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#165 怪獣島へ①
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重苦しく垂れこめた雲の下、海面はうねるように逆巻き、船が島に近づいていることを示している。
私は甲板に立っているのもやっとの状態で、さっき食べた赤エビ料理を今にも胃から戻しそうだった。
ちなみに赤エビは、身がぷりぷりしていて、頬が落ちそうになるくらい美味しかった。
あの港がこのエビ一筋に漁を続けている理由も、むべなるかな、である。
ただし、よほど熟練の料理人が調理しないと、身に硫黄の匂いが残ってとても食べられないとのこと。
ザビエルは親切にもそのレシピも教えてくれたけど、二度と食べる機会はないと思い、早々に忘れてしまった。
それにしても寒い。
私はむき出しの太腿をこすり合わせて身震いした。
つくづくエロ魔導士というのは、寒冷な気候には不向きだと思う。
ジョブの性格上、衣装はどうしても露出度の高さが優先されるので、寒風に肌がひりついてかなわない。
はみ出ている分、すでに胸の谷間には凍傷が生じ、餅のように白かった乳房の上部が赤切れになってしまっている。
早くビッチファッカーに乗らないと、おしっこをちびりそうだ。
体内に結露が生じたかのように、あっというまに膀胱に尿がたまっていくのがわかった。
それでも我慢して目を凝らしてみると、猛り立つ荒波の向こうに巨大な竜巻のようなものが見えてきた。
海と空を貫く壮大な大気の柱。
その周囲を真っ黒な雲が、まるで巨竜のようにらせんを描きながら上へ上へと昇っていく。
見ているだけでめまいを起こしそうな、そんな圧迫感に満ちた光景である。
あれが、行く手を阻む超ド級の低気圧に違いない。
つまり、あの中に問題の島が隠れているというわけだ。
「どうするつもり? 今までの魔法では、あれに風穴を開けるのは無理だよね?」
脇に立っているソフィアが、心配そうに言った。
「新しい魔法、覚えたって言ってたけど、それでなんとかなりそうなの?」
「たぶん」
凍える二の腕を必死でさすりながら、私はうなずいた。
「やってみなきゃわかんないけど、今度のはけっこう強力だから。ビッチの増幅能力を借りれば、きっとなんとかなると思うよ」
正直、自信なんてない。
だいたい、ビッチを操縦するのもこれで二度目なのだ。
しかも、一回目はろくに何もしないうちに戦いが終わってしまったから、はっきり言って動かしたことにもならないのだ。
でも、やるしかなかった。
島に上陸出来たらできたで、そこからはまた戦いの連続になるのだろうけれど、少なくとも、こんな寒いところで裸同然の格好で震えているよりずっといい。
「そうなんだ。じゃ、がんばってね。無茶しないで。気をつけて」
冷え切った頬にソフィアの唇が触れたのを合図に、私は荒れ狂う海に向かってこぶしを突き上げた。
「ファック・ミー!」
私は甲板に立っているのもやっとの状態で、さっき食べた赤エビ料理を今にも胃から戻しそうだった。
ちなみに赤エビは、身がぷりぷりしていて、頬が落ちそうになるくらい美味しかった。
あの港がこのエビ一筋に漁を続けている理由も、むべなるかな、である。
ただし、よほど熟練の料理人が調理しないと、身に硫黄の匂いが残ってとても食べられないとのこと。
ザビエルは親切にもそのレシピも教えてくれたけど、二度と食べる機会はないと思い、早々に忘れてしまった。
それにしても寒い。
私はむき出しの太腿をこすり合わせて身震いした。
つくづくエロ魔導士というのは、寒冷な気候には不向きだと思う。
ジョブの性格上、衣装はどうしても露出度の高さが優先されるので、寒風に肌がひりついてかなわない。
はみ出ている分、すでに胸の谷間には凍傷が生じ、餅のように白かった乳房の上部が赤切れになってしまっている。
早くビッチファッカーに乗らないと、おしっこをちびりそうだ。
体内に結露が生じたかのように、あっというまに膀胱に尿がたまっていくのがわかった。
それでも我慢して目を凝らしてみると、猛り立つ荒波の向こうに巨大な竜巻のようなものが見えてきた。
海と空を貫く壮大な大気の柱。
その周囲を真っ黒な雲が、まるで巨竜のようにらせんを描きながら上へ上へと昇っていく。
見ているだけでめまいを起こしそうな、そんな圧迫感に満ちた光景である。
あれが、行く手を阻む超ド級の低気圧に違いない。
つまり、あの中に問題の島が隠れているというわけだ。
「どうするつもり? 今までの魔法では、あれに風穴を開けるのは無理だよね?」
脇に立っているソフィアが、心配そうに言った。
「新しい魔法、覚えたって言ってたけど、それでなんとかなりそうなの?」
「たぶん」
凍える二の腕を必死でさすりながら、私はうなずいた。
「やってみなきゃわかんないけど、今度のはけっこう強力だから。ビッチの増幅能力を借りれば、きっとなんとかなると思うよ」
正直、自信なんてない。
だいたい、ビッチを操縦するのもこれで二度目なのだ。
しかも、一回目はろくに何もしないうちに戦いが終わってしまったから、はっきり言って動かしたことにもならないのだ。
でも、やるしかなかった。
島に上陸出来たらできたで、そこからはまた戦いの連続になるのだろうけれど、少なくとも、こんな寒いところで裸同然の格好で震えているよりずっといい。
「そうなんだ。じゃ、がんばってね。無茶しないで。気をつけて」
冷え切った頬にソフィアの唇が触れたのを合図に、私は荒れ狂う海に向かってこぶしを突き上げた。
「ファック・ミー!」
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