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第6章 となりはだあれ?
#17 魔獣狩り⑤
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駅長室は、エスカレーターでコンコースに上がり、改札を抜けた先に位置していた。
韮崎を先頭に、杏里、零の順でドアをくぐると、真ん中の事務机を囲むようにして座っている数人の男女が顔を上げた。
「たったこれだけ?」
ここにいるのが乗客だとすると、全部で5人ほどしかいないことになる。
杏里の声が聞こえたのか、そばに立っていた山田刑事が坊主頭を掻きながら言った。
「いや、ほんとはもっといたんですが、なんせ現場があの悲惨さなんで…みんな失神して、近くの病院に…」
つまり、地上に停まっていた何台もの救急車は、被害者を運ぶためのものではなく、気を失ったり気分を悪くしたりした目撃者たちを搬送するためのものだったというわけか。
「で、容疑者とやらはどいつなんだ?」
声を潜めて韮崎が訊いた。
それは杏里も気になっていたところだった。
この5人の老若男女のなかに、あの事件の犯人がいる?
「ああ、あの子ですか。果たして容疑者と言えるのかどうか疑問ですがね。とりあえず、別室に隔離しておきました。まあ、仮にあの子が犯人だとしても、機捜の隊員たちがついてますから、これ以上の悪さはできないかと」
あの子?
山田の言葉に、杏里は首をかしげた。
容疑者は子どもだとでもいうのだろうか?
部屋の隅に衝立に囲まれたソファとテーブルがあり、韮崎はそこに陣取った。
杏里がその横に座り、零は壁にもたれて腕を組んだまま、じっとこちらを眺めている。
山田が最初の目撃者をつれてきた。
中肉中背の、サラリーマンである。
「気分がすぐれないところ悪いんだが、まず簡単に状況を話してくれないか」
自己紹介を済ませると、いつものぶっきらぼうな口調で、韮崎がそう切り出した。
韮崎を先頭に、杏里、零の順でドアをくぐると、真ん中の事務机を囲むようにして座っている数人の男女が顔を上げた。
「たったこれだけ?」
ここにいるのが乗客だとすると、全部で5人ほどしかいないことになる。
杏里の声が聞こえたのか、そばに立っていた山田刑事が坊主頭を掻きながら言った。
「いや、ほんとはもっといたんですが、なんせ現場があの悲惨さなんで…みんな失神して、近くの病院に…」
つまり、地上に停まっていた何台もの救急車は、被害者を運ぶためのものではなく、気を失ったり気分を悪くしたりした目撃者たちを搬送するためのものだったというわけか。
「で、容疑者とやらはどいつなんだ?」
声を潜めて韮崎が訊いた。
それは杏里も気になっていたところだった。
この5人の老若男女のなかに、あの事件の犯人がいる?
「ああ、あの子ですか。果たして容疑者と言えるのかどうか疑問ですがね。とりあえず、別室に隔離しておきました。まあ、仮にあの子が犯人だとしても、機捜の隊員たちがついてますから、これ以上の悪さはできないかと」
あの子?
山田の言葉に、杏里は首をかしげた。
容疑者は子どもだとでもいうのだろうか?
部屋の隅に衝立に囲まれたソファとテーブルがあり、韮崎はそこに陣取った。
杏里がその横に座り、零は壁にもたれて腕を組んだまま、じっとこちらを眺めている。
山田が最初の目撃者をつれてきた。
中肉中背の、サラリーマンである。
「気分がすぐれないところ悪いんだが、まず簡単に状況を話してくれないか」
自己紹介を済ませると、いつものぶっきらぼうな口調で、韮崎がそう切り出した。
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