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#61 腸詰帝国の謎
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腸詰とは、言うまでもなくソーセージのことである。
そんなものと帝国がくっつくなんて、ふつうありえない。
「どうしてって、そんなの私が日本人だからに決まってるでしょ」
ミニひだスカートの裾を払って立ち上がると、少年の眼が私の爆乳と生足を舐めるように見つめてきた。
やだ。
こいつ、ガキのくせに、ずいぶん色気づいてるみたい。
「私はね、この異世界に日本から召喚されてきたばかりなの。元はといえば、しがない芸大の学生だったんだ」
爆乳を見せつけるように突き出して、私は言った。
エロ魔導士になってから、どうやらこうした挑発的なポージングが自然と身についてしまったようだ。
サポにつけた”踊り子”の影響かもしれない。
それにしても、あれから何日たったのだろう。
私が、池釣りの最中、急に催して草むらで座りションしているところに、某国のミサイルが落ちてから…。
この世界に来てからカレンダーに類するものを見ていないから、曜日の感覚がなくなってしまっている。
ていうか、そもそもここには”曜日”なるものが存在するのだろうか。
「むう、マジか」
少年がうなった。
「それが本当なら、おまえはおいらのひいばあちゃんと同じ立場ということになる」
「ひいばあちゃん?」
「ああ。おいらのひいばあちゃんは、今から百年前、日本からこの世界に召喚されて、魔王を倒した勇者のひとりなんだ。いくらおまえがおのぼりさんでも、この世界に伝わる勇者の伝説は知っているだろう?」
「え? じゃあ、この制服も?」
私は驚いて自分の着用しているぴちぴちのセーラー服を見回した。
「これってひょっとして、あんたのひいおばあちゃんのものってこと?」
「そういえば、勇者さまたちがその後どうなったのか、伝説では全く語られていないんだけど、魔王を倒した後、みんな、その日本って国に帰ったんじゃなかったの?」
たずねたのはソフィアである。
「それがどうやら、おいらのひいおばあちゃんだけはこっちに残ったらしいんだ。理由はわからない。で、その後、こっちの誰かと結婚して、平和に暮らしながらそのうちばあちゃんを生んで、ばあちゃんがまたおいらの母さんを生んで…ていうわけなんだけど、うちが勇者さまの家系だってことは、代々伝えられてるんだよ」
「ふーん、まあ、それ、信じてあげてもいいけどさ、だったら私たちを敵視するのはお門違いもいいとこだね」
可愛い顔でふんと鼻を鳴らすソフィア。
「なんだ、おまえら、腸詰帝国のスパイじゃないのか? 変なものに乗ってジャングルを走り回ってるから、てっきり敵だと思ったぜ」
変なもの、というのはそこでぶっ倒れて目を回している3頭の便所コオロギの事だろうけど、たしかに客観的に見ればあれはかなり”変なもの”ではあるようだ。
「だからさっきから違うって言ってるでしょ。だいたいね、何なの? その腸詰帝国って?」
呆れ口調のソフィアに、少年が言い返す。
「おまえらこそ知らないのか? 腸詰帝国と言えば、この先の暗黒谷を拠点とする無茶やばい新興国だぜ」
無茶やばい新興国?
何がどうやばいというのだ?
私は思った通りを口にした。
「何がどうやばいわけ?」
「聞いて驚くな」
少年が、小屋のてっぺんから私の爆乳を凝視して言った。
「腸詰帝国は、その名の通り、人間の女を腸詰にしちまうんだよ」
そんなものと帝国がくっつくなんて、ふつうありえない。
「どうしてって、そんなの私が日本人だからに決まってるでしょ」
ミニひだスカートの裾を払って立ち上がると、少年の眼が私の爆乳と生足を舐めるように見つめてきた。
やだ。
こいつ、ガキのくせに、ずいぶん色気づいてるみたい。
「私はね、この異世界に日本から召喚されてきたばかりなの。元はといえば、しがない芸大の学生だったんだ」
爆乳を見せつけるように突き出して、私は言った。
エロ魔導士になってから、どうやらこうした挑発的なポージングが自然と身についてしまったようだ。
サポにつけた”踊り子”の影響かもしれない。
それにしても、あれから何日たったのだろう。
私が、池釣りの最中、急に催して草むらで座りションしているところに、某国のミサイルが落ちてから…。
この世界に来てからカレンダーに類するものを見ていないから、曜日の感覚がなくなってしまっている。
ていうか、そもそもここには”曜日”なるものが存在するのだろうか。
「むう、マジか」
少年がうなった。
「それが本当なら、おまえはおいらのひいばあちゃんと同じ立場ということになる」
「ひいばあちゃん?」
「ああ。おいらのひいばあちゃんは、今から百年前、日本からこの世界に召喚されて、魔王を倒した勇者のひとりなんだ。いくらおまえがおのぼりさんでも、この世界に伝わる勇者の伝説は知っているだろう?」
「え? じゃあ、この制服も?」
私は驚いて自分の着用しているぴちぴちのセーラー服を見回した。
「これってひょっとして、あんたのひいおばあちゃんのものってこと?」
「そういえば、勇者さまたちがその後どうなったのか、伝説では全く語られていないんだけど、魔王を倒した後、みんな、その日本って国に帰ったんじゃなかったの?」
たずねたのはソフィアである。
「それがどうやら、おいらのひいおばあちゃんだけはこっちに残ったらしいんだ。理由はわからない。で、その後、こっちの誰かと結婚して、平和に暮らしながらそのうちばあちゃんを生んで、ばあちゃんがまたおいらの母さんを生んで…ていうわけなんだけど、うちが勇者さまの家系だってことは、代々伝えられてるんだよ」
「ふーん、まあ、それ、信じてあげてもいいけどさ、だったら私たちを敵視するのはお門違いもいいとこだね」
可愛い顔でふんと鼻を鳴らすソフィア。
「なんだ、おまえら、腸詰帝国のスパイじゃないのか? 変なものに乗ってジャングルを走り回ってるから、てっきり敵だと思ったぜ」
変なもの、というのはそこでぶっ倒れて目を回している3頭の便所コオロギの事だろうけど、たしかに客観的に見ればあれはかなり”変なもの”ではあるようだ。
「だからさっきから違うって言ってるでしょ。だいたいね、何なの? その腸詰帝国って?」
呆れ口調のソフィアに、少年が言い返す。
「おまえらこそ知らないのか? 腸詰帝国と言えば、この先の暗黒谷を拠点とする無茶やばい新興国だぜ」
無茶やばい新興国?
何がどうやばいというのだ?
私は思った通りを口にした。
「何がどうやばいわけ?」
「聞いて驚くな」
少年が、小屋のてっぺんから私の爆乳を凝視して言った。
「腸詰帝国は、その名の通り、人間の女を腸詰にしちまうんだよ」
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