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ACT13 怪獣牧場

#11 アリア②

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 ふらふらと草原に着地すると、犬のように四つん這いになって、アリアはオナニーに耽り始めた。

 片手で乳房を、片手で股間をまさぐって、あんあん喘ぎ出す。

 ブラック・アリアンのコスチュームも、基本はMILKYのものと同じである。

 黒いレオタードの上に、ゴスロリ調のビスチェとミニフレアスカートを纏うといったデザインだ。
 
 今アリアは、変身のためにビスチェから突き出た生乳首を摘み、レオタードをめくって陰部に指を入れている。

 ブラック・アリアンはMILKYに比べれば小柄だが、それでも身長15メートルは超えている。

 その巨体で展開されるオナニーは、なかなかの迫力であるといっていい。

「ああんっ! リコさま、アリア、気持ちよすぎますぅ!」

 キンブ・マラブンタの催淫剤入り毒液のせいで、アリアの肌はすべて桜色に染まってしまっている。

 その淫靡な匂いと嬌声に惹かれたのか、どこからか黒いふたつの影が、草むらから姿を現した。

 耳まで裂けた口から長い舌を垂らした、2頭の巨大なトラである。

 むろん、この怪獣牧場に放し飼いにされているからには、ただのトラであるはずがない。

 体長10メートルは優にあるその虎は、肩のあたりからアンテナみたいな2本の触角を生やしていた。

「アリア、気をつけて! それはクアールだ!」

 地上から叫ぶ、ビュンビュン丸の必死の声が聞こえてきた。

 え?

 我に返った時には、もう遅かった。

 鞭のように伸びたクァールの触覚が、アリアのむき出しの太腿に触れた。

 ビリッ。

 痺れた。

「きゃああっ!」

 麻酔を打たれたように、地面に仰向けになって倒れ伏すアリア。

 やばっ。

 痺れて、指一本、動かせない!

 壊れた人形のようにひっくり返ったアリアのもとに、舌なめずりしながら、のっそりと二頭の獣が近づいた。
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