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第181話 妻の実家
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高級寿司店を営んでいる妻の実家から誘いが来た。
良い食材が入ったから夫婦で食べに来ないかという。
義父は職人気質で寡黙な人柄で、私としては正直苦手だったが、回らない寿司もたまにはいいかと思い、妻を伴ってでかけることにした。
「ご無沙汰しています」
「お父さん、元気だった?」
暖簾をかき分けて店内に入る。
胡麻塩頭に鉢巻姿の義父はかすかに会釈しただけで、すぐに寿司を握り始めた。
たいして待つこともなく、カウンターに寿司が並んだ。
フグの白子のようなものを乗せた握り寿司である。
なんだろう?
見たことのないネタだったが、とりあえず口に運んでみた。
脂っぽい。
どうやら、白子ではないらしい。
次に出てきたのは、イクラの軍艦らしきものだった。
ただし、色が違う気がする。
口に入れると、やはり、妙に脂っぽく、イクラとは明らかに異なる味がした。
そして、その次は、鮑のような貝を乗せた握りが来た。
気のせいか、縁から黒い毛みたいなものが生えている。
さすがに食べる気にならず、隣の妻にそっと訊いてみた。
「さっきから出てくるこの食材、何なんだい? お世辞にも、その、美味しくはないんだが…」
「あなたの会社に綺麗な事務の女の子がいるでしょ。大和田由衣さんだっけ」
おいしそうに寿司をつまみながら、妻が言う。
「な、なんのことだ?」
顔から血の気が引いた。
バレていた?
ま、まさか…。
「大和田さんって子は確かにいるけど、それと何の関係がある?」
「この食材はあたしがお父さんに提供したの」
妻が下から覗き込むように私を見た。
「若い女の子の味はどう? 採れたての子宮とか卵巣とか膣とか、男には、もう最高でしょう?。
良い食材が入ったから夫婦で食べに来ないかという。
義父は職人気質で寡黙な人柄で、私としては正直苦手だったが、回らない寿司もたまにはいいかと思い、妻を伴ってでかけることにした。
「ご無沙汰しています」
「お父さん、元気だった?」
暖簾をかき分けて店内に入る。
胡麻塩頭に鉢巻姿の義父はかすかに会釈しただけで、すぐに寿司を握り始めた。
たいして待つこともなく、カウンターに寿司が並んだ。
フグの白子のようなものを乗せた握り寿司である。
なんだろう?
見たことのないネタだったが、とりあえず口に運んでみた。
脂っぽい。
どうやら、白子ではないらしい。
次に出てきたのは、イクラの軍艦らしきものだった。
ただし、色が違う気がする。
口に入れると、やはり、妙に脂っぽく、イクラとは明らかに異なる味がした。
そして、その次は、鮑のような貝を乗せた握りが来た。
気のせいか、縁から黒い毛みたいなものが生えている。
さすがに食べる気にならず、隣の妻にそっと訊いてみた。
「さっきから出てくるこの食材、何なんだい? お世辞にも、その、美味しくはないんだが…」
「あなたの会社に綺麗な事務の女の子がいるでしょ。大和田由衣さんだっけ」
おいしそうに寿司をつまみながら、妻が言う。
「な、なんのことだ?」
顔から血の気が引いた。
バレていた?
ま、まさか…。
「大和田さんって子は確かにいるけど、それと何の関係がある?」
「この食材はあたしがお父さんに提供したの」
妻が下から覗き込むように私を見た。
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