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第53話 バス停
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バス停にバスが停まった。
本来なら駆け出すべきところだったが、ふと違和感を覚えて、私は少し離れた所で立ち止まった。
幼稚園の遠足だろうか。
バスの窓には、子どもたちの顔がいっぱい貼りついている。
奇妙なのはその顔がどれも影絵みたいに真っ黒で、目だけぎらぎら輝いていることだ。
空気の抜けるような音がしてバスの扉が開くと、真っ黒な子どもたちが蟻の群れのようにあふれ出した。
バスを待っている人たちの列に、その黒い奔流が襲いかかっていく。
次々に上がる悲鳴。
響き渡る咀嚼音と骨の折れる音。
突然、笛が鳴った。
それを合図にして、ぞろぞろと黒いモノの群れがタラップを逆流し、バスの中へと引き上げていく。
「おいしかった?」
「うん」
そんな会話が聞こえてくる。
散乱する肉片と骨の欠片、そして血だまりをバス停に残し、何事もなかったかのように、バスは発車した。
本来なら駆け出すべきところだったが、ふと違和感を覚えて、私は少し離れた所で立ち止まった。
幼稚園の遠足だろうか。
バスの窓には、子どもたちの顔がいっぱい貼りついている。
奇妙なのはその顔がどれも影絵みたいに真っ黒で、目だけぎらぎら輝いていることだ。
空気の抜けるような音がしてバスの扉が開くと、真っ黒な子どもたちが蟻の群れのようにあふれ出した。
バスを待っている人たちの列に、その黒い奔流が襲いかかっていく。
次々に上がる悲鳴。
響き渡る咀嚼音と骨の折れる音。
突然、笛が鳴った。
それを合図にして、ぞろぞろと黒いモノの群れがタラップを逆流し、バスの中へと引き上げていく。
「おいしかった?」
「うん」
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