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ACT13 怪獣牧場

#3 リコ②

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 しまった!

 リコは己の不明を恥じる思いだった。

 またしてもこれだ。

 ハルの裏切り行為である。

 しかも、こともあろうに巨大化までして。

 そんな芸当ができるなら、これまで何度もリコが危機に陥った時、巨大化して助けてくれてもよさそうなものなのに、こんなどうでもいい時に限って・・・。

 はらわたが煮えくり返る思いとは、このことだった。

 どうせハルは、怪獣たちにレイプされる私を眺めて、またオナニーにでも耽るつもりに違いない。

 くそっ。

 何度も同じ手に引っ掛かるものか!

 -リコ、気をつけて! もう一体もこっちに向かってきますー

 前頭葉に響くイオの”声”に視線を転じると、アリアを首っ玉にしがみつかせたまま、二頭めのゴリラが突進してくるところだった。

 駆け出し巨大ヒーローであるアリアは、こと戦闘面においては、まだあまり役に立たないようだ。

 仕方ない。

 リコは大地を蹴ると、間近に迫ったゴリラの胸板を両足で蹴りつけた。

 その反動を利用して、大きく下半身を持ち上げる。

 ハルの腕を振り払い、宙で後転して後ろに着地した。

 間髪を入れず羽交い絞めにしたハルを、ゴリラめがけて突き出した。

「お、おい、リコ、何をする?」

 珍しく、ハルがうろたえた。

 スク水に包まれたそのスレンダーな身体に、同時に2頭の獣が襲いかかった。

 ハルを地面に押し倒すと、水着の中に毛むくじゃらの手をつっこみ、しきりに全身を撫で回し始める。

「うわっ! やめろ! くさい! 痛い! キモイ!」

 暴れるハルも、さすがに2頭の怪獣にはかなわない。

 またたくまに四つん這いにされ、飢えたゴリラどもにがむしゃらに乳房と股間をまさぐられている。

「いいんですか? 放置プレイで」

 傍らに降り立ったアリアが訊いてきた。

「たまにはハルにも犠牲になってもらわないと。このままじゃ、うちの身が持たない」

「じゃ、しばらく見てましょうか。ツンデレ宇宙刑事の凌辱シーン」

 獣人たちのワイルドな愛撫にいつしかハアハア喘ぎ始めたハルを眺めながら、うれしそうにアリアが言った。
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