上 下
58 / 230
ACT6 帝国の魔手

#10 ハル④

しおりを挟む
 ハルがリコを引っ張りこんだのは、ゲームコーナーの奥の通路である。
 通路はすぐ突き当りになっていて、左に曲がると女子トイレ、右に曲がると男子トイレにつながっている。
 その間、ハルのちょうど真正面の位置に、多機能トイレというプレートがあり、うまい具合に『空き』の表示が出ていた。
 そのドアを引き開け、中にリコを突き飛ばすようにして放り込むと、後ろ手にロックをかけた。
 多機能トイレとは、主に乳児を連れた母親がおむつを替えたりするのに使用するトイレである。
 したがって、中で赤ん坊の世話をしやすいように、通常のトイレの個室の倍以上のスペースが取られている。
 これからリコを凌辱しようとするハルにはまさにうってつけの場所であるといえた。
「な、何するんだ?」
 血相を変えて抗議しようとするリコを壁におしつけ、むき出しの腹部に軽く当て身をくらわせた。
「う」
 リコが身体をくの字に折ったところを、片手で顎を持ち上げて顔を仰向かせ、
「騒ぐんじゃない」
 そう、低い声でささやくと、いきなり唇を奪ってやる。
 身をよじって逃れようとするリコの右の乳房をホルダートップの上から鷲掴みにして、5本の指で思いっきり揉んでやる。
 最初は抵抗するそぶりを見せたリコだったが、すぐに身体から力が抜け、ハルにされるがまま、目を閉じてしまった。
「もっと舌を出せ。そうだ。それでいい」
 命じられるがまま、唇の間から、リコが舌を覗かせると、ハルは唇で挟んでそれを外に引き出し、強く吸ってやった。
「あう」
 リコの眉間にしわが寄る。
 苦しんでいるのではない。
 感じているのだ。
「や、やめて…」
 リコの言葉遣いに変化が現れた。
「だめ…」
 強面の元ヤンキーの人格の下から、マゾヒストのペルソナが現れようとしているのだ。
 ハルの股間では、陰核の変形した肉の棒がすでに立ち上がり始めていた。
 それをスカート越しにリコの滑らかな腹に押しつけ、こすり上げる。
 絶妙な快感が肉棒を走り抜け、それがぐんとひと回り大きくなるのがわかった。
「これはお仕置きだ」
 歯ぎしりするように、ハルは言った。
 ホルダートップをずらすと、目の前に熟した果実のような真っ白い乳房がこぼれ出る。
 両手の指で乳首をはさみ、右に左にこねまわす。
「あああああ」
 リコの頭部がのけぞり、白い無防備な喉があらわになる。
 ハルはそこに舌を這わせにかかった。
「どうしてほしい?」
 舐めながら、たずねた。
「この雌豚、何をしてほしいか、はっきり言ってみろ」 
しおりを挟む

処理中です...