異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
185 / 246

#184 初子と怪獣大戦争⑪

しおりを挟む
 チャカポコチャカポコ…。
 なんだろう?  
 この心浮き立つような、アフリカン・パーカッション的なリズムは…?
 それに、この匂い。
 なんだか濃厚なスープでも煮ているような、そんなかぐわしい香りである。
 でも、その中に血の匂いが混じりこんでいるような気がするのは、なぜだろう。
「うーん」
 目を開けると、まず周囲を囲む高い木の柵が視界に飛び込んできた。
 児童公園くらいの、円形の広場に私はいた。
 丈高い木製の柵に沿って、棕櫚の葉で屋根を葺いた背の低い住居が並んでいる。
 ついうっかり、
「きゃ」
 と声を上げてしまったのは、私を取り囲む男たちの恰好があまりに異様だったからだ。
 裸の身体全体に金色の塗料を塗り、誰もが股間から湾曲した象牙そっくりの牙を生やしているのだ。
 チャカポコ太鼓を叩いているのは、その男たちだった。
 広場の中央には火が炊かれており、その上に風呂桶ほどもある大きな鍋がかけられている。
 血なまぐさい匂いの元は、その周辺に散乱した血まみれの毛皮や骨である。
 どうやらこの人たち、現在、食事の準備中、といったところらしい。
 それはそうと、身動きしようにも指一本動かせないのは、身体を太い柱みたいなものに縛りつけられているからだ。
 後ろ手に回した両手首に、植物の蔓が痛いほど巻きついていて、私を柱につなぎとめているのである。
「気がついた?」
 声がしたので振り向くと、右隣にソフィアが居た。
 私と同じく、柱に手首を縛られ、両足をしどけなく地面に投げ出している。
「どうも、あたしたち、島の原住民の人たちに捕まっちゃったみたい」
 首だけを曲げ、私の耳もとでソフィアがささやいた。
 やっぱり、と思う。
 さっきのチクッとした痛みは、ラルクの言うように、吹き矢によるものだったのだ。
「あんまり歓迎されていないのは確かだな」
 そのラルクの声が、左側から聞こえてきた。
 見ると、ラルクも私たちと状況は同じで、少し離れた柱に一平と一緒に縛られていた。
「え? おいらたちを歓迎してくれてるんじゃないの? あれ、おもてなしのためのごちそうだろ?」
 煮え立つ鍋を眺めながら、一平が言う。
「おめでたい子ね」
 呆れたように言い返すソフィア。
「あれはあたしたちに食べさせる料理じゃないよ。逆に、あたしたちが食材なんだってば!」
「えー! マジかよ」
 一平が悲痛な声を出す。
「ソフィアの言う通りだ。俺たちを客扱いするなら、普通吹き矢なんて使わないだろうし、第一こんなふうに縛ったりしない」
「だよねえ」
 私はため息をついた。
 このチャカポコいう音楽は、祭りのBGMみたいなものなのだろう。
 4人分の新鮮な人肉を調達できたお祝いに、この人たち、村じゅうでパーティでも開くつもりなのに違いない。
「どうする? 武器も防具も取り上げられちゃってるよ」
 苦渋に満ちた声で、ソフィアンが兄に訊く。
 なるほど、隣のソフィアの恰好は、あの青みがかった銀色のアーマーではなく、極細の鎖を編んでつくったアンダーウェア一枚きりなのだ。
 ちなみに私は初めから露出度が高いので、赤のビスチェと同色のスケスケTバックスキャンティのままである。
「ここはまた、翔子に頼るしかないだろう」
 のんびりと私のほうに目を向けて、ラルクが言った。
「おあつらえ向きに、今度の相手は人間の裸族だ。まさにエロ魔法の出番じゃないか?」
「同感同感」
 にたりと笑ってソフィアがうなずいた。
「あの人たちがつけてるあのゾウの牙みたいなのってさ、中が空洞になってるいわばおチンぽサックなんだよね。翔子なら、彼らのおちんちんに、色々してあげられることがあるんじゃない?」
 やれやれ。
 私としては、肩をすくめるしかない。
 ったくこの兄妹ったら、ほんとに人づかいが荒いんだから。
 この人数相手にエロ魔法使ったら、またレベルが上がっちゃうじゃないの!


 


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...