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第60話 ああ無情
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1か月ぶりの便意だった。
私は喜び勇んで駅のトイレに飛びこんだ。
パンツを下ろして便座に座り、思いっきりいきむと、出た。
バケツでぶちまけたみたいな、ヤバいほどの量だった。
あー、すっきりした。
と、ひと息ついたのはいいけれどー。
今度は、なぜか便が止まらない。
便器いっぱいになっても、まだ出続けている。
しかも、1か月もの間、大腸の中で醸造されていただけに、臭くてたまらない。
「ちょ、ちょっと・・・」
私は焦った。
早く終わってよ。
でないと、会社に遅刻しちゃう・・・。
茶色の軟便はすでに便器からあふれ出し、今やトイレの床に溜まり始めている。
くるぶしが、膝が便に埋まっても、まだまだどんどん出てくるのだ。
いったい私のお腹の中はどうなっているのか。
いくら1か月分とはいえ、明らかにこれは多すぎるだろう。
大腸が異次元空間とつながっているとしか思えない。
あまりの臭さに目がかすみ、意識がもうろうとしてきた。
これじゃまるで土石流だ。
自分が豪雨の被災者になったような気分だった。
いつのまにか私の糞便は個室を埋め尽くし、腰の高さにまで達している。
うう・・・誰か、助けて…。
「今朝9時ごろ、駅のトイレから異臭がするという苦情が寄せられ、駆けつけた警官が問題の個室のドアを壊したところ、雪崩の如く糞便が溢れ出し、中で若い女性が埋もれているのが発見されました。女性はどうやらその個室で用を足していたようで、自分の糞便にうもれて窒息し、心肺停止状態に陥ったものと思われます。警察では、女性の身元の確認を急ぐとともに、事故と自殺の両面から捜査を・・・」
私は喜び勇んで駅のトイレに飛びこんだ。
パンツを下ろして便座に座り、思いっきりいきむと、出た。
バケツでぶちまけたみたいな、ヤバいほどの量だった。
あー、すっきりした。
と、ひと息ついたのはいいけれどー。
今度は、なぜか便が止まらない。
便器いっぱいになっても、まだ出続けている。
しかも、1か月もの間、大腸の中で醸造されていただけに、臭くてたまらない。
「ちょ、ちょっと・・・」
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早く終わってよ。
でないと、会社に遅刻しちゃう・・・。
茶色の軟便はすでに便器からあふれ出し、今やトイレの床に溜まり始めている。
くるぶしが、膝が便に埋まっても、まだまだどんどん出てくるのだ。
いったい私のお腹の中はどうなっているのか。
いくら1か月分とはいえ、明らかにこれは多すぎるだろう。
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これじゃまるで土石流だ。
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いつのまにか私の糞便は個室を埋め尽くし、腰の高さにまで達している。
うう・・・誰か、助けて…。
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