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第285話 穢れた英雄③
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家に帰ると、父が30年ローンで買った家は柱1本残さず消失していた。
むろん、全裸で快楽に耽っていた両親の姿はない。
サトシは黙示録風の世界に茫然と立ち尽くした。
思い出されるのは、幼い頃の楽しかった思い出、ではなく、最後に見た母の丸い裸の尻ばかりだった。
その尻を高々と掲げ、全裸の母は父にバックから貫かれて嬉々とした悲鳴を上げていたのだ。
最後くらい楽しまなくっちゃ。
母の最期の言葉が耳に甦った。
あれが人間に残された一番の楽しみであるならば、僕もご相伴にあずかりたい、とサトシは思った。
となるともちろん相手は緋牡丹お龍である。
が、お龍のお眼鏡にかなうには、まず一人前のスーパーヒーローにならなければいけないのだ。
日本を救うためにヒーローになる。
そんな抽象的なお題目より、お龍といいことをするために立ち上がる。
そのほうがずっと具体的でやる気が出る。
よし、がんばろう、とサトシは決心した。
まずは廃工場に帰って、生活を立て直すことにしよう。
倒壊した家屋、乗り捨てられた車の列。
それらの障害物を迂回して廃工場にたどり着くと、前の空き地でお龍が洗濯物を干しているところだった。
なぜか紺色のスクール水着を身につけている。
干しているのは、さっきまで着ていた着物のようだ。
「何してんの?」
よく動くぷりぷりの尻に目を奪われ、サトシは聞いた。
乳も大きく、ウェストもよくしまっている。
水着が小さいのか、内腿のつけ根はきわどく切れ上がり、何か肉の一部がはみ出てしまっているようだ。
「あんたと話してたら着物がうんち臭くなっちゃって、それで洗濯したところ」
お龍は着物に続いて下着を干している。
前庭に張った洗濯ロープに白いブラとエッチなパンティが、国旗のようにひるがえった。
「おまえ、ここに住んでるの?」
「まあね。きのうの空襲で、アパート燃えちゃったし」
お龍が肩をすくめ、スク水の胸の谷間を見せつけてきた。
「俺んちもなくなってた」
サトシは小声で言った。
「だから俺も、ここに住んでいいかな」
「いいけど、あんたはあっちの倉庫で寝起きしてね」
敷地の隅を指さしてお龍が言う。
「一つ屋根の下にいると、私まで臭くなるからさ」
「そんな、ひどいよ。うんちマンになれって言ったの、おまえじゃないか」
「つべこべ言わないの。寝る場所があるだけ、ありがたいと思いなさいよ」
「でも…」
あんまりだ、と思う。
せっかくお龍とお近づきになれるチャンスなのに…。
「そんなことより、私の出した課題は解決したの?」
お龍が砂時計の胴のようにくびれた腰に両のこぶしを当て、豊かな胸を反らしてサトシをにらみつけてきた。
「課題って?」
「どうやったら破壊力のあるうんちを出せるかってこと。そのうんちを食べれば、うんちマンは必ずパワーアップするはずよ」
「そうなのか?」
けど、破壊力のあるうんちって、どんなうんちだろう?
哲学的難問に、サトシは腕を組んで考え込んだ。
固いうんちだろうか。
いや、固さはそもそもうんちの属性ではない。
ではなんだろう?
サトシは風にひるがえるお龍のパンティとブラを見た。
ブラはスポーツブラではなく、パンティも木綿のパンツではないようだ。
小学生のくせに、ずいぶんアダルトなデザインだと思う。
待てよ。
閃いた。
そうか。
「匂いだ!」
サトシは叫んだ。
「破壊力のあるうんち。それはすなわち、とんでもなく臭いうんちってことだろう?」
むろん、全裸で快楽に耽っていた両親の姿はない。
サトシは黙示録風の世界に茫然と立ち尽くした。
思い出されるのは、幼い頃の楽しかった思い出、ではなく、最後に見た母の丸い裸の尻ばかりだった。
その尻を高々と掲げ、全裸の母は父にバックから貫かれて嬉々とした悲鳴を上げていたのだ。
最後くらい楽しまなくっちゃ。
母の最期の言葉が耳に甦った。
あれが人間に残された一番の楽しみであるならば、僕もご相伴にあずかりたい、とサトシは思った。
となるともちろん相手は緋牡丹お龍である。
が、お龍のお眼鏡にかなうには、まず一人前のスーパーヒーローにならなければいけないのだ。
日本を救うためにヒーローになる。
そんな抽象的なお題目より、お龍といいことをするために立ち上がる。
そのほうがずっと具体的でやる気が出る。
よし、がんばろう、とサトシは決心した。
まずは廃工場に帰って、生活を立て直すことにしよう。
倒壊した家屋、乗り捨てられた車の列。
それらの障害物を迂回して廃工場にたどり着くと、前の空き地でお龍が洗濯物を干しているところだった。
なぜか紺色のスクール水着を身につけている。
干しているのは、さっきまで着ていた着物のようだ。
「何してんの?」
よく動くぷりぷりの尻に目を奪われ、サトシは聞いた。
乳も大きく、ウェストもよくしまっている。
水着が小さいのか、内腿のつけ根はきわどく切れ上がり、何か肉の一部がはみ出てしまっているようだ。
「あんたと話してたら着物がうんち臭くなっちゃって、それで洗濯したところ」
お龍は着物に続いて下着を干している。
前庭に張った洗濯ロープに白いブラとエッチなパンティが、国旗のようにひるがえった。
「おまえ、ここに住んでるの?」
「まあね。きのうの空襲で、アパート燃えちゃったし」
お龍が肩をすくめ、スク水の胸の谷間を見せつけてきた。
「俺んちもなくなってた」
サトシは小声で言った。
「だから俺も、ここに住んでいいかな」
「いいけど、あんたはあっちの倉庫で寝起きしてね」
敷地の隅を指さしてお龍が言う。
「一つ屋根の下にいると、私まで臭くなるからさ」
「そんな、ひどいよ。うんちマンになれって言ったの、おまえじゃないか」
「つべこべ言わないの。寝る場所があるだけ、ありがたいと思いなさいよ」
「でも…」
あんまりだ、と思う。
せっかくお龍とお近づきになれるチャンスなのに…。
「そんなことより、私の出した課題は解決したの?」
お龍が砂時計の胴のようにくびれた腰に両のこぶしを当て、豊かな胸を反らしてサトシをにらみつけてきた。
「課題って?」
「どうやったら破壊力のあるうんちを出せるかってこと。そのうんちを食べれば、うんちマンは必ずパワーアップするはずよ」
「そうなのか?」
けど、破壊力のあるうんちって、どんなうんちだろう?
哲学的難問に、サトシは腕を組んで考え込んだ。
固いうんちだろうか。
いや、固さはそもそもうんちの属性ではない。
ではなんだろう?
サトシは風にひるがえるお龍のパンティとブラを見た。
ブラはスポーツブラではなく、パンティも木綿のパンツではないようだ。
小学生のくせに、ずいぶんアダルトなデザインだと思う。
待てよ。
閃いた。
そうか。
「匂いだ!」
サトシは叫んだ。
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