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#82 北北西に針路を取れ!
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ーわかりましたー
頭の中の声が言った。
ー連射モードですねー
何でもお願いしてみるものである。
-ただ、連射モードはMPを倍の400消費します。アビリティMP半減も併用しますか?-
今回はやけに親切だ。
ひょっとして、この声の主、私に三角くじを引かせたあの女神ではあるまいか?
不出来な勇者を心配して、様子を見に来ているとか?
「そうね。じゃ、それで」
うなずくと、私は大きく息を吸い込んだ。
もう一度クリちゃんを押し、
「くらええええっ!」
叫びながら、目の前に迫る埴輪軍団めがけて、爆乳を突き出した。
シュンシュンシュンシュンッ!
左右の乳房がピストン運動をくり返し、次々にミサイルを発射する。
それに合わせてゆっくり体を回転させていくと、面白いほど敵が吹っ飛んだ。
しょせん相手は素焼きの泥人形なのだ。
最新式のミサイルの敵ではない。
360度身体を回して元の位置に戻ると、周りには広いスペースができていた。
その後に残っているのは、木っ端みじんになった埴輪の破片の山ばかり。
「よし、よくやった。北北西の方角に明かりが見える。あれがきっと別の隧道の入口に違いない。翔子、その調子で活路を切り開け」
ラルクが左手前方を指さした。
なるほど、地表から少し高い所に四角い明かりが見える。
あっちが北北西というわけね。
だが、喜ぶのはまだ早い。
行く手を埋め尽くすように、左右から津波のように膨大な数の埴輪たちが押し寄せてくるのだ。
更に乳首ミサイルを、と思ったら、乳房が真っ赤に加熱している。
あち。
私はやけどした指を口にくわえ、しかめっ面をした。
これ以上撃ったら、おっぱいごと爆発しそう。
仕方ない。
次はあれでいくか。
またひとつ深呼吸して、
今度は高々と右のこぶしを天に向かってつき上げた。
そして、叫んだ。
「出でよ。美尻ボンバー!」
次の瞬間、閉鎖空間の中なのに、雷鳴が轟いた。
沸き起こる黒雲。
たなびくオーロラ。
パリンッ!
凍てついた空間を蹴り破って出現したのは、私の分身である。
「よお! 待ってました! でっかいおねーちゃん!」
棺桶の上に仁王立ちになり、一平が歓声を上げる。
ったくもう、おまえはストリップ見物のオヤジかよ。
「やっておしまい!」
私の命令に、分身が華麗に宙で身を翻す。
ドーン!
ドーン!
美尻による爆撃が始まった。
見るも無残にはじけ飛ぶ埴輪たち。
へへ、どんなもんだい!
「やったね!」
調子こいてソフィアとハイタッチした時である。
ギギギギ。
突如として、一平を乗せた棺の蓋が動き始めた。
「うわっ」
両腕をぐるぐる振り回し、一平が転げ落ちた。
棺の蓋がずれ、ガタンと床で乾いた音を立てた。
その隙間から現れたのは、包帯だらけの手。
「マジですか」
私はうめいた。
「きもっ! こわっ!」
ここぞとばかりに抱きついてくるソフィア。
ちょっとあんた、その剣、おっぱいに刺さるって!
「真打ち登場ときたか」
ラルクがしかつめらしく、つぶやいた。
「やれやれ。さあて、どうしたものかな」
頭の中の声が言った。
ー連射モードですねー
何でもお願いしてみるものである。
-ただ、連射モードはMPを倍の400消費します。アビリティMP半減も併用しますか?-
今回はやけに親切だ。
ひょっとして、この声の主、私に三角くじを引かせたあの女神ではあるまいか?
不出来な勇者を心配して、様子を見に来ているとか?
「そうね。じゃ、それで」
うなずくと、私は大きく息を吸い込んだ。
もう一度クリちゃんを押し、
「くらええええっ!」
叫びながら、目の前に迫る埴輪軍団めがけて、爆乳を突き出した。
シュンシュンシュンシュンッ!
左右の乳房がピストン運動をくり返し、次々にミサイルを発射する。
それに合わせてゆっくり体を回転させていくと、面白いほど敵が吹っ飛んだ。
しょせん相手は素焼きの泥人形なのだ。
最新式のミサイルの敵ではない。
360度身体を回して元の位置に戻ると、周りには広いスペースができていた。
その後に残っているのは、木っ端みじんになった埴輪の破片の山ばかり。
「よし、よくやった。北北西の方角に明かりが見える。あれがきっと別の隧道の入口に違いない。翔子、その調子で活路を切り開け」
ラルクが左手前方を指さした。
なるほど、地表から少し高い所に四角い明かりが見える。
あっちが北北西というわけね。
だが、喜ぶのはまだ早い。
行く手を埋め尽くすように、左右から津波のように膨大な数の埴輪たちが押し寄せてくるのだ。
更に乳首ミサイルを、と思ったら、乳房が真っ赤に加熱している。
あち。
私はやけどした指を口にくわえ、しかめっ面をした。
これ以上撃ったら、おっぱいごと爆発しそう。
仕方ない。
次はあれでいくか。
またひとつ深呼吸して、
今度は高々と右のこぶしを天に向かってつき上げた。
そして、叫んだ。
「出でよ。美尻ボンバー!」
次の瞬間、閉鎖空間の中なのに、雷鳴が轟いた。
沸き起こる黒雲。
たなびくオーロラ。
パリンッ!
凍てついた空間を蹴り破って出現したのは、私の分身である。
「よお! 待ってました! でっかいおねーちゃん!」
棺桶の上に仁王立ちになり、一平が歓声を上げる。
ったくもう、おまえはストリップ見物のオヤジかよ。
「やっておしまい!」
私の命令に、分身が華麗に宙で身を翻す。
ドーン!
ドーン!
美尻による爆撃が始まった。
見るも無残にはじけ飛ぶ埴輪たち。
へへ、どんなもんだい!
「やったね!」
調子こいてソフィアとハイタッチした時である。
ギギギギ。
突如として、一平を乗せた棺の蓋が動き始めた。
「うわっ」
両腕をぐるぐる振り回し、一平が転げ落ちた。
棺の蓋がずれ、ガタンと床で乾いた音を立てた。
その隙間から現れたのは、包帯だらけの手。
「マジですか」
私はうめいた。
「きもっ! こわっ!」
ここぞとばかりに抱きついてくるソフィア。
ちょっとあんた、その剣、おっぱいに刺さるって!
「真打ち登場ときたか」
ラルクがしかつめらしく、つぶやいた。
「やれやれ。さあて、どうしたものかな」
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