらも、外輪山に開いた出入口からおびただしい数の戦闘員たちが駆け出してくる。
その数はざっと200人。
チチモミ族よりずっと多い。
いくらチチモミ族が歴戦の勇者ぞろいで、ある程度奇襲攻撃の利があるにせよ、4倍の数の敵を相手に戦うのは無理がある。
となればここは、エロ魔導士の私と、マザーファッカー初号機・初子の出番である。
オレンジ色の大群に、くさびのように褐色の裸族たちが突入していく。
たちまち起こる混戦状態。
のんびりしてはいられない。
私は初子をバトルフィールドの端に立たせると、両手を上げさせ、大声で新魔法の名を唱えた。
「出でよ、世界中の淫魔たち! 全体エロ魔法”デリヘラ”!」
と、にわかに空がかき曇り、厚い雲に覆われ始めた。
その雲の中から、きらきらと輝きながら降りてくる、無数の天使たち。
むろん、正確に言うと、彼女らは天使などではない。
対象にご奉仕するためだけに召喚された、世にもエロチックな全裸の少女の群れである。
対象ひとりひとりにもれなく出張淫魔がとりつき、宿主が昇天するまでサービスの限りをつくす。
これが最強魔法のひとつ、デリヘラの正体なのだ。
もっとも、デリヘラはその上位魔法のデリヘガと違い、淫魔たちに”本番”は許されていない。
だから自然、手こき素股舌舐めパイずりフェラチオが責めの中心になるわけだが、雑魚相手ならそれで十分なはずである。
予想通り、淫魔たちの降臨で、魔王軍は総崩れとなった。
驚いたのは、チチモミ族の戦士たちだろう。
今まで戦っていた相手が、突然地面に転がり、喘ぎ声を上げてよがり始めたのだ。
びっくりするなというほうが、無理な話である。
「おそるべし、エロ魔法」
風に乗って、酋長がつぶやくのが聞えてきた。
「楽勝だったね」
思わず笑みを漏らした時である。
-翔子、油断は禁物です。あれを見てー
女神のひと言が、私の余裕を一気に打ち砕いた。
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