異世界転生して謎のリングをアソコに装着したらエロ魔導士になりましたとさ

戸影絵麻

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#24　アビリティ＆新魔法

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　恍惚とした表情をその醜い顔に浮かべ、己の一物を引っ張り出し、すごい勢いでしごき始めるオークたち。

　そこに体勢を立て直したカイルたちが突っ込んでいく。

　頭の中で立て続けにファンファーレが鳴り響き、目まぐるしくレベルアップを告げる声がした。

　－レベル25になりました。アビリティ”W魔法”習得ですー

　これはどうやら、二種類のエロ魔法を一度に使える技らしい。
　
　なかなかいいね。

　でも、消費MPも大きそう。

　ー新たな魔法を習得できます。どの魔法を選びますかー

　さらに声が言った。

　脳内スクリーンに浮かんでいるのは、

　?ヴァギナカッター　必要P40

　?アナルシュレッダー　必要P40

　のふたつである。

「なにこれ」

　私は思わず顔をしかめた。

　名前からして、とってもいやそうな魔法である。

　オークを20匹ほど始末したせいで、ポイントは180も貯まっていた。

　同じ雑魚でもゴブより大物なので、入る経験値やスキルポイントがけた違いに多いらしい。

「なにをぶつぶつ言ってるんだ？」

　ラルクが絡んできたので、面倒くさくなって、とりあえず両方とも覚えておくことにする。

「レベルアップして、新しい魔法、覚えたのよ」

　私はため口で言った。

　王子様のようなイケメンだが、この男、かなりの腰抜けでゲスである。

　丁寧語を使ってやる必要はもはやない。

　そう判断したためだ。

「おお、それはいい」

　ラルクが満足げにうなずいた。

「エロ魔法とやら、思ったより役に立つようだ。見直したぞ」

　別に見直してもらわなくても、いいんだけどね。

　ふんと顔を背けた時である。

　橋のほうから悲鳴が上がった。

　見ると、オークを向こう岸まで押し戻したカイルたちが、一斉に浮足立っている。

「まずい」

　ラルクがうめくのが聞こえてきた。

「トロルだ。トロルの登場だ」

「トロル？」

　なるほど。

　兵士たちの向こうで、異様にでかいやつが暴れている。

　身長は5メートルもあるだろうか。

　生白い肌をした、人型の巨大生物だ。

　巨大な斧を振り回し、次から次へと兵士たちを惨殺している。

「トロルは、闇の錬金術士によって生み出された人工生命体。ふつうの剣や槍では傷ひとつ負わせられない。ソフィアの神剣、グランデルなら可能だろうが、妹ひとりでは危険すぎる」

「じゃ、あなたが助けに行ったら？」

「馬鹿を言え。私は丸腰だ。考えるのが専門なのでな」

　そう言えばこの男、ひらひらした貴族みたいな服を着ているだけで、なんの装備も身に着けていない。

「あなた、えらそうなこと言ってたけど、口と行動が矛盾してない？」

「人間という存在は、矛盾の塊だ。論理では測れぬほど複雑怪奇なのだ」

　眉間にしわを寄せて、哲学者のように深刻になっている。

「もういい！　ソフィアは私が援護するから」

　こうなったら、さっき覚えたばかりのアビリティと新魔法を使ってやるだけだ。

　えーと、なんだったっけ。

　そうだ。
　
　W魔法のアビリティと。

　それから、ヴァギナカッターと、アナルシュレッダー。

　スカートの裾を翻して駆け出すと、

「よし。おまえが行くなら、私も行こう」

　どういう風の吹きまわしか、よせばいいのに、のこのこラルクがついてきた。

「おまえはまだ初心者だし、ひとつ、気になることがあるからな」

　

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