異世界病棟

戸影絵麻

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#17 地獄の躰拭き②

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 信じがたい出来事が起こったのは、次の瞬間だった。
「では、失礼しまーす」
 乙都が言って、僕の股間を弄り始めたのだ。
「うわわわわっ」
 僕は悲鳴を上げた。
 僕のふにゃふにゃの性器の中には、カテーテルが通っている。
 それが、ペニスと一緒にぐちゃぐちゃ掻き回され始めたから、たまらない。
「ごめんなさい。すぐ済みますから」
 僕のペニスをカテーテルの管ごともみくちゃにしながら、乙都が詫びる。
「や、やめて…」
 抵抗しようにも、後ろから蓮月に羽交い絞めにされ、僕は指一本動かせない。
 無防備に全裸に剥かれ、ふたりの若い女性に肉体を弄られているうちに、次第に妙な気分になってきた。
 最初くすぐったかったのが、少しずつ別の感覚に変わってきたのだ。
 正直に言おう。
 快感である。
 正直、オナニーの時以上に、気持ちがいい。
 僕の快感を呼び覚ましたのは、乙都のしなやかな指だけではなかった。
 僕の上半身を支える蓮月が、背後から手を伸ばして、僕の乳首をまさぐっている。
 指で弾いたりつまんだりして、勃起させようとしているのである。
 裸の背中に当たる、彼女のたわわな乳房も悩ましい。
 ああ…き、気持ち、いい・・・。
 陶然となった。
 頭の中に、ピンク色の靄がかかったような感じ、とでもいえばいいだろうか。
 その靄の奥で、何かひどく倒錯的な感情がそこに生まれ出ようとしていた。
 ああ、これは・・・。
 この感触は、あの時の・・・。
 いけない・・・。
 思い出すんじゃ、ない・・・。 
 その煩悶がピークに達した瞬間だった。
 突然、躰の中心に熱いマグマの塊が現出した。
 無理やり意識が現実に引き戻される。
 や、ヤバいっ!
「だ、だめっ」
 僕はあわてて足を閉じようとした。
 乙都の手のひらに揉まれて、僕のペニスが勃起しかけている。
 いくらなんでも、これはまずかった。
 だって、いくらなんでもありえないだろう。
 看護師に躰を洗われながら、患者が勃起してしまうだなんて…。
「ちょっと待ってください。もう少し、もう少しですから」
 乙都はまだ手の動きを止めようとしない。
 くううううう・・・。
 僕は茹でられた海老のように、裸身を反り返らせた。
 慣れてくると、尿道にカテーテルを差し込まれたままペニスを弄り回されるのは、とてつもない快感だ。
 まさに、これまで味わったことのない、異次元の感触だった。
「あらあら、恥ずかしい子。乳首、こんなに硬くしちゃってさ」
 そんな卑猥な言葉を口にしながら、僕の両の乳首を蓮月が巧みに愛撫する。
 彼女の指摘通り、僕の乳首は痛いほどカチコチに尖ってしまっている。
 僕は普段から乳首が性感帯なのだ。
 だからオナニーの時も、ペニスと一緒に…。
 そんなことを考えたとたん、
「あ、だめっ、で、出ちゃうっ!」
 快感が限界を超えて昇りつめ、ついに僕は痙攣した。
 おなじみのドクンドクンというあの脈動が始まり、透明なカテーテルの中に白濁した液体が流れ出す。
「きゃっ、なにこれ?」
 乙都が驚きの声を上げた、その時だった。
「うぐぐぐぐっ!」
 突如として息ができなくなり、僕は喉を掻きむしった。


 心臓に、負担がかかりすぎたと知ったのは、後で瑞季女医に叱られた時である・・・。

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