異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

#132 幻界のミューズ⑫

　天誅バイブを体内深くくわえこむと、アラクネはそれを床に垂直に立て、すごい勢いで腰を振り出した。

「くあああああああああああっ！　めちゃんこ感じちゃうううう！」

　どぼどぼあふれ出すラブジュースが、たちまちのうちに床に水たまりをつくった。

「吹けよ！　エクスタシー・ハリケーン！」

　とどめにピンクの淫風で座敷牢を満たしてやり、ばたんと扉を閉める。

「にゃんにゃんにゃんにゃんっ！　イクよ！　アラクネ、イっちゃううよォ！」

　分厚い扉を通して、少女の咆哮が聞こえてきた。

　階段を上がって1階に戻ると、ちゃぶ台をはさんでラルクとおばばが向かい合っていた。

「どうだ？　何かわかったか？」

「まあね」

　ラルクの隣に正座すると、私はアラクネから得た情報をかいつまんで説明した。

「6万を超す軍勢が、アルカディアに上陸か…。これは、急がねばならんな」

　私の報告を聞き終えて、ラルクが重々しい口調でつぶやいた。

「まずは、時間稼ぎに、沿岸諸国に注意を促すとしよう。多国籍軍を編成して、魔王軍を食い止めさせるんだ」

「どうやって連絡するの？　電話もケータイもないのに」

「なに、ここポラリスには、通信用の魔輝石の結晶があるはずだ。それを使えばいい」

　ファンタジーによく登場する、あの占い師の玉みたいなものだろうか。

　そんな便利なものがあるなら、早く言ってくれればいいのに。

「あ、そうそう。もうひとつ、わかったことがあるよ」

　アラクネとの最後のやり取りを思い出して、私は言った。

「なんだ？　有益な情報か？」

「うん。ある意味、決定的なやつ」

「ほう、面白そうじゃの。で、いったい、なんじゃね、それは」

　おばばが横から口をはさんだ。

「魔王の弱点です」

「なに？　本当か？」

「いきなりそれかの？」

　驚愕に目を見開くふたり。

「アラクネがそこまで口を割るとは、にわかには信じられんが…。それで、何なのだ？　その弱点とは？」

　半信半疑といった面持ちで、ラルクがたずねた。

「何、というより、どこ、というべきかな」

　少しもったいをつけて、私は答えた。

「魔王の弱点部位。それは」

「それは？」

　おばばが身を乗り出した。

　深呼吸とともに、真相を吐き出してやる。

「それは、何を隠そう、キンタマの裏側です」