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第3部 凶愛のエロス
#7 強襲
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その日、杏里は打ちひしがれた心を抱いて、旅客機に乗った。
国内線だから、せいぜい一時間ほどの旅である。
その間、杏里はまったく口をきかなかった。
またしても、由羅に弄ばれてしまったのだ。
体も、心も、両方とも。
由羅の愛撫にかかると、哀しいほど敏感に反応してしまう自分の肉体が、疎ましくてたまらなかった。
それがパトスとタナトスとの親和性なのかもしれないが、杏里は由羅に少し触れられただけで、"あそこ"がはしたないくらいに濡れてしまうのだ。
そのくせ、由羅のほうは、いつも最後まで醒めたままなのである。
それが、悔しい。
そんな杏里の気分を察してなのか、あるいはもともと関心がないのか、小田切も帰る間中無言だった。
杏里は眠れない夜を過ごし、明け方になってようやく、とろとろとした浅い眠りにつくことができた。
翌日はよく晴れた真夏日だった。
杏里が新しく通うことになった塩見が丘中学校は、全国でも珍しい公立の中高一貫校である。
海の近くにあるせいか、敷地が広く、設備も新しい。
以前の若葉台中学とは比べ物にならないほど、さまざまな面で快適だった。
まず、プールにはちゃんと男女別の更衣室がついている。
これは、教室と理科室で着替えていた若葉台中学とは大違いだった。
更に贅沢なことに、プール自体が二面あった。
中等部用と、高等部用の二面である。
前者は普通の25mプールだが、後者は本格的な競泳用の50mプールである。
水深も、一方の端では約2mと、足が立たないほど深い。
体育館も広くて綺麗で、屋上にはプラネタリウムが設置されていた。
この中学で杏里がいじめの標的にならないのは、案外そんなところに原因があるのかもしれなかった。
学校の設備自体が新しく明るいので、生徒たちにストレスがたまらないのだ。
3時間目は、体育だった。
この時期の体育といえば、水泳である。
鬱々とした気分のまま2時限をやり過ごした杏里には、この3時限目は渡りに船だった。
特に水泳が得意だったり好きだったりするわけではない。
が、体に染みついた澱のようなものを、綺麗さっぱり洗い流したかったのだ。
更衣室で着替えていると、高橋楓がにこにこ笑いながら寄ってきた。
「わー、杏里だ! ちょっとハグさせて」
制服のまま、いきなり抱きついてきた。
杏里はちょうど水着を着終わったところだった。
「やわらかーい」
楓の声に、着替えていたまわりの女子たちが集まってきた。
「おおー、この前から思ってたんだけど、笹原さんってスタイルいいよねー」
誰かがいった。
「トランジスタグラマーっていうんでしょ。そういうの」
「まさにおっぱい星人」
ねえ、あたしにもハグさせてよー。
うっそー、プリンみたいでむちゃくちゃ気持ちいいじゃん、このおっぱい!
たちまちのうちに、大騒ぎになった。
もみくちゃにされた。
が、周囲の誰からも悪意は感じられない。
それが杏里には救いだった。
若葉台中学の水泳の授業では、筆舌に尽くしがたい壮絶な目に遭っている。
今の心理状態で、あのような地獄を味あわされるのだけは、避けたかったのだ。
幸い、小田切に引き取られるにあたり、身の回りのものはみんな新しく買い揃えてもらっていた。
スクール水着も体に合わせて新調したものなので、前のように無様な格好になることもない。
相変らず人目を引かずにはおかない中学生ばなれした肢体ではあるが、少なくとも水着のサイズによる不自然さは解消されていた。
「きょうは高等部のプール、使わせてもらえるんだって」
水着に着替え、杏里と肩を並べて歩きながら楓がいった。
「なんかわくわくしない? あたし、いっぺんでいいから、あっちのプールで泳いでみたかったんだ」
うれしそうに目をキラキラさせている。
「そう? 私はちょっとこわいな」
杏里はむき出しの二の腕を撫でさすった。
「あんまり泳ぐの得意じゃないし」
「ぜんぜん泳げないの? ひょっとして、カナヅチ?」
「ってほどじゃないけど」
一応、50mくらいは泳げた気がする。
が、なにせ記憶が三年分ほどしかないから、あまり自信はなかった。
「ダイジョウブだって」
楓がいたずらっぽい目で、横から杏里の顔を覗き込んで、いった。
「杏里はいやでも水に浮くでしょ。それだけお尻とおっぱいに空気入ってるんだから」
「空気なんか入ってないよー」
杏里は笑い声を上げた。
楽しかった。
これぞ中学二年生の女子トークという気がした。
私たちはまだ子どもなのだ。
性的な快楽に溺れたり、素手で化け物と戦ったりするなんて、間違っている。
いったい誰が考えたのか知らないが、
あんなの、それこそ児童福祉法違反、こどもの権利条約違反ではないか。
そう改めて思ったのである。
「きょうは高等部のプールを使う。深いから充分注意するように。それから、カナヅチは今のうちに申し出ろ。いつもの中等部用を使わせてやるから」
筋骨たくましい若い男性教師が、扇形に並んでプールサイドに坐った生徒たちを見回して、いった。
だが、誰も手を上げない。
みんな、くすくす笑うだけだ。
「ここ、海の町だからさ、泳げない子なんていないんだよ」
隣の楓が囁いた。
「だね」
振り向いて笑いかけてきたのは、山中翔太だ。
笑顔の素敵な、さわやかな風貌の少年である。
「おい、翔太。何しゃべってる」
男性教師が少年を指差した。
「罰として模範演技だ。クロールのフォームの見本を、みんなに見せてやれ」
「マジすか」
翔太が頭を掻きながら立ち上がる。
着やせするタイプなのか、意外に筋肉質な体をしていた。
腹筋が四つに割れているところをみると、かなりのスポーツマンのようだ。
「山中君はね、水泳部のエースなんだよ」
うっとりとした口調で、楓がいった。
何かまぶしいものでも見るように、目を細めて翔太のほうを見つめている。
杏里はそんな楓をうらやましいと思った。
こんなにストレートに人を恋することができるなんて・・・。
なんてステキなことだろう。
そう思えてならなかったのだ。
まばゆい夏の日差しの降り注ぐ中で見る翔太の模範演技は、思わず見とれてしまうほどダイナミックで美しかった。
楓が夢中になるのも無理はない、と杏里は認識を新たにしないではいられなかった。
それが終わると、今度は杏里たち一般の生徒の番だった。
次の授業でタイムを計るから、きょうはその練習だ、と教師はいった。
海の子がそろっているだけあって、みんな泳ぎはうまかった。
だから、水が冷たいだのなんだのといってはいられなかった。
飛び込みの仕方。
腕のかき方。
息継ぎの仕方。
杏里は負けないように、懸命に練習した。
楓がそばについてフォームを直してくれるので、そのうちだんだんスムーズに泳げるようになってきた。
「今度はひとりで50m、泳いでみる」
自信がついてきたところで、杏里はいった。
「うん、がんばって。杏里ならきっとできるよ」
楓に励まされ、頭から水面に飛び込んだ。
あわてないで、杏里。
慎重にいけば、大丈夫、
息継ぎがうまくできるようになったので、意外に楽だった。
楓に矯正されたフォームを保つと、動きに無駄がないため、疲れが少ないのだ。
予想より早く、反対側のプールサイドにたどりついた。
楓、やったよ!
そう、叫ぼうとしたときだった。
だしぬけに、右脚を凄い力で引っ張られ、杏里は水を飲んだ。
体が沈んでいく。
もがいて、浮上しようとした。
カチリ、と金属音がきこえた気がした。
浮上が止まった。
足が引っ張られて、体が浮かないのだ。
水中で目を開け、驚いて下を見ると、右足首にわっかのようなものがはまっていた。
玩具の手錠だった。
プールサイドに昇降用の鉄パイプの梯子が設置されているのだが、右足首がその一番下の段に手錠でつなぎとめられているのだった。
誰?
なんてひどいいたずらなの?
杏里は水中で周りを見回した。
生徒たちの影がいくつも近くに見えるが、誰が誰だかまったくわからない。
いったんもぐって、手錠をはずそうと試みた。
が、だめだった。
玩具とはいえ、かなり頑丈につくられた手錠のようで、鍵がなければ開きそうになかった。
仕方なく、もう一度水面に浮上しようとした。
あと少しというところで、がくんと足が手錠に引っ張られる。
杏里は青ざめた。
届かない。
顔が出ない。
ここはもっとも深いところなのだ。
このままでは、水面に出られない。
つまり、呼吸ができないということだ。
-タナトスの唯一の弱点は、脳だー
いつかの重人の言葉が脳裏に蘇る。
もしそれが本当なら、これは大変な状況なのではないか。
たとえ外来種に脳を食われなくとも、酸素が循環しなくなれば同じことだ。
酸素が少しでも途絶えれば、脳は死ぬ。
杏里はパニックに陥った。
死にたい、と思ったことは何度もある。
しかし、こんなわけのわからない死に方は嫌だった。
懸命にもがいているときだった。
突然、背中を棒状のもので突かれた。
かわそうとすると、今度はわき腹に別の棒が突き刺さってきた。
モップの柄だった。
杏里が浮かび上がれないのをいいことに、誰かが水の上からいたずらをしかけてきているのだ。
どす黒い絶望が、杏里の胸の底にわきあがった。
ああ・・・。
半ば諦めの気分で、思った。
やっぱり、ここも同じだったんだ・・・。
国内線だから、せいぜい一時間ほどの旅である。
その間、杏里はまったく口をきかなかった。
またしても、由羅に弄ばれてしまったのだ。
体も、心も、両方とも。
由羅の愛撫にかかると、哀しいほど敏感に反応してしまう自分の肉体が、疎ましくてたまらなかった。
それがパトスとタナトスとの親和性なのかもしれないが、杏里は由羅に少し触れられただけで、"あそこ"がはしたないくらいに濡れてしまうのだ。
そのくせ、由羅のほうは、いつも最後まで醒めたままなのである。
それが、悔しい。
そんな杏里の気分を察してなのか、あるいはもともと関心がないのか、小田切も帰る間中無言だった。
杏里は眠れない夜を過ごし、明け方になってようやく、とろとろとした浅い眠りにつくことができた。
翌日はよく晴れた真夏日だった。
杏里が新しく通うことになった塩見が丘中学校は、全国でも珍しい公立の中高一貫校である。
海の近くにあるせいか、敷地が広く、設備も新しい。
以前の若葉台中学とは比べ物にならないほど、さまざまな面で快適だった。
まず、プールにはちゃんと男女別の更衣室がついている。
これは、教室と理科室で着替えていた若葉台中学とは大違いだった。
更に贅沢なことに、プール自体が二面あった。
中等部用と、高等部用の二面である。
前者は普通の25mプールだが、後者は本格的な競泳用の50mプールである。
水深も、一方の端では約2mと、足が立たないほど深い。
体育館も広くて綺麗で、屋上にはプラネタリウムが設置されていた。
この中学で杏里がいじめの標的にならないのは、案外そんなところに原因があるのかもしれなかった。
学校の設備自体が新しく明るいので、生徒たちにストレスがたまらないのだ。
3時間目は、体育だった。
この時期の体育といえば、水泳である。
鬱々とした気分のまま2時限をやり過ごした杏里には、この3時限目は渡りに船だった。
特に水泳が得意だったり好きだったりするわけではない。
が、体に染みついた澱のようなものを、綺麗さっぱり洗い流したかったのだ。
更衣室で着替えていると、高橋楓がにこにこ笑いながら寄ってきた。
「わー、杏里だ! ちょっとハグさせて」
制服のまま、いきなり抱きついてきた。
杏里はちょうど水着を着終わったところだった。
「やわらかーい」
楓の声に、着替えていたまわりの女子たちが集まってきた。
「おおー、この前から思ってたんだけど、笹原さんってスタイルいいよねー」
誰かがいった。
「トランジスタグラマーっていうんでしょ。そういうの」
「まさにおっぱい星人」
ねえ、あたしにもハグさせてよー。
うっそー、プリンみたいでむちゃくちゃ気持ちいいじゃん、このおっぱい!
たちまちのうちに、大騒ぎになった。
もみくちゃにされた。
が、周囲の誰からも悪意は感じられない。
それが杏里には救いだった。
若葉台中学の水泳の授業では、筆舌に尽くしがたい壮絶な目に遭っている。
今の心理状態で、あのような地獄を味あわされるのだけは、避けたかったのだ。
幸い、小田切に引き取られるにあたり、身の回りのものはみんな新しく買い揃えてもらっていた。
スクール水着も体に合わせて新調したものなので、前のように無様な格好になることもない。
相変らず人目を引かずにはおかない中学生ばなれした肢体ではあるが、少なくとも水着のサイズによる不自然さは解消されていた。
「きょうは高等部のプール、使わせてもらえるんだって」
水着に着替え、杏里と肩を並べて歩きながら楓がいった。
「なんかわくわくしない? あたし、いっぺんでいいから、あっちのプールで泳いでみたかったんだ」
うれしそうに目をキラキラさせている。
「そう? 私はちょっとこわいな」
杏里はむき出しの二の腕を撫でさすった。
「あんまり泳ぐの得意じゃないし」
「ぜんぜん泳げないの? ひょっとして、カナヅチ?」
「ってほどじゃないけど」
一応、50mくらいは泳げた気がする。
が、なにせ記憶が三年分ほどしかないから、あまり自信はなかった。
「ダイジョウブだって」
楓がいたずらっぽい目で、横から杏里の顔を覗き込んで、いった。
「杏里はいやでも水に浮くでしょ。それだけお尻とおっぱいに空気入ってるんだから」
「空気なんか入ってないよー」
杏里は笑い声を上げた。
楽しかった。
これぞ中学二年生の女子トークという気がした。
私たちはまだ子どもなのだ。
性的な快楽に溺れたり、素手で化け物と戦ったりするなんて、間違っている。
いったい誰が考えたのか知らないが、
あんなの、それこそ児童福祉法違反、こどもの権利条約違反ではないか。
そう改めて思ったのである。
「きょうは高等部のプールを使う。深いから充分注意するように。それから、カナヅチは今のうちに申し出ろ。いつもの中等部用を使わせてやるから」
筋骨たくましい若い男性教師が、扇形に並んでプールサイドに坐った生徒たちを見回して、いった。
だが、誰も手を上げない。
みんな、くすくす笑うだけだ。
「ここ、海の町だからさ、泳げない子なんていないんだよ」
隣の楓が囁いた。
「だね」
振り向いて笑いかけてきたのは、山中翔太だ。
笑顔の素敵な、さわやかな風貌の少年である。
「おい、翔太。何しゃべってる」
男性教師が少年を指差した。
「罰として模範演技だ。クロールのフォームの見本を、みんなに見せてやれ」
「マジすか」
翔太が頭を掻きながら立ち上がる。
着やせするタイプなのか、意外に筋肉質な体をしていた。
腹筋が四つに割れているところをみると、かなりのスポーツマンのようだ。
「山中君はね、水泳部のエースなんだよ」
うっとりとした口調で、楓がいった。
何かまぶしいものでも見るように、目を細めて翔太のほうを見つめている。
杏里はそんな楓をうらやましいと思った。
こんなにストレートに人を恋することができるなんて・・・。
なんてステキなことだろう。
そう思えてならなかったのだ。
まばゆい夏の日差しの降り注ぐ中で見る翔太の模範演技は、思わず見とれてしまうほどダイナミックで美しかった。
楓が夢中になるのも無理はない、と杏里は認識を新たにしないではいられなかった。
それが終わると、今度は杏里たち一般の生徒の番だった。
次の授業でタイムを計るから、きょうはその練習だ、と教師はいった。
海の子がそろっているだけあって、みんな泳ぎはうまかった。
だから、水が冷たいだのなんだのといってはいられなかった。
飛び込みの仕方。
腕のかき方。
息継ぎの仕方。
杏里は負けないように、懸命に練習した。
楓がそばについてフォームを直してくれるので、そのうちだんだんスムーズに泳げるようになってきた。
「今度はひとりで50m、泳いでみる」
自信がついてきたところで、杏里はいった。
「うん、がんばって。杏里ならきっとできるよ」
楓に励まされ、頭から水面に飛び込んだ。
あわてないで、杏里。
慎重にいけば、大丈夫、
息継ぎがうまくできるようになったので、意外に楽だった。
楓に矯正されたフォームを保つと、動きに無駄がないため、疲れが少ないのだ。
予想より早く、反対側のプールサイドにたどりついた。
楓、やったよ!
そう、叫ぼうとしたときだった。
だしぬけに、右脚を凄い力で引っ張られ、杏里は水を飲んだ。
体が沈んでいく。
もがいて、浮上しようとした。
カチリ、と金属音がきこえた気がした。
浮上が止まった。
足が引っ張られて、体が浮かないのだ。
水中で目を開け、驚いて下を見ると、右足首にわっかのようなものがはまっていた。
玩具の手錠だった。
プールサイドに昇降用の鉄パイプの梯子が設置されているのだが、右足首がその一番下の段に手錠でつなぎとめられているのだった。
誰?
なんてひどいいたずらなの?
杏里は水中で周りを見回した。
生徒たちの影がいくつも近くに見えるが、誰が誰だかまったくわからない。
いったんもぐって、手錠をはずそうと試みた。
が、だめだった。
玩具とはいえ、かなり頑丈につくられた手錠のようで、鍵がなければ開きそうになかった。
仕方なく、もう一度水面に浮上しようとした。
あと少しというところで、がくんと足が手錠に引っ張られる。
杏里は青ざめた。
届かない。
顔が出ない。
ここはもっとも深いところなのだ。
このままでは、水面に出られない。
つまり、呼吸ができないということだ。
-タナトスの唯一の弱点は、脳だー
いつかの重人の言葉が脳裏に蘇る。
もしそれが本当なら、これは大変な状況なのではないか。
たとえ外来種に脳を食われなくとも、酸素が循環しなくなれば同じことだ。
酸素が少しでも途絶えれば、脳は死ぬ。
杏里はパニックに陥った。
死にたい、と思ったことは何度もある。
しかし、こんなわけのわからない死に方は嫌だった。
懸命にもがいているときだった。
突然、背中を棒状のもので突かれた。
かわそうとすると、今度はわき腹に別の棒が突き刺さってきた。
モップの柄だった。
杏里が浮かび上がれないのをいいことに、誰かが水の上からいたずらをしかけてきているのだ。
どす黒い絶望が、杏里の胸の底にわきあがった。
ああ・・・。
半ば諦めの気分で、思った。
やっぱり、ここも同じだったんだ・・・。
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