異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

#145 魔王軍基地潜入計画⑤

「ね。ちょっと動かしてみていい？」
　私の手足は、何本ものコードが絡みついた拘束具に固定されている。
　いい加減肩がだるくなってきたので、両手を動かそうとしたら、
　－今はだめです。本体がカタパルトに固定されていますから。作動可能なのは、ここではなく、異世界です。まずビッチファッカーを召喚し、それからリングを使って搭乗するのですー
　女神がそう制止した。
「召喚するって、どうすればいいの？」
　－簡単です。『ファック・ミー』、これが合言葉ですー
「ファック・ミー？　ファック・ユーじゃなくて？」
　－エロ魔導士なら、ファック・ミーしかありえませんー
　まあ、確かに言われてみればその通りだ。
「なんで英語なのかな？」
　さあ、ミューズが目覚めたら、訊いてみてくださいー
「ほかに、注意事項は？」
ービッチファッカーの作動時間は、操縦者のMPに比例します。現在のあなたのMPでは、せいぜい持って3分です。MPが切れるとビッチファッカーは動作を停止し、自動的にこの基地へと帰還します。ですから、レベルが低いうちは、使用するポイントを絞る必要がありますねー
　たった3分。
　即席めんが食べごろになった頃には、動作停止というわけか。
　ま、でも、あのウルト〇マンでも、3分で怪獣を倒していたのだから、きっとなんとかなるのだろう。
「あと、空を飛べたりはしないの？]
　－飛行用ブースターは別オプションですね。スキルポイントを貯めれば交換が可能ですー
「けちだなあ」
　－でも、ビッチファッカーで戦った時の経験値やスキルポイントは、通常の10倍です。作動時間は短いですが、敵に勝利すれば、レベル上げもかなり楽になるんですよー
「ふうん。それはいいかもね」
　何よりも、エロ行為ではなく、戦って経験値が入るというのはわかりやすい。
「とにかく、動かせないなら、いったん降ろしてよ。ラルクたちと今後の作戦を練らなきゃいけないし」
　－了解しました。では、『認識』を変換しますねー
　女神そうが言ったとたんである。
　私は、ラーメン屋のテーブルについていた。
「ギョーザ4人前」
「あ、それから、エビチリも」
「おいら、から揚げ」
　3人が口々に、注文を取りに来た店員に、好きなものをオーダーしている。
「私、味噌チャーシュー。ネギ抜きでお願い」
　乗り遅れてなるものか。
　あわてて追加すると、ラルクが煙草に火をつけ、私に話しかけてきた。
「どうだった？　あの巨大ロボットで、一気に魔王軍の基地まで攻め込めそうか？」
　え？
　そういうこと考えてたの？
　もう、また自分だけ楽しようとして。
「無理無理無理」
　私は激しく首を横に振った。
「だって、3分しか動かないんだよ」