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#56 迷宮の女王⑥
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スライム戦で明らかになった通り、この”エクスタシー・ハリケーン”は、無属性魔法である。
性別の有無に関係なく、すべての生命体のリビドーを一気に頂点にまで高める強力な淫風なのだ。
下等動物のスライムに効くくらいだから、アリ人間はイチコロだった。
同心円状に淫らな風が広がっていくに従い、バタバタと地面に倒れてもがき始めた。
隣の個体にのしかかって腰を振り始めるのもいるから、生殖方法は人間とさしてかわらないのかもしれない。
至近距離にいたアラクネは最も影響を受けたひとりで、喘ぎ声に振り向くとコスを脱ぎ捨て、全裸で四つん這いになり、しきりに己の股間を手でさすっては、発情した犬のようにむせび泣いていた。
しかしもっとやっかいだったのは、実のところ、女王アリ、アリンコクィーンである。
ぐあああああっ!
突然怪獣みたく咆哮したかと思うと、タンクローリーの石油タンクみたいな巨大な腹を波うたせて、ボロボロ卵を産み落とし始めたのだ。
「うは」
ステージを転がってくるラグビーボールみたいな卵をよけながら、私は地面に飛び降りた。
ソフィアたちが去ったほうへと走り始めると、当のそのソフィアとラルクが装備を取り返して駆け戻ってくるところに出くわした。
「やったね! 翔子!」
飛びついてくるソフィア。
「でもまた後でMP回復しなきゃね!」
って、まったく何を期待してるんだか。
「ほら、おまえの防具だ。早く着ろ」
ラルクが乱暴に差し出したのは、私のセーラー服である。
伝説の勇者の遺品のくせに、何の性能も発揮しないただの白い夏服だ。
でも裸よりはましなので、中に丸めて入っていた下着とともに手早く身につけた。
「さて、どっちに行こう」
私が言うと、
「面倒だから、翔子のミサイルでカベに穴開けて、直接外に出ちゃえばいいんじゃない?」
すでに戦闘服に着替えていたソフィアが無茶苦茶なことを言い出した。
「おお、それは名案だな」
人の気も知らないで、軽く乗ってくるラルク。
なんだかんだといいながら、仲のいい兄妹ということか。
「しょうがないわね」
ため息をひとつついて、せっかく着込んだセーラー服の上着をめくって、ブラをぐいと下に押し下げる。
「あっちの壁がなんか明るくて薄そうだよ」
ソフィアが指さすほうに乳房を向け、下乳を両手で支えると、
「ファイア!」
2本のミサイルをぶっ放す。
この一瞬、おっぱいが激しく振動するので実はかなり気持ちがいい。
「ナイス!」
乳首ミサイルの直撃を受け、がらがらと崩れる壁を見て、ソフィアが手を叩いて喜んだ。
アリ人間たちが正気に戻る前にと、白煙をくぐってできた穴の中に飛び込んだ。
「今度は何? 何なのこれは?」
煙が収まると、その向こうから現れたものをひと目見て、ソフィアが絶句する。
「こ、これは…」
ラルクもかなり驚いているようである。
壁の向こうは、格納庫みたいな奥に長い空間になっている。
そしてそこに、奇妙な物体が規則正しく並んでいるのだ。
「あのさ、これって」
私が素直な感想を述べようとした時だ。
「そうか。この手があったか!」
ラルクがだしぬけに大声で叫んだ。
感情を滅多に表さないこの唐変木が、なぜか妙に興奮している。
「え? この手って? あ? ひょっとして、もしやってやつ?」
どうやらソフィアもその意味に気づいたらしい。
「ちょっと、何だっていうのよ?」
私がたずねたときには、ふたりはすでにそいつに向かって一目散に走り出していた。
性別の有無に関係なく、すべての生命体のリビドーを一気に頂点にまで高める強力な淫風なのだ。
下等動物のスライムに効くくらいだから、アリ人間はイチコロだった。
同心円状に淫らな風が広がっていくに従い、バタバタと地面に倒れてもがき始めた。
隣の個体にのしかかって腰を振り始めるのもいるから、生殖方法は人間とさしてかわらないのかもしれない。
至近距離にいたアラクネは最も影響を受けたひとりで、喘ぎ声に振り向くとコスを脱ぎ捨て、全裸で四つん這いになり、しきりに己の股間を手でさすっては、発情した犬のようにむせび泣いていた。
しかしもっとやっかいだったのは、実のところ、女王アリ、アリンコクィーンである。
ぐあああああっ!
突然怪獣みたく咆哮したかと思うと、タンクローリーの石油タンクみたいな巨大な腹を波うたせて、ボロボロ卵を産み落とし始めたのだ。
「うは」
ステージを転がってくるラグビーボールみたいな卵をよけながら、私は地面に飛び降りた。
ソフィアたちが去ったほうへと走り始めると、当のそのソフィアとラルクが装備を取り返して駆け戻ってくるところに出くわした。
「やったね! 翔子!」
飛びついてくるソフィア。
「でもまた後でMP回復しなきゃね!」
って、まったく何を期待してるんだか。
「ほら、おまえの防具だ。早く着ろ」
ラルクが乱暴に差し出したのは、私のセーラー服である。
伝説の勇者の遺品のくせに、何の性能も発揮しないただの白い夏服だ。
でも裸よりはましなので、中に丸めて入っていた下着とともに手早く身につけた。
「さて、どっちに行こう」
私が言うと、
「面倒だから、翔子のミサイルでカベに穴開けて、直接外に出ちゃえばいいんじゃない?」
すでに戦闘服に着替えていたソフィアが無茶苦茶なことを言い出した。
「おお、それは名案だな」
人の気も知らないで、軽く乗ってくるラルク。
なんだかんだといいながら、仲のいい兄妹ということか。
「しょうがないわね」
ため息をひとつついて、せっかく着込んだセーラー服の上着をめくって、ブラをぐいと下に押し下げる。
「あっちの壁がなんか明るくて薄そうだよ」
ソフィアが指さすほうに乳房を向け、下乳を両手で支えると、
「ファイア!」
2本のミサイルをぶっ放す。
この一瞬、おっぱいが激しく振動するので実はかなり気持ちがいい。
「ナイス!」
乳首ミサイルの直撃を受け、がらがらと崩れる壁を見て、ソフィアが手を叩いて喜んだ。
アリ人間たちが正気に戻る前にと、白煙をくぐってできた穴の中に飛び込んだ。
「今度は何? 何なのこれは?」
煙が収まると、その向こうから現れたものをひと目見て、ソフィアが絶句する。
「こ、これは…」
ラルクもかなり驚いているようである。
壁の向こうは、格納庫みたいな奥に長い空間になっている。
そしてそこに、奇妙な物体が規則正しく並んでいるのだ。
「あのさ、これって」
私が素直な感想を述べようとした時だ。
「そうか。この手があったか!」
ラルクがだしぬけに大声で叫んだ。
感情を滅多に表さないこの唐変木が、なぜか妙に興奮している。
「え? この手って? あ? ひょっとして、もしやってやつ?」
どうやらソフィアもその意味に気づいたらしい。
「ちょっと、何だっていうのよ?」
私がたずねたときには、ふたりはすでにそいつに向かって一目散に走り出していた。
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