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第6部 ヒバナ、センチメンタルブルー!
#2 悪意の痕跡
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104号室は通路の一番奥に位置していた。
ドアの横には、古びた洗濯機と3輪車。
厚紙にサインペンでSOUMAと書いた表札らしきものが、ガムテープでドアにとめてある。
楔形文字のような、特徴的な字体だった。
「いいかい、それじゃ、開けるよ」
へっぴり腰で鍵穴に鍵を差し込みながら、大家の老婆が言った。
カチャリと、ロックの外れる音がした。
深呼吸ひとつして、ヒバナはノブを握り、ゆっくりと手前に引いた。
「わっ」
突然ドアの隙間から何かが飛び出してきて、ヒバナは危うくその場に尻餅をつきそうになった。
蝿だった。
おびただしい数の蝿の大群が、渦を巻きながら部屋の中から噴き出してきたのである。
老婆と田島緑が頭を抱え、悲鳴を上げる。
その隙に、玉子が動いた。
ヒバナに止める間も与えず、するりと部屋の内に入ってしまう。
仕方なく、ヒバナも後を追った。
窓にカーテンが引かれているため、内部は暗闇に近かった。
猛烈に臭く、サウナのように暑い。
間取りはヒバナの家と同じだから、電灯のスイッチの場所は目が見えなくてもわかる。
手探りでスイッチを探り当て、オンにする。
が、点かない。
どうやら、電気を止められているようだ。
「う、なんだこりゃ。ひでーな」
奥の6畳間のほうから玉子の声がしたかと思うと、カーテンの開く音がして、陽光が部屋の中を照らし出した。
「うー、死ぬ死ぬ」
わめきながら、玉子は窓を全開にしているようだ。
新鮮な空気が流れ込み、ヒバナはやっと息を吸い込むことができた。
眼前に広がるのは、悲惨な光景だった。
足の踏み場もないほど、ゴミや衣類が散らかっている。
レトルト食品のパック、カップラーメンの容器、ペットボトル、スナック菓子の空き袋。
そういったものが、見渡す限り散乱しているのだ。
台所の流しには、洗ってない食器類が奇怪なオブジェのように積み上げられて、微妙な均衡を保っている。
「ヒバナ、来いよ」
玉子が6畳間のほうから呼んだ。
ゴミを踏まないように気をつけながら奥に行くと、畳敷きの部屋に蒲団がしいてあるのが見えた。
蒲団の表面には、かなりの面積にわたって、何かべたべたしたものが乾いてこびりついている。
蒲団が波打つように動いて見え、
顔を近づけたヒバナは、正体に気づいて、思わず吐きそうになった。
蛆だった。
白くて丸々太った蛆の群れが、その上にびっしりとはりついているのだ。
「この匂い・・・」
鼻を手で覆って、ヒバナは呻いた。
「ああ、さっきのゴミ捨て場にあったアレと同じ臭いだ」
平気な顔で、玉子が応える。
「ゴミ屋敷もいいとこだな」
ぶつくさ言いながら隣の3畳間をのぞき、中にゴミしかないことを確かめると、台所のほうへ戻っていく。
「う。ここにもあったぞ」
風呂場との境目のアコーデオンカーテンを開けたとたん、その玉子が叫んだ。
玉子のおかっぱ頭越しに内部をのぞいたヒバナは、見た。
ゴミ捨て場にあった肉塊とそっくりなものが、3分の1ほど水の残った浴槽の底に沈んでいる。
ゴミ捨て場のそれはほとんど夏の日差しで干からびかけていたが、こちらはまだ生々しい。
当然ながら、ここにも蛆がわいていた。
風呂の水に死んだ蛆がびっしり浮かんでいる。
その上に生きている蛆が乗っかって、もぞもぞと蠢いているのだ。
見渡すと、天井やら壁やらあちこちに蝿がとまっていた。
地獄のような風景とは、まさにこのことだった。
「2回も脱皮してやがる」
特大サイズのナンのような肉の皮をじっと見つめながら、玉子がつぶやいた。
「あんた、これ何なのか、知ってるんだね」
ヒバナの問いに、
「見りゃわかるだろ」
玉子が振り向きもせず、
「抜け殻だよ」
何でもないことのように、そう言った。
「抜け殻? こんな大きいのに? いったい何の抜け殻なのよ」
目を丸くするヒバナ。
「人間のだよ。いや、もはや、"人外”のって、言うべきかな」
玉子が、信じがたいことをさらりと口にする。
そして、ヒバナを見上げると、
「あのビルの壁に男がめりこんでた事件、賭けてもいいけど。こいつの仕業だぜ」
そう、得意げに断言した。
「大丈夫です。人が死んでるとか、そういうのはなかったですから」
玄関に戻ると、ヒバナは外で待っていた老婆と主婦に報告した。
「そうかい。助かったよ」
大家が心底ほっとしたように吐息をつく。
「でも、この臭いは・・・?」
顔の下半分をハンカチで覆いながら、田島緑と名乗った主婦が訊く。
「ええ、それが・・・」
ヒバナはどう説明していいか、迷った。
アレが何なのか、自分でもよくわからなかったのだ。
「とにかく、ここの住人はもう戻ってこないよ。業者呼んで、大掃除してもらったほうがいいと思うな」
玉子の台詞に、老婆がうなずく。
主役のような小学生に、大人3人、完全に圧倒されてしまった感じだった。
出勤時間が迫っていたので、玉子をせきたてて2階の我が家のドアを開けた。
「ママ、ごめん、ちょっと今晩、この子、うちに泊めてあげて」
夜勤に備えて寝ていたのか、寝ぼけまなこで顔を出した母、薫が、ランドセルを背負った玉子を目にとめて、あんぐりと口をあけた。
「この前は中学生で、今度は小学生かい。あんたの友だちって、どんどん若返ってくんだねえ」
呆れ顔で言った。
「おばさん、戯言はそれくらいにして、ちょっくら飯でもつくっておくれよ」
恐いもの知らずの玉子が、勝手に靴を脱いで家の中に上がりこみながら、薫に向かって言う。
「夏だからソーメンとか、そういう手抜きはナシだぜ。あたいはこう、ガツンと精のつく焼肉とか、そういうもんが食いたいんだ」
ナニコレ?
目顔でたずねてくる母親に両手で拝むジェスチャーをすると、
「じゃ、わたし、仕事あるから、ママ、あと頼んだね。あ、玉子もおとなしくしてるんだよ」
ヒバナは猛然と外に飛び出した。
出勤時間の5時まで、あと10分しかない。
ママが仕事場まで乗って行くだろうから、きょうは自転車も使えない。
仕方ないか。
念じて、腰から下だけ、約7割細胞を変異させる。
いざというときに備え、きょうも戦闘服を着ているから、服が破れて裸体になる心配もない。
しっかり筋肉が増強されたのを見届けて、ダッシュした。
100メートル4秒台の俊足で、商店街の迷路を駆け抜ける。
目的地まで、5分とかからなかった。
狸の置物が目印の、深夜マンガ喫茶『アイララ』である。
変身を解き、店の自動ドアをくぐったときだった。
今岡店長と向かい合って、カウンターの前でなにやら話しこんでいた男2人がヒバナのほうを振り向いて、
「ん?」
とそろって声を上げた。
ヤクザのような人相の中年男と、長髪で軽薄そうな若造の2人連れである。
「娘、どっかで会ったな」
人相の悪いほうが話しかけてきた。
「こいつ、あのときのオンナですよ。ほら、5月の通り魔事件のときの参考人。リュックの中にカメレオンを仕込んでいた、あの怪しい娘です」
あのときの刑事たちか。
ヒバナはどんよりした気分になった。
カメレオンとは、以前のレオンのことである。
ヒバナと融合する前は、レオンは緑色の派手なカメレオンの中に入っていたのだ。
「何か御用ですか」
極力事務的な声に聞こえるよう。ヒバナはたずねた。
今回は、あの時と違い、後ろめたいことは何もないのだ。
多少強気に出ても、バチは当たるまい。
「ヒバナちゃんは知らないだろうが、ついさっき奇妙な事件があってね。刑事さんたちは、その聞き込みに来てるんだ」
店長が横から解説する。
「なんでも、高さ10メートルのビルの壁に・・・」
「店長、その先は私たちが」
年長の刑事が店長を遮ると、
「ちょっと、いいか?」
顎で事務所のほうを指してみせた。
ヒバナはうなずいた。
横柄な尋問は反吐が出るほど嫌だったが、こっちにも訊きたいことがある。
玉子の言が正しいとすると、104号室の主、相馬あおいは脱皮して何者かに変身し、部屋から外に出て、超常的な力であの男を殺害したことになる。
でも、いったいなぜ?
その謎を解くには、男の素性を知ることが先決だと思ったのだ。
ドアの横には、古びた洗濯機と3輪車。
厚紙にサインペンでSOUMAと書いた表札らしきものが、ガムテープでドアにとめてある。
楔形文字のような、特徴的な字体だった。
「いいかい、それじゃ、開けるよ」
へっぴり腰で鍵穴に鍵を差し込みながら、大家の老婆が言った。
カチャリと、ロックの外れる音がした。
深呼吸ひとつして、ヒバナはノブを握り、ゆっくりと手前に引いた。
「わっ」
突然ドアの隙間から何かが飛び出してきて、ヒバナは危うくその場に尻餅をつきそうになった。
蝿だった。
おびただしい数の蝿の大群が、渦を巻きながら部屋の中から噴き出してきたのである。
老婆と田島緑が頭を抱え、悲鳴を上げる。
その隙に、玉子が動いた。
ヒバナに止める間も与えず、するりと部屋の内に入ってしまう。
仕方なく、ヒバナも後を追った。
窓にカーテンが引かれているため、内部は暗闇に近かった。
猛烈に臭く、サウナのように暑い。
間取りはヒバナの家と同じだから、電灯のスイッチの場所は目が見えなくてもわかる。
手探りでスイッチを探り当て、オンにする。
が、点かない。
どうやら、電気を止められているようだ。
「う、なんだこりゃ。ひでーな」
奥の6畳間のほうから玉子の声がしたかと思うと、カーテンの開く音がして、陽光が部屋の中を照らし出した。
「うー、死ぬ死ぬ」
わめきながら、玉子は窓を全開にしているようだ。
新鮮な空気が流れ込み、ヒバナはやっと息を吸い込むことができた。
眼前に広がるのは、悲惨な光景だった。
足の踏み場もないほど、ゴミや衣類が散らかっている。
レトルト食品のパック、カップラーメンの容器、ペットボトル、スナック菓子の空き袋。
そういったものが、見渡す限り散乱しているのだ。
台所の流しには、洗ってない食器類が奇怪なオブジェのように積み上げられて、微妙な均衡を保っている。
「ヒバナ、来いよ」
玉子が6畳間のほうから呼んだ。
ゴミを踏まないように気をつけながら奥に行くと、畳敷きの部屋に蒲団がしいてあるのが見えた。
蒲団の表面には、かなりの面積にわたって、何かべたべたしたものが乾いてこびりついている。
蒲団が波打つように動いて見え、
顔を近づけたヒバナは、正体に気づいて、思わず吐きそうになった。
蛆だった。
白くて丸々太った蛆の群れが、その上にびっしりとはりついているのだ。
「この匂い・・・」
鼻を手で覆って、ヒバナは呻いた。
「ああ、さっきのゴミ捨て場にあったアレと同じ臭いだ」
平気な顔で、玉子が応える。
「ゴミ屋敷もいいとこだな」
ぶつくさ言いながら隣の3畳間をのぞき、中にゴミしかないことを確かめると、台所のほうへ戻っていく。
「う。ここにもあったぞ」
風呂場との境目のアコーデオンカーテンを開けたとたん、その玉子が叫んだ。
玉子のおかっぱ頭越しに内部をのぞいたヒバナは、見た。
ゴミ捨て場にあった肉塊とそっくりなものが、3分の1ほど水の残った浴槽の底に沈んでいる。
ゴミ捨て場のそれはほとんど夏の日差しで干からびかけていたが、こちらはまだ生々しい。
当然ながら、ここにも蛆がわいていた。
風呂の水に死んだ蛆がびっしり浮かんでいる。
その上に生きている蛆が乗っかって、もぞもぞと蠢いているのだ。
見渡すと、天井やら壁やらあちこちに蝿がとまっていた。
地獄のような風景とは、まさにこのことだった。
「2回も脱皮してやがる」
特大サイズのナンのような肉の皮をじっと見つめながら、玉子がつぶやいた。
「あんた、これ何なのか、知ってるんだね」
ヒバナの問いに、
「見りゃわかるだろ」
玉子が振り向きもせず、
「抜け殻だよ」
何でもないことのように、そう言った。
「抜け殻? こんな大きいのに? いったい何の抜け殻なのよ」
目を丸くするヒバナ。
「人間のだよ。いや、もはや、"人外”のって、言うべきかな」
玉子が、信じがたいことをさらりと口にする。
そして、ヒバナを見上げると、
「あのビルの壁に男がめりこんでた事件、賭けてもいいけど。こいつの仕業だぜ」
そう、得意げに断言した。
「大丈夫です。人が死んでるとか、そういうのはなかったですから」
玄関に戻ると、ヒバナは外で待っていた老婆と主婦に報告した。
「そうかい。助かったよ」
大家が心底ほっとしたように吐息をつく。
「でも、この臭いは・・・?」
顔の下半分をハンカチで覆いながら、田島緑と名乗った主婦が訊く。
「ええ、それが・・・」
ヒバナはどう説明していいか、迷った。
アレが何なのか、自分でもよくわからなかったのだ。
「とにかく、ここの住人はもう戻ってこないよ。業者呼んで、大掃除してもらったほうがいいと思うな」
玉子の台詞に、老婆がうなずく。
主役のような小学生に、大人3人、完全に圧倒されてしまった感じだった。
出勤時間が迫っていたので、玉子をせきたてて2階の我が家のドアを開けた。
「ママ、ごめん、ちょっと今晩、この子、うちに泊めてあげて」
夜勤に備えて寝ていたのか、寝ぼけまなこで顔を出した母、薫が、ランドセルを背負った玉子を目にとめて、あんぐりと口をあけた。
「この前は中学生で、今度は小学生かい。あんたの友だちって、どんどん若返ってくんだねえ」
呆れ顔で言った。
「おばさん、戯言はそれくらいにして、ちょっくら飯でもつくっておくれよ」
恐いもの知らずの玉子が、勝手に靴を脱いで家の中に上がりこみながら、薫に向かって言う。
「夏だからソーメンとか、そういう手抜きはナシだぜ。あたいはこう、ガツンと精のつく焼肉とか、そういうもんが食いたいんだ」
ナニコレ?
目顔でたずねてくる母親に両手で拝むジェスチャーをすると、
「じゃ、わたし、仕事あるから、ママ、あと頼んだね。あ、玉子もおとなしくしてるんだよ」
ヒバナは猛然と外に飛び出した。
出勤時間の5時まで、あと10分しかない。
ママが仕事場まで乗って行くだろうから、きょうは自転車も使えない。
仕方ないか。
念じて、腰から下だけ、約7割細胞を変異させる。
いざというときに備え、きょうも戦闘服を着ているから、服が破れて裸体になる心配もない。
しっかり筋肉が増強されたのを見届けて、ダッシュした。
100メートル4秒台の俊足で、商店街の迷路を駆け抜ける。
目的地まで、5分とかからなかった。
狸の置物が目印の、深夜マンガ喫茶『アイララ』である。
変身を解き、店の自動ドアをくぐったときだった。
今岡店長と向かい合って、カウンターの前でなにやら話しこんでいた男2人がヒバナのほうを振り向いて、
「ん?」
とそろって声を上げた。
ヤクザのような人相の中年男と、長髪で軽薄そうな若造の2人連れである。
「娘、どっかで会ったな」
人相の悪いほうが話しかけてきた。
「こいつ、あのときのオンナですよ。ほら、5月の通り魔事件のときの参考人。リュックの中にカメレオンを仕込んでいた、あの怪しい娘です」
あのときの刑事たちか。
ヒバナはどんよりした気分になった。
カメレオンとは、以前のレオンのことである。
ヒバナと融合する前は、レオンは緑色の派手なカメレオンの中に入っていたのだ。
「何か御用ですか」
極力事務的な声に聞こえるよう。ヒバナはたずねた。
今回は、あの時と違い、後ろめたいことは何もないのだ。
多少強気に出ても、バチは当たるまい。
「ヒバナちゃんは知らないだろうが、ついさっき奇妙な事件があってね。刑事さんたちは、その聞き込みに来てるんだ」
店長が横から解説する。
「なんでも、高さ10メートルのビルの壁に・・・」
「店長、その先は私たちが」
年長の刑事が店長を遮ると、
「ちょっと、いいか?」
顎で事務所のほうを指してみせた。
ヒバナはうなずいた。
横柄な尋問は反吐が出るほど嫌だったが、こっちにも訊きたいことがある。
玉子の言が正しいとすると、104号室の主、相馬あおいは脱皮して何者かに変身し、部屋から外に出て、超常的な力であの男を殺害したことになる。
でも、いったいなぜ?
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