激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【官能編】

戸影絵麻

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第8部 妄執のハーデス

#96 最終決戦⑤

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 ”初心者”だけあって、重人の舌技は稚拙だった。
 気持ちだけ焦って、相手の反応を慮る心の余裕がないのだ。
 だが、その性急さが、杏里にはかえって新鮮だった。
 大陰唇を押し開き、ぱっくりと開いた赤く充血した穴に、重人の舌が何度も何度も突き刺さる。
 そのリズムと強さの加減が、杏里の予測と微妙にずれているため、もどかしさが募って逆に燃えてくる。
 更にその際、鼻先がクリトリスの裏側に強く当たるので、それもまた快感を生み出す源になっていた。
「ううん…」
 杏里の喘ぎ声が、長い尾を引いた。
 き、気持ち、いい…。
 見て…。
 こんな恥ずかしい私を、もっと、見て…。
 遠くから見ているウェイトレスたちの視線を全身に感じながら、あられもなく悶え狂う。
 おかげで杏里の股間はもうどろどろだ。
 あふれ出した淫汁が重人の顔を濡らし、濃厚な麝香の匂いを放っている。
「どうする? このへんでもう、やめておくか?」
 杏里の乳房をまさぐる手を休め、由羅が言う。
「ここで疲れちゃ、本番に支障が出るだろう?」
「だめ…」
 抗議したのは、重人ではなく、杏里のほうだった。
「もっと、して…。こんなところで、やめないで…」
 首を斜め上にねじって、下から由羅をにらみつける。
 杏里の瞳は濡れたように光り、うっすらと開いた唇から、ピンクの舌先が覗いている。
「仕方ないな」
 由羅が苦笑した。
「重人、床に正座しな」
「え?」
 杏里の股の間から顔を上げ、重人がきょとんとした表情をする。
 眼鏡をはずした重人の顔は、いつもよりもいっそう、幼く見える。
 だが、何かに憑かれたようなその目には、明らかな獣欲の炎が灯っていた。
「いいから正座して、顔を上に向けるんだ」
「ど、どうするの?」
「おまえの顔の上に、杏里をまたがらせる。そうすれば、あそこだけでなく、アナルも舐められる」
「アナル…」
 ただでさえ上気している重人の頬が、みるみるうちに赤くなった。
「大丈夫。杏里はアナルも非処女だから。むしろ、ふたつの穴を同時に責められたほうが感じるタチだ」
「わ、わかった…」
 言われるがまま、床に正座をすると、重人が口が上になるように顔を上向かせて、眼を閉じた。
「よし、杏里、テーブルから降ろすぞ」
 由羅が杏里の腋の下に手を入れた。
 まるでぬいぐるみでも扱うかのように、軽々と持ち上げる。
 そうしていったん床に立たせると、
「じゃまだな。それ以上汚れないうちに、スカートと下着は脱いでしまえ」
「上は…?」
 気だるい口調で杏里がたずねると、
「上はそのままでいい。全裸よりそのほうが、杏里は燃えるだろ? まるで凌辱されてるみたいだから」
「バカ…」
 恥じらうようにつぶやく杏里。
 が、実際、由羅の言う通りなのだ。
 顔を伏せたまま、自分から濡れたパンティとスカートを脱ぎ捨てた。
 窓の外にシェードが降りているため、そこが一面の鏡になり、杏里たちの姿を映し出している。
 由羅も重人も服を着ているのに、杏里だけが下半身裸のままだ。
 黒いセーラー服との対比で、滑らかな腹と上を向いた形のいいヒップが異様に艶めかしい。
 しかもセーラー服は前が大きくはだけられて真っ白な乳房がこぼれ出しているから、淫蕩なことこの上ない。
 乳房の頂では、由羅にさんざんいじられたせいで、遠目でもわかるほど乳首が硬く勃ってしまっている。
「じゃ、行くぞ」
 由羅がもう一度、背後から杏里を抱いて、すっと上に持ち上げた。
 そのまま平行移動させ、重人の顔の上にまたがらせる。
「口が届くように、重人は膝立ちになれ。重人の口が当たったら、杏里はその上に腰かけろ」
 後ろから再び杏里の乳房をぎゅっとつかむと、由羅が言った。
 ほどなくして、濡れそぼった陰部に何かが触れる感触を覚え、杏里はぴくりと身を震わせた。
 ゆっくりと腰を沈めていくと、またしても重人の熱い舌が体の中に入ってきた。
「始めよう」
 由羅が言い、ぐいぐいと杏里の乳房を揉み始めた。
「はうっ」
 耳に舌を入れられ、無意識のうちにあえぐ杏里。
 股間では、重人の舌がすごい勢いで動き始めている。
 視界の隅に見えるのは、自分の全身に浮き上がったオレンジ色の斑点だ。
 ユウの能力だった。
 杏里自身の性感帯が活性化した証拠でもある。
 杏里は体をくねらせながら、鏡を横目で見ている。
 そこに映るのは、、全身を快感に波打たせ、むき出しの胸乳と下半身を責めに責められている半裸の美少女だ。
 杏里は以前から、感じている己の姿を見るのが好きだった。
 根っからのナルシストだから、杏里が最も欲情するのは、自分自身の痴態を眼にした時なのだ。
 小刻みに震え、うねる肢体。
 たわわに実った乳房がもみくちゃにされ、陰部への刺激のせいで、開いた太腿に腱が浮き出ている。
 少女のあどけなさと、熟女の淫蕩さがない混ぜになった倒錯的な表情が、たまらなく愛おしい。
「い、いく…」
 杏里がうめいた時、
 右の耳たぶを噛んでいた由羅が、ささやいた。
「好きだ。杏里。愛してる…」
 

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