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ACT10 淫靡な特訓

#19 アリア④

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 はあー、もう、どきどきする。
 やばいよやばいよ!
 砂の中からずもももももっ!って感じで現れたあの怪獣、今までで一番おっきいし、なんか強そうだよ。
 ハルは3分しか持たないっていうし、MILKY、ほんとにだいじょうぶかなあ?
 あ、って言ってる矢先にMILKYがじゃんぷ!
 わあ! すごーい! 
 ドロップキックがきれいにきまったよお!
 側頭部に強烈な一撃をくらって、さすがの怪獣もぐらぐらしてる!
 うん、そうだよね。
 近づかなければ、大丈夫なんだよね。
 あのでっかい角にはさまれなければ、痛いことされなくて済むもんね。
 今の一発でわかったけど、動きはMILKYのほうが、だんぜん速いみたい。
 よおし、その調子だよ!
 ガンガンいっちゃえ! 
 MILKY、すてき!
 でもさあ、今、パンツちょっと見えちゃったよね。
 パンツっていうかさ、ほんとはレオタードなんだけど。
 そのお股の部分と、まあるいお尻が丸見えになっちゃって…。
 アリア、なんかすっごくどきっとしちゃった。
 MILKYのパンチラにときめくアリアって、ひょっとしたら、ヘンタイなのかなあ?
 ううん、パンチラだけじゃない。
 動くたびに、MILKYのお胸がゆっさゆさ揺れて。
 ちょこんと飛び出た金と銀の乳首が、朝陽にきらきら光って…。
 くうん。
 いい。
 ぞくぞくするほど、ステキだよお。
 さわってみたい。
 抱きしめられたい。
 ああん、MILKY。
 リコさま。
 この気持ち、アリア、いったいどうしたら…?
 これって、なんていったっけ?
 性同一障害?
 レズビアン?
 忘れてただけで、アリアは本当はレズだったの?
 いやいや、違うよ。
 女の子なら誰でもいいってわけじゃないんだもの。
 ときめくのは、リコさまと、リコさまが変身したMILKYだけなんだもの。
 そりゃさあ、このまえはちょっと、ハルにいたずらされて感じちゃったけど…。
 あれは例外だよね。
 ハルが上手すぎただけ。
 ともあれ。
 そんなことより、しっかり観戦して、ちゃんと応援しなきゃ。
 もう1分経ってるから、もうあと2分しかないよ。
 がんばれ! MILKY!
 おお、今度は前蹴りが決まったよ!
 さっすがMILKY、脚、長いんだあ。
 あの膝まである白いロングブーツ、かっこいいよお。
 おかげでスカートとブーツの間にのぞく太腿のむっちむち加減がきわだって、すっごくエロっぽい! 
 って、ありあったら、また変なこと考えちゃった。てへ。
 おー、前のめりにつんのめった怪獣の後頭部に、角をかわしながら今度はかかと落としだよ!
 続いて流れるような動作で回し蹴りだあ!
 なんてスムーズな動き!
 まるでフィギュアスケートの選手みたい!
 あの砂浜でもあんなに動けるのは、もしかしてハルの特訓の成果?
 ハルったら、こんな事態も予測してたのかな?
 だとしたら、さっすが宇宙刑事だよね!
 あ。
 でもでも。
 ちょっと待って。
 あれ?
 MILKYの様子が変。
 あ、あ、あ。
 急に動きが止まっちゃったよ。
 わう。
 怪獣がクワガタみたいに角を開いたよ!
 だめ!
 MILKY、どうしたの?
 早く逃げて!
 うわあああっ!
 きゃあっ!
 はさまれた!
 MILKYが、怪獣につかまっちゃったよ!
 ど、どうしよう!
 やあっ!
 血が!
 血があっ!
 
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