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第134話 シシャモ
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休日の夕食前。
居間でテレビを見ていると、キッチンのほうから妻の悲鳴が聞こえてきた。
「ん? どうした?」
びっくりしてそばに行ってみると、プラスチックのパックを手に震えている。
「酷い…」
手元に目をやると、妻が持っているのは、さっき近所のスーパーで買ってきた食品類のひとつ、シシャモだった。
パックのフタには、半額シールと、商品名の”子持ちシシャモ”なるステッカーが貼ってある。
「見てよ、これ」
押しつけられた。
パックはフタが開いていて、底には六匹のシシャモの干物が身を寄せ合って並んでいる。
「別に、ふつうの・・・」
言いかけて、あることに気づき、絶句した。
よく見ると、それは魚の干物ではなく、人間だった。
体長10センチほどの裸の小人が六人、干乾びて横たわっているのだ。
しかも、全員女性で、臨月のように、おなかが膨らんでいる。
「まさか…ありえない…」
恨めしそうな六組の眼に見つめられながら、僕はうめいた。
「”子持ち、死者も”…。この商品名って、そういう意味だったのか…」
居間でテレビを見ていると、キッチンのほうから妻の悲鳴が聞こえてきた。
「ん? どうした?」
びっくりしてそばに行ってみると、プラスチックのパックを手に震えている。
「酷い…」
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「見てよ、これ」
押しつけられた。
パックはフタが開いていて、底には六匹のシシャモの干物が身を寄せ合って並んでいる。
「別に、ふつうの・・・」
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しかも、全員女性で、臨月のように、おなかが膨らんでいる。
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