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第65話 魔のトンネル
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「やっぱ、俺やめとくよ。ここで下ろしてくれ」
トンネルが見えてきた時、思い切って僕は言った。
嫌な予感がする。
肝試しなんて、最初から気が進まなかったのだ。
「ダッセーッ! おまえ、それでも男かよ!」
「ここまで来て、マジ信じらんない。ウザ」
「ったく、誰だよ、こんな弱虫誘ったの」
騒ぎ出す仲間たち。
なんとでも言え。あとはどうなっても知らないぞ。
僕を残し、ワンボックスカーは夜道をトンネルに向かって走っていく。
幽霊が出るといわくつきの旧トンネルである。
車がトンネルの中に入り、テールランプが見えなくなった時だった。
ぱくっ。
突然、トンネルの入り口が閉じ、トンネルの前半分がまるで伸びをするように大きく持ちあがった。
そして、腹側についた短い足でのそのそと歩き出す。
数メートル歩くと、どさりと腹ばいになり、また大きく口を開けた。
ほら見ろ。
僕は思った。
あれはトンネルなんかじゃない。
巨大な芋虫だったんだ。
トンネルが見えてきた時、思い切って僕は言った。
嫌な予感がする。
肝試しなんて、最初から気が進まなかったのだ。
「ダッセーッ! おまえ、それでも男かよ!」
「ここまで来て、マジ信じらんない。ウザ」
「ったく、誰だよ、こんな弱虫誘ったの」
騒ぎ出す仲間たち。
なんとでも言え。あとはどうなっても知らないぞ。
僕を残し、ワンボックスカーは夜道をトンネルに向かって走っていく。
幽霊が出るといわくつきの旧トンネルである。
車がトンネルの中に入り、テールランプが見えなくなった時だった。
ぱくっ。
突然、トンネルの入り口が閉じ、トンネルの前半分がまるで伸びをするように大きく持ちあがった。
そして、腹側についた短い足でのそのそと歩き出す。
数メートル歩くと、どさりと腹ばいになり、また大きく口を開けた。
ほら見ろ。
僕は思った。
あれはトンネルなんかじゃない。
巨大な芋虫だったんだ。
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