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第6章 アンアン魔界行
#145 アンアンVS九頭竜③
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よくよく観察してみると、美神はオールヌードというわけではなかった。
乳首と股間を、申し訳程度に純白の羽毛のようなもので隠しているのだ。
後ろはTバックなのか、壮大なヒップは丸出しだが、とにかくそれに気づくと、眼を逸らさず、安心して見ていられるようになった。
これなら、15禁の枠になんとか収まるだろうと思ったからである。
忽然と出現した美神を前に、どうやら大怪獣のほうにも、ようやく本気モードのスイッチが入ったらしい。
9本の首が、かわるがわる口から光線を吐き始めた。
こうなると、これはもう、往年の怪獣映画の世界だった。
なんせ首が9本もあるのだから、吐き出される光線も9種類である。
炎、氷、水、風、毒、土、液体金属、引力光線、衝撃波。
数えてみたところ、ざっとこんな具合だった。
大地が燃え、凍り、引き剥がされ、粉みじんになって舞い上がる。
が、美神は怯みすらしない。
それどころか、一歩怪獣のほうへ踏み出すと、
「シャイニング・クリスタル・イリュージョン!」
天にまで響く朗々とした美声で、叫んだのだ。
シャイニング・クリスタル・イリュージョン?
なんだろう?
首をひねったとたん、突如として美神の身体が渦巻く光の粒子に包まれた。
粒子は螺旋を描きながら美神の全身を覆い、透明なバリアと化した。
九頭竜の光線が、当たるそばからその光のバリアに中和され、消えていく。
そして、更に、
「シャイニング・クリスタル・ソード!」
美神が今一度叫ぶと、その右手にダイヤモンドでできたような美しいひと振りの剣が出現した。
どうも、この”シャイニング・クリスタルシリーズ”が、美神のお気に入りの技らしい。
怪獣の光線を無効化しながら、美神が跳躍した。
片手に剣を構え、九頭竜めがけて飛翔する。
美神の身体を噛みちぎろうと、うねりながら首たちが伸びてきた。
耳まで裂けた牙だらけの9つの口が、一斉にその輝く裸身に襲いかかった。
身体を地面すれすれに倒し、美神がスライディングの体勢で怪獣の脇をすり抜けた。
すり抜けざま、返す刀で首を2本、根元から切断する。
目にも留まらぬ、電光石火の早わざだ。
吹っ飛んだ竜の首が、地面に落ちて大きくバウンドした。
背後に回ると、美神のほうが圧倒的に有利だった。
戦車型の胴体の上に仁王立ちになり、後ろから次から次へと残った首を斬り落とし始めたのだ。
図体のでかい九頭竜は、いかんせん小回りがきかない。
あっという間にすべての首を切断され、なんだか情けない姿になってしまった。
例えていうなら、超高層ビルほどもある巨大な切り株である。
首無しと化した怪獣の背中に、シャイニング・クリスタル・ソードをぶっ立てて地面に釘付けにすると、アンアンと阿修羅の声を合成したような美声で、美神が叫んだ。
「死にさらせ、このウドの大木めが! さあ、ラスは返してもらうぞ! 覚悟しろ!」
乳首と股間を、申し訳程度に純白の羽毛のようなもので隠しているのだ。
後ろはTバックなのか、壮大なヒップは丸出しだが、とにかくそれに気づくと、眼を逸らさず、安心して見ていられるようになった。
これなら、15禁の枠になんとか収まるだろうと思ったからである。
忽然と出現した美神を前に、どうやら大怪獣のほうにも、ようやく本気モードのスイッチが入ったらしい。
9本の首が、かわるがわる口から光線を吐き始めた。
こうなると、これはもう、往年の怪獣映画の世界だった。
なんせ首が9本もあるのだから、吐き出される光線も9種類である。
炎、氷、水、風、毒、土、液体金属、引力光線、衝撃波。
数えてみたところ、ざっとこんな具合だった。
大地が燃え、凍り、引き剥がされ、粉みじんになって舞い上がる。
が、美神は怯みすらしない。
それどころか、一歩怪獣のほうへ踏み出すと、
「シャイニング・クリスタル・イリュージョン!」
天にまで響く朗々とした美声で、叫んだのだ。
シャイニング・クリスタル・イリュージョン?
なんだろう?
首をひねったとたん、突如として美神の身体が渦巻く光の粒子に包まれた。
粒子は螺旋を描きながら美神の全身を覆い、透明なバリアと化した。
九頭竜の光線が、当たるそばからその光のバリアに中和され、消えていく。
そして、更に、
「シャイニング・クリスタル・ソード!」
美神が今一度叫ぶと、その右手にダイヤモンドでできたような美しいひと振りの剣が出現した。
どうも、この”シャイニング・クリスタルシリーズ”が、美神のお気に入りの技らしい。
怪獣の光線を無効化しながら、美神が跳躍した。
片手に剣を構え、九頭竜めがけて飛翔する。
美神の身体を噛みちぎろうと、うねりながら首たちが伸びてきた。
耳まで裂けた牙だらけの9つの口が、一斉にその輝く裸身に襲いかかった。
身体を地面すれすれに倒し、美神がスライディングの体勢で怪獣の脇をすり抜けた。
すり抜けざま、返す刀で首を2本、根元から切断する。
目にも留まらぬ、電光石火の早わざだ。
吹っ飛んだ竜の首が、地面に落ちて大きくバウンドした。
背後に回ると、美神のほうが圧倒的に有利だった。
戦車型の胴体の上に仁王立ちになり、後ろから次から次へと残った首を斬り落とし始めたのだ。
図体のでかい九頭竜は、いかんせん小回りがきかない。
あっという間にすべての首を切断され、なんだか情けない姿になってしまった。
例えていうなら、超高層ビルほどもある巨大な切り株である。
首無しと化した怪獣の背中に、シャイニング・クリスタル・ソードをぶっ立てて地面に釘付けにすると、アンアンと阿修羅の声を合成したような美声で、美神が叫んだ。
「死にさらせ、このウドの大木めが! さあ、ラスは返してもらうぞ! 覚悟しろ!」
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