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第139話 ガチャガチャ
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初めて見るガチャガチャだった。
1回10円とむちゃくちゃ安い。
値段につられてやってみた。
最初出てきたのは、台紙のようなもの。
プラスチックケースに丸めて入っていたのを伸ばすと、けっこう大きい。
どうやら部品がいっぱいあるらしく、それをこの台紙にくっつけていけ、ということらしい。
ちょっと気味悪いけど、10円ならいいか。
次は、何かぶよぶよしたもの。
でも、樹脂のような皮膜でコーティングしてあるのか、手は汚れない。
それから私は毎日ゲームコーナーに通い、ガチャガチャをやり続けた。
そうしてゲットした”部品”を、部屋の壁に貼った台紙に貼りつけていく。
小さい部品はそのままに、大きい部品はいくつかを組み合わせて、さらに大きい部品にする。
半年ほど通って、ようやく完成した。
我ながら、よくがんばった。
完成した”それ”を前に、私は嘆息した。
”部品”は台紙を埋め尽くし、そこには私より背の高い人体模型が立っていた。
「やっと会えたね、お父さん」
呼びかけると、台紙の上のほうで閉じていたまぶたが開き、懐かしい父の瞳が私を見下ろした。
1回10円とむちゃくちゃ安い。
値段につられてやってみた。
最初出てきたのは、台紙のようなもの。
プラスチックケースに丸めて入っていたのを伸ばすと、けっこう大きい。
どうやら部品がいっぱいあるらしく、それをこの台紙にくっつけていけ、ということらしい。
ちょっと気味悪いけど、10円ならいいか。
次は、何かぶよぶよしたもの。
でも、樹脂のような皮膜でコーティングしてあるのか、手は汚れない。
それから私は毎日ゲームコーナーに通い、ガチャガチャをやり続けた。
そうしてゲットした”部品”を、部屋の壁に貼った台紙に貼りつけていく。
小さい部品はそのままに、大きい部品はいくつかを組み合わせて、さらに大きい部品にする。
半年ほど通って、ようやく完成した。
我ながら、よくがんばった。
完成した”それ”を前に、私は嘆息した。
”部品”は台紙を埋め尽くし、そこには私より背の高い人体模型が立っていた。
「やっと会えたね、お父さん」
呼びかけると、台紙の上のほうで閉じていたまぶたが開き、懐かしい父の瞳が私を見下ろした。
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