異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

#116 浮遊都市ポラリスの秘密⑯

　ピンポーン！

　頭の中に、軽やかな音が鳴り響いたのは、その時である。

　－遅れました。レベルアップのご報告ですー

　あの女神の声が響いた。

　－滅菌室でのオルガズムと先ほどのエクスタシー・ハリケーンの反動で、貴女はレベル38になっていますー

「え？　いきなり3アップ？」

　私は驚愕した。

　ついこの間まで、確か35のはずだったのだ。

「あんた、さぼってたでしょ？」

　とっさに突っ込みを入れると、案の定、女神が羞恥で赤くなる気配がした。

　－すみません。実はちょっと、休憩取ってましたー

「レベル管理の女神様が休憩？　そんなのゲームの世界でも聞いたことないんだけど」

　－女神と言えども、元はと言えば人間ですからー

「ええ？　そうなんだ」

　これは初耳である。

　じゃあ、修行を積めば、私も女神になれるのだろうか。

　たとえば念仏を百万回唱えるとか。



　－というわけで、新魔法ですー

「よ、待ってました！」

　私は派手に柏手を打った。


「翔子、おまえ、ひとりで何しゃべってるんだ？」

　いぶかしげに訊いてくるラルクはとりあえず無視だ。



　－レベル38の習得可能魔法は、これですー

　女神が言い、

　ややあって、表示に出たのは、



　ラブジュース・トルネード　　必要SP340　　消費MP400



　の一つきりだった。


　消費MPが高いのが気になるが、MPの上限も1000近く増えているため、考えてみれば妥当な線である。

「ラブジュース・トルネードか。なかなか強そうだね」

　前半はいかにもエロ魔導士っぽいけど、後半のトルネードが、名前からして威力ありそうで気に入った。

「OK。じゃ、覚えるから、セッティングお願い」

　ーあ、ひとつだけ、ご注意くださいー

　消える間際に、女神が言った。

「なに？」

　－この魔法を発動させる時には、必ずパンツを脱いでください。でないと、パンツがいくらあっても足りなくなりますからー

　やれやれ。

　私は肩をすくめざるを得なかった。

　ったく、エロ魔法って、みんなこんなだから嫌になる。