超短くても怖い話【ホラーショートショート集】

第69話 ガイアの守護神

　謎の異星人の来襲により、危機に瀕した地球。

　人類を救う切り札として投入されたのは、南極の氷の下から発見された超古代文明の遺産、イカロスだった。

　イカロスは体長100メートルの、翼を備えた巨大ロボットである。

　分析の結果、Z遺伝子を持つ特殊な人間がふたり、搭乗しなければならないことがわかってきた。

　XYに続く未知の遺伝子を持つ者を探し出すべく、全世界のIT企業がビッグデータを共有し、アメリカ・中国・ロシア・日本のスーパーコンピュータを連結しての解析が行われた。

　その結果、白羽の矢を立てられたのが、南西諸島の中の名もない島に住む日本人の少年少女、鬼頭忌太と坂崎多江だった。

　内閣調査室のエージェントに協力を要請された時、ふたりは言った。

「むりむりむりむり。あんな蛇女と一緒だなんてよ」

「こっちこそ願い下げだわ、あんなマングース男」



　というわけで、地球は滅亡した。