サイコパスハンター零

戸影絵麻

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第2章 百合と髑髏の狂騒曲

#1 幕間

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 何かないだろうか、手頃なものが。

 彼は焦っていた。

 あれはもう、限界にきている。

 捜せと彼に圧力をかけてくる。

 矢のような催促とはこのことだ。

 まったく、寝る暇もありゃしない。

 無理だなどと言えば、間違いなく殺される。

 頼む。

 何でもいい。

 見つかってくれ。

 お願いだ。

 あれの満足のいくものだったなら、どんなものでもいいのだから…。


 そして、ある日、彼はついに見つけたのだった。

 そんなに簡単に見つかるとは思っていなかっただけに、正直彼は驚いた。

 ひと目見るなり、閃いたのだ。

 そうか、これが使えるぞ。

 これには、こういう使い方もあるはずだ、と。


 なんて冴えてるのだろう。

 俺は天才か。

 笑いがこみ上げてきた。

 実にちょうどいい。

 まさに理想的だ。

 僥倖としかいいようがない。

 これなら刃物も必要ない。

 俺の腕の力だけでなんとかなるだろう。

 実際やってみると、簡単だった。

 元から弱っていたらしく、それはろくに泣きもしないで息絶えた。

 あとは力任せにねじ切るだけだった。


 これでいい。

 とりあえず、1週間はもつはずだ。

 戦利品を入手し、意気揚々と引き揚げながら、しかし、と彼は思った。

 次はこうはいかないに違いない。
 
 道具が要る。

 あれに催促される前に、早めに用意しなければ…。

 


 
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