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#37 砂漠の悪魔
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なんかよくわかんないけど、プールどころではない。
急いで人のいるほうに戻ると、屋台の向こうに奇妙なものが動くのが見えた。
何本もの巨大な触手である。
人々は店の中に避難して、一様に息を殺し、空に蠢く触手の方を見つめている。
「行ってみよう」
怖いもの知らずのソフィアに手を引かれてオアシスの入口まで行くと、そいつの全貌が視界に入ってきた。
砂嵐を巻き上げながら、猛烈な勢いで迫ってくるのは、5階建てのビルほどもある巨大なタコだった。
「な、なにあれ?」
あっけにとられ、うめいた私に、いつのまにかそばに来ていたラルクが言った。
「見ての通り、サンドオクトパス、いわゆる砂蛸だ。サンドオクトパスは、普段は砂の下にもぐっているが、ときたま水を飲みにオアシスに現れる。完全な肉食性だから、ついでに人も食う。砂漠でもっともやっかいな魔物のうちのひとつだな」
「なんてのんきに解説してる場合じゃないと思うけど」
私はこぶしをにぎって身構えた。
「いくらなんでもでかすぎる。あれじゃ、まるで怪獣だわ。なんとかしないと、このオアシスは全滅よ」
「そうね」
ソフィアがうなずいた。
「早くも私たちの出番ってとこかしら。私、着替えてくるから、翔子はここであいつを足止めしてくれない?」
「いいけど…。でも、どうやって?」
私の魔法は、言うまでもなくエロ系ばかりである。
エア・クンニにしてもエア・フェラチオにしても、相手が人間であって初めて役に立つ。
まあ、完全な人間じゃないにしても、ゴブリンやオーク、トロルみたいな哺乳類(?)ならなんとかなる。
でも、今回は相手がタコなのだ。
タコにフェラやクンニが効くとはとても思えない。
第一、どこにフェラやクンニをすればいいというのだろう?
「この前トロルにかましたあの技はどうだ? あれで触手を一本ずつ無効化していけば」
ラルクが言うのはもちろんヴァギナカッターとアナルシュレッダーのことだろう。
しかし、である。
私の身にもなってほしい。
「待ってよ。いくらなんでも、あんな太いの入らないわよ」
上空をのたうつ触手を見上げて、私は言った。
「それに、仮に入ったとしても、最初の2本をくわえ込んだところで、他の6本に攻撃されちゃうでしょ?」
「コンマ0秒の速さで瞬殺して回ればいい」
「ちょっと、私のおまんことアナルをなんだと思ってるのよ。そんな早業、できるわけないじゃない。そんなこというなら、あんたやってみなさいよ!」
「まあまあ」
けんか腰になった私をソフィアがなだめた。
「じゃ、こういうのはどうかしら? 今ここで速攻でレベルを上げて、新しい魔法をマスターするのよ」
「どうやって?」
意外な提案に私は目を丸くした。
「翔子の場合、要はエロい目に遭えばいいんでしょ? あそこにいる人たちに手伝ってもらうのよ」
ソフィアが指さしたのは、建物の中に避難した群衆のほうである。
「名案だな。集団レイプされれば、きっと一気にレベルが上がるぞ」
とんでもないことを、ラルクがさらりと言ってのけた。
「集団レイプ?」
目の前が暗くなった。
まったく、人の身体を何だと思っているのだ。
「世界を救うためよ。翔子、決断して」
「でも、次に覚える魔法が使えるものとは限らない。そうでしょ…?」
たちまち不安になる私。
そこに、
「エロ魔導士もレベル30を超えれば、攻撃系の魔法が使えるようになるはずだ。サポもつけたことだしな」
したり顔でラルクが横から口を出した。
「頭の中で検索してみて。次に習得予定の魔法のリストが出てくるはずよ」
「検索?」
「そう。目を閉じて、強く念じるだけ。戦士系のスキルもそれでわかるもの」
やってみた。
ほどなくして、出た。
≪習得予定魔法≫
レベル32:乳首ミサイル/愛液ローション
愛液ローションは置いとくとして…。
「なるほど」
私はうなずいた。
「乳首ミサイル。これならいけそうね」
急いで人のいるほうに戻ると、屋台の向こうに奇妙なものが動くのが見えた。
何本もの巨大な触手である。
人々は店の中に避難して、一様に息を殺し、空に蠢く触手の方を見つめている。
「行ってみよう」
怖いもの知らずのソフィアに手を引かれてオアシスの入口まで行くと、そいつの全貌が視界に入ってきた。
砂嵐を巻き上げながら、猛烈な勢いで迫ってくるのは、5階建てのビルほどもある巨大なタコだった。
「な、なにあれ?」
あっけにとられ、うめいた私に、いつのまにかそばに来ていたラルクが言った。
「見ての通り、サンドオクトパス、いわゆる砂蛸だ。サンドオクトパスは、普段は砂の下にもぐっているが、ときたま水を飲みにオアシスに現れる。完全な肉食性だから、ついでに人も食う。砂漠でもっともやっかいな魔物のうちのひとつだな」
「なんてのんきに解説してる場合じゃないと思うけど」
私はこぶしをにぎって身構えた。
「いくらなんでもでかすぎる。あれじゃ、まるで怪獣だわ。なんとかしないと、このオアシスは全滅よ」
「そうね」
ソフィアがうなずいた。
「早くも私たちの出番ってとこかしら。私、着替えてくるから、翔子はここであいつを足止めしてくれない?」
「いいけど…。でも、どうやって?」
私の魔法は、言うまでもなくエロ系ばかりである。
エア・クンニにしてもエア・フェラチオにしても、相手が人間であって初めて役に立つ。
まあ、完全な人間じゃないにしても、ゴブリンやオーク、トロルみたいな哺乳類(?)ならなんとかなる。
でも、今回は相手がタコなのだ。
タコにフェラやクンニが効くとはとても思えない。
第一、どこにフェラやクンニをすればいいというのだろう?
「この前トロルにかましたあの技はどうだ? あれで触手を一本ずつ無効化していけば」
ラルクが言うのはもちろんヴァギナカッターとアナルシュレッダーのことだろう。
しかし、である。
私の身にもなってほしい。
「待ってよ。いくらなんでも、あんな太いの入らないわよ」
上空をのたうつ触手を見上げて、私は言った。
「それに、仮に入ったとしても、最初の2本をくわえ込んだところで、他の6本に攻撃されちゃうでしょ?」
「コンマ0秒の速さで瞬殺して回ればいい」
「ちょっと、私のおまんことアナルをなんだと思ってるのよ。そんな早業、できるわけないじゃない。そんなこというなら、あんたやってみなさいよ!」
「まあまあ」
けんか腰になった私をソフィアがなだめた。
「じゃ、こういうのはどうかしら? 今ここで速攻でレベルを上げて、新しい魔法をマスターするのよ」
「どうやって?」
意外な提案に私は目を丸くした。
「翔子の場合、要はエロい目に遭えばいいんでしょ? あそこにいる人たちに手伝ってもらうのよ」
ソフィアが指さしたのは、建物の中に避難した群衆のほうである。
「名案だな。集団レイプされれば、きっと一気にレベルが上がるぞ」
とんでもないことを、ラルクがさらりと言ってのけた。
「集団レイプ?」
目の前が暗くなった。
まったく、人の身体を何だと思っているのだ。
「世界を救うためよ。翔子、決断して」
「でも、次に覚える魔法が使えるものとは限らない。そうでしょ…?」
たちまち不安になる私。
そこに、
「エロ魔導士もレベル30を超えれば、攻撃系の魔法が使えるようになるはずだ。サポもつけたことだしな」
したり顔でラルクが横から口を出した。
「頭の中で検索してみて。次に習得予定の魔法のリストが出てくるはずよ」
「検索?」
「そう。目を閉じて、強く念じるだけ。戦士系のスキルもそれでわかるもの」
やってみた。
ほどなくして、出た。
≪習得予定魔法≫
レベル32:乳首ミサイル/愛液ローション
愛液ローションは置いとくとして…。
「なるほど」
私はうなずいた。
「乳首ミサイル。これならいけそうね」
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