サイコパスハンター零

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
24 / 157
第1章 黄泉の国から来た少女

#23 杏里、陶酔する

しおりを挟む
 湯上りの身体に、ぴちぴちのタンクトップが貼りついている。

 ブラをしていないので、張り切って丸く膨らんだ胸の先の部分に、ふたつの突起がツンとふしだらに浮き出してしまっている。

 そこに、全裸の零が長くしなやかな手足を使って、邪神のように絡みついていた。

 これまでとは逆パターンである。

 服を着たままの杏里に、裸の零が絡みついているのだ。

 その倒錯した構図に、杏里は早くも昂ぶり始めていた。

 スレンダーな肢体ながら、こんもりと盛り上がった双丘と形よく上を向いた尻。

 真白な零の裸体は、さながら女神のそれである。

 ふたりは洋間の真ん中に突っ立ったまま、抱き合っていた。

 零は襟元から手を入れ、しきりに杏里の乳房を揉みしだいている。

 杏里の弱点が乳首であることを見抜いていて、しきりにそこを責めてくるのだ。

 指で弾かれ、つままれ、よじられ、それは今や恥ずかしいほど硬く尖ってしまっていた。

 はあはあはあ。

 杏里の息が荒くなる。

 手は後ろ手に、ハンカチで緩く腰のあたりで縛られたままだ。

 零は杏里より少し背が高い。

 ストレートヘアの間から覗く人形のように整った顔で、喘ぐ杏里の顏を見下ろしている。

「もういいよ、吸って。十分、気持ちよくなってるから」

 喘ぎ声の合間に、杏里は言った。

 これ以上弄ばれては、心も体も制御不能になってしまう。

 さすがに今晩は、朝まで愛を交わすわわけにはいかないのだ。

「どこにする?」

 薄く口を開け、先の割れた舌をひらひらさせながら、零が訊く。

「首はだめ。もし痕が残ったら、キスマークと間違えられるから」

「じゃあ、どこがいい?」

「外から、見えないとこ」

「ふむ。じゃ、こうか」

 零が杏里の右足を持ち上げた。

「柱につけて、高く上げてろ」

 キックボクシングのおかげで、杏里の身体は柔らかい。

 バレリーナみたいに高く片脚を上げると、スカートが腰まで捲れあがって下着が丸見えになる。

 杏里の下半身を包んでいるのは、形と色こそシンプルだが、肌が透けそうに薄いパンティである。

 足を上げているせいで、股間のふくらみが恥ずかしいほど強調されてしまっていた。

 足元にかがみこみ、零がその股間に顔を近づけてきた。

「あ、だめぇ」

 杏里はのけぞった。

 くっきりと浮き出た割れ目に沿って、零が指を走らせてきたからだった。

「もう濡れてる」

 零が囁いた。

「杏里はわかりやすい」

 蕾を指でつままれた。

「あんっ」

 杏里の喉から甘えるような声が出た。

「言わないで…。そんな、恥ずかしいこと」

 体の芯が熱くなる。

 奥の奥で何かがゆっくりほどけ始めるのがわかる。

「な、何するの?」

 息も絶え絶えに、杏里がたずねたときだった。

 零の指がパンティのへりをめくったかと思うと、そのすき間から長い舌が入り込んできた。

 潤い切った杏里の”口”が、何の抵抗もなくその異物を咥え込む。

 まとわりつく襞を絡みつかせながら、零の舌が杏里の中を奥まで突き進む。

 やがて、先端が子宮の壁に届くのが、疼くような感触からわかった。

「そ、そんなとこ…」

 身体をねじった拍子に、手首を縛ったハンカチがほどけて落ちた。

 杏里は自由になった両手で零の頭を抱え、腰に顔を押しつけた。

 零の唇が、杏里の下の唇と合わさった。

 杏里の股間にキスしながら、零が子宮から血を吸い始めた。

 これまでに感じたことのない愉悦の波が押し寄せ、杏里を翻弄する。

「やんっ、い、いい…」

 チアガールのユニフォーム姿で片足を高々と上げた姿勢のまま、杏里は達した。

「ありがとう」

 へなへなと崩れ落ちる杏里を、全裸の零が抱き留めた。

「さすが人魚姫。きょうはまた、前にも増して美味しかった」

 無抵抗になった杏里を抱きしめて、零が耳元で囁いた。

「別のエキスが、たっぷりと混じってたからな」




 






しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ハイブリッド・ブレイン

青木ぬかり
ミステリー
「人とアリ、命の永さは同じだよ。……たぶん」  14歳女子の死、その理由に迫る物語です。

無能な陰陽師

もちっぱち
ホラー
警視庁の詛呪対策本部に所属する無能な陰陽師と呼ばれる土御門迅はある仕事を任せられていた。 スマホ名前登録『鬼』の上司とともに 次々と起こる事件を解決していく物語 ※とてもグロテスク表現入れております お食事中や苦手な方はご遠慮ください こちらの作品は、 実在する名前と人物とは 一切関係ありません すべてフィクションとなっております。 ※R指定※ 表紙イラスト:名無死 様

カフェ・シュガーパインの事件簿

山いい奈
ミステリー
大阪長居の住宅街に佇むカフェ・シュガーパイン。 個性豊かな兄姉弟が営むこのカフェには穏やかな時間が流れる。 だが兄姉弟それぞれの持ち前の好奇心やちょっとした特殊能力が、巻き込まれる事件を解決に導くのだった。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ARIA(アリア)

残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

処理中です...