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第159話 ファースト・コンタクト
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探査船を軌道に乗せ、着陸することにした。
とある太陽系の第三惑星。
知的生物が爆発的に増えているというので、調査に訪れたのだ。
電磁波による事前調査で、最も治安のよさそうな国を選んでおいた。
現住生物の言語で日本と呼ばれている地域である。
いきなり国のトップとコンタクトをとるのは危険なので、まずは一般市民を対象とすることにした。
着陸したのは、居住地の中にある公園の一画だった。
そこには若いメスの個体が数匹いて、私を見るなり集まってきた。
「げ、自販機が空から降ってきた」
「かっけー」
どの個体も同じような丈の短い布を腰に巻き、白い衣服から腹部を露出していた。
一対の視覚器官の周囲には人工的な針のようなものをびっしりと植え、顔の真ん中にある呼吸器と腹部のくぼみにはともに金属のリングを嵌めている。
全員集まったところで、早速コンタクトを開始することにした。
「私は@座ケンタウリ星系第四惑星からやってきた#$&~@と申します。このたびわが星の統一政府は…」
この国の言語はすべてマスター済みだ。
彼らに発音できない固有名詞以外は、十分通じるに違いない。
と思ったら、大きな間違いだった。
「自販機がしゃべってるよ!」
「エッグー!」
「ヤッバーッ!」
「ダッサーッ!」
「うっぜーっ!」
あとは延々とこの繰り返し。
涙ぐましい努力の末、私は悟った。
こいつらは、
”えぐい、やばい、ださい、うざい”
この四語しか話すことができないらしいのだ。
ここまで意思疎通ができないのなら、仕方がない。
私は分子破壊砲で彼女らを分解し、ついでに星ごと原初の状態にリセットしてやった。
できそこないをのさばらせておくより、新たな種をまいたほうが宇宙のためになるからだ。
とある太陽系の第三惑星。
知的生物が爆発的に増えているというので、調査に訪れたのだ。
電磁波による事前調査で、最も治安のよさそうな国を選んでおいた。
現住生物の言語で日本と呼ばれている地域である。
いきなり国のトップとコンタクトをとるのは危険なので、まずは一般市民を対象とすることにした。
着陸したのは、居住地の中にある公園の一画だった。
そこには若いメスの個体が数匹いて、私を見るなり集まってきた。
「げ、自販機が空から降ってきた」
「かっけー」
どの個体も同じような丈の短い布を腰に巻き、白い衣服から腹部を露出していた。
一対の視覚器官の周囲には人工的な針のようなものをびっしりと植え、顔の真ん中にある呼吸器と腹部のくぼみにはともに金属のリングを嵌めている。
全員集まったところで、早速コンタクトを開始することにした。
「私は@座ケンタウリ星系第四惑星からやってきた#$&~@と申します。このたびわが星の統一政府は…」
この国の言語はすべてマスター済みだ。
彼らに発音できない固有名詞以外は、十分通じるに違いない。
と思ったら、大きな間違いだった。
「自販機がしゃべってるよ!」
「エッグー!」
「ヤッバーッ!」
「ダッサーッ!」
「うっぜーっ!」
あとは延々とこの繰り返し。
涙ぐましい努力の末、私は悟った。
こいつらは、
”えぐい、やばい、ださい、うざい”
この四語しか話すことができないらしいのだ。
ここまで意思疎通ができないのなら、仕方がない。
私は分子破壊砲で彼女らを分解し、ついでに星ごと原初の状態にリセットしてやった。
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