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#131 幻界のミューズ⑪
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「そ、そんなの、言えるわけ、ないじゃない」
一瞬正気に返って、アラクネが口を尖らせた。
そりゃそうだろう。
大ボスの弱点など敵に漏らそうものなら、ふつうは死罪である。
が、そんなことで諦める私ではない。
「ふうん、じゃあ、やめちゃう? これ以外にも、もっとすごいエロ魔法、他に色々あるんだけどな」
宙に浮かんでアラクネの股間に狙いを定めている天誅バイブを指差して、私は言った。
「も、もっと、すごい、エロ魔法…?」
アラクネの眼が淫蕩な光を帯びる。
ほんっと、この子ったら、根っからのスケベらしい。
「あ、じゃあ、こういうのは、どうかな?」
しばしの沈思黙考の後、アラクネが口を切った。
「声に出して言うとやばいから、あたい、唇だけ動かしてみる。あんたがそれを目で読み取るの」
「読唇術の真似事をしろってこと?」
「そう。それなら、いいでしょ?」
まあ、何も聞き出せないよりはましだろう。
「いいよ。その代わり、わかりやすく、ゆっくりやるんだよ」
「OK。じゃ、いくよ」
アラクネが、オーバーアクションな感じで、唇を動かした。
「よくわかんないじゃない。もう一回」
「んもう、ちゃんと見てくれよ」
今度はさっきより、ゆっくりだ。
最初はどうやら、「き」らしい。
アラクネの口元に意識を集中し、なんとか最後まで言葉をたどることに成功した。
のは、いいんだけど…。
「はああ?」
その言葉を口の中で反芻して、私はあまりのことに目をしばたいた。
「わかったか?」
アラクネが真顔で訊いてくる。
「わかったけど、こんなの、あり得ないでしょ」
「ところがあり得るんだな」
ひひひと笑うアラクネ。
「それこそが」
ま・お・う・の・弱・点・だ。
アラクネが後半だけ、声を出さずに続けた。
「魔王って、頭おかしいんじゃないの?」
思わず私がそうつぶやいた時、
「さ、約束だぞ。まずはそのおちんちん、とっととあたいのあそこにぶっこんでくれない?」
細い眉を吊り上げて、アラクネが言った。
「はいはい」
私は肩をすくめると、バイブに向かって命令した。
「やっておしまい!」
一瞬正気に返って、アラクネが口を尖らせた。
そりゃそうだろう。
大ボスの弱点など敵に漏らそうものなら、ふつうは死罪である。
が、そんなことで諦める私ではない。
「ふうん、じゃあ、やめちゃう? これ以外にも、もっとすごいエロ魔法、他に色々あるんだけどな」
宙に浮かんでアラクネの股間に狙いを定めている天誅バイブを指差して、私は言った。
「も、もっと、すごい、エロ魔法…?」
アラクネの眼が淫蕩な光を帯びる。
ほんっと、この子ったら、根っからのスケベらしい。
「あ、じゃあ、こういうのは、どうかな?」
しばしの沈思黙考の後、アラクネが口を切った。
「声に出して言うとやばいから、あたい、唇だけ動かしてみる。あんたがそれを目で読み取るの」
「読唇術の真似事をしろってこと?」
「そう。それなら、いいでしょ?」
まあ、何も聞き出せないよりはましだろう。
「いいよ。その代わり、わかりやすく、ゆっくりやるんだよ」
「OK。じゃ、いくよ」
アラクネが、オーバーアクションな感じで、唇を動かした。
「よくわかんないじゃない。もう一回」
「んもう、ちゃんと見てくれよ」
今度はさっきより、ゆっくりだ。
最初はどうやら、「き」らしい。
アラクネの口元に意識を集中し、なんとか最後まで言葉をたどることに成功した。
のは、いいんだけど…。
「はああ?」
その言葉を口の中で反芻して、私はあまりのことに目をしばたいた。
「わかったか?」
アラクネが真顔で訊いてくる。
「わかったけど、こんなの、あり得ないでしょ」
「ところがあり得るんだな」
ひひひと笑うアラクネ。
「それこそが」
ま・お・う・の・弱・点・だ。
アラクネが後半だけ、声を出さずに続けた。
「魔王って、頭おかしいんじゃないの?」
思わず私がそうつぶやいた時、
「さ、約束だぞ。まずはそのおちんちん、とっととあたいのあそこにぶっこんでくれない?」
細い眉を吊り上げて、アラクネが言った。
「はいはい」
私は肩をすくめると、バイブに向かって命令した。
「やっておしまい!」
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