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#50 悪魔のいけにえ
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「翔子! 魔法を! 早く!」
ソフィアの叫びが、途中でかき消された。
後ろから現れたアリ人間たちが、ソフィアとラルクを羽交い絞めしているのだ。
「う、うん、でも、どれにしよう?」
悩みどころである。
そもそも、等身大とはいえ、相手はアリなのだ。
エア・フェラチオ、エア・クンニ、エア・ぱいずり、全身さわさわなどは、まず無効だろう。
同じ理由で、アナルシュレッダーとヴァギナカッターも使えない。
水中ならまだしも使い道があるけど、陸上では本来の使い方しかできないし。
となると残るは乳首ミサイルとエクスタシー・ハリケーンだが、まさかこんなところでミサイルをぶっ放すわけにもいかないし、エクスタシー・ハリケーンを使ったら、ソフィアとラルクも戦闘不能状態に陥ってしまうに違いない。
なんて悩んでいると、私もつかまってしまっていた。
アリたちは、獲物を胴上げみたいな形に頭の上に持ち上げて、行列をつくって進んでいく。
水平になった足の先に、あの塔が見えてきた。
三角形の大きな開口部があり、その両脇に門番が立っている。
その中から、人影が現れた。
黒いエナメルのボンテージ風衣装。
顔の上半分は仮面で隠れているが、その体のラインといい、セクシーな網タイツといい、人間の女であることは間違いない。
髪型は寝癖のついた天然パーマなのか、蝙蝠の翼よろしく左右に大きく張り出している。
でも、どうして蟻塚に人間がいるのだろう?
「女王の間に運べ」
威張った口調で、女がアリ人間たちに命令した。
ずいぶんと声が若い。
私の世界の感覚で言えば、中学生ぐらいだろうか。
「うう、あいつ」
隣で私同様胴上げされているソフィアが、歯ぎしりするみたいな調子で言った。
「闇の錬金術師、アラクネよ」
ああ。
私は納得した。
どこかで見たことがあると思ったら、あの時の…。
きのう話題にしてたばかりではないか。
すっかり忘れてた。
「しかし、なんでアラクネがここに?」
少し離れたところから、ラルクの声。
「知らないけど、決着をつけようってんじゃないの? あたしたちが意外にしぶといから」
やけくそ気味にソフィアが言い返す。
「つまりは私たち、アリ人間の女王の餌にされるっていうわけね」
軽口をたたいてみたものの、先行きは暗い。
とにかく、エロ魔法が効きそうにないのが痛い。
私の魔法が役に立たなくては、逃げることすらおぼつかないのだ。
次にレベルアップして、新魔法を習得するには、新たなエロ体験が不可欠だ。
でも、相手はアリなのである。
どう考えても、気持ちよくなんてしてくれそうもない。
「待っていたよ、ソフィア。それから雑魚ふたり」
入り口を通る時、アラクネがせせら笑うのが聞こえてきた。
「マラブンタリアンの恐ろしさ、身に染みて思い知るがいい」
マラブンタリアン?
なにそれ?
長い名前だなあ。
ああ、そうか。
つまり、マラブンタ=軍隊アリの、いわば人間バージョンというわけね。
ソフィアの叫びが、途中でかき消された。
後ろから現れたアリ人間たちが、ソフィアとラルクを羽交い絞めしているのだ。
「う、うん、でも、どれにしよう?」
悩みどころである。
そもそも、等身大とはいえ、相手はアリなのだ。
エア・フェラチオ、エア・クンニ、エア・ぱいずり、全身さわさわなどは、まず無効だろう。
同じ理由で、アナルシュレッダーとヴァギナカッターも使えない。
水中ならまだしも使い道があるけど、陸上では本来の使い方しかできないし。
となると残るは乳首ミサイルとエクスタシー・ハリケーンだが、まさかこんなところでミサイルをぶっ放すわけにもいかないし、エクスタシー・ハリケーンを使ったら、ソフィアとラルクも戦闘不能状態に陥ってしまうに違いない。
なんて悩んでいると、私もつかまってしまっていた。
アリたちは、獲物を胴上げみたいな形に頭の上に持ち上げて、行列をつくって進んでいく。
水平になった足の先に、あの塔が見えてきた。
三角形の大きな開口部があり、その両脇に門番が立っている。
その中から、人影が現れた。
黒いエナメルのボンテージ風衣装。
顔の上半分は仮面で隠れているが、その体のラインといい、セクシーな網タイツといい、人間の女であることは間違いない。
髪型は寝癖のついた天然パーマなのか、蝙蝠の翼よろしく左右に大きく張り出している。
でも、どうして蟻塚に人間がいるのだろう?
「女王の間に運べ」
威張った口調で、女がアリ人間たちに命令した。
ずいぶんと声が若い。
私の世界の感覚で言えば、中学生ぐらいだろうか。
「うう、あいつ」
隣で私同様胴上げされているソフィアが、歯ぎしりするみたいな調子で言った。
「闇の錬金術師、アラクネよ」
ああ。
私は納得した。
どこかで見たことがあると思ったら、あの時の…。
きのう話題にしてたばかりではないか。
すっかり忘れてた。
「しかし、なんでアラクネがここに?」
少し離れたところから、ラルクの声。
「知らないけど、決着をつけようってんじゃないの? あたしたちが意外にしぶといから」
やけくそ気味にソフィアが言い返す。
「つまりは私たち、アリ人間の女王の餌にされるっていうわけね」
軽口をたたいてみたものの、先行きは暗い。
とにかく、エロ魔法が効きそうにないのが痛い。
私の魔法が役に立たなくては、逃げることすらおぼつかないのだ。
次にレベルアップして、新魔法を習得するには、新たなエロ体験が不可欠だ。
でも、相手はアリなのである。
どう考えても、気持ちよくなんてしてくれそうもない。
「待っていたよ、ソフィア。それから雑魚ふたり」
入り口を通る時、アラクネがせせら笑うのが聞こえてきた。
「マラブンタリアンの恐ろしさ、身に染みて思い知るがいい」
マラブンタリアン?
なにそれ?
長い名前だなあ。
ああ、そうか。
つまり、マラブンタ=軍隊アリの、いわば人間バージョンというわけね。
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