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#23 美醜審問会⑦
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「ちなみに、どうやって顔面偏差値を上げるか、ですが、それはいずれわかります。とりあえず、今はこの審問会のスポンサーが、『長沢クリニック』であるとだけ、言っておきましょう」
長沢クリニック?
玉はほとんどないに等しい眉をひそめた。
長沢といえば、メルの苗字と同じである。
何やらきな臭い匂いがした。
文部科学省公認というだけでもいい加減怪しいのに、その上謎のクリニックがスポンサーとは…。
「では、そろそろ始めましょうか」
玉たち100人のブス・ブサメンが、固唾を呑んで見守るなか、メルが声を張り上げた。
「やり方は簡単です。みなさんは、そこに並んでいる機械に顔を当てるだけでいいのです。それは、名付けて”顔面偏差値測定器”。その結果出た数値によって、みなさんにはレベル別にこちらに並んでいただきます」
メルが右手を差し伸べると同時に、ステージ上の緞帳が上がり始めた。
現れた3枚の垂れ幕を見て、会場から異様などよめきが漏れた。
左側が、
『エステ』。
真ん中が、
『整形』
そして、右側が、
『殺処分』
となっている。
玉の背筋が凍った。
エステと整形はわかる。
長沢クリニックの正体は、きっと美容外科に違いない。
メルのいう、顔面偏差値を短期間で上げる手段、なるものの正体は、おそらくこれなのだろう。
でも、
『殺処分』って、何…?
「さ、早く始めてください。誰からでもかまいません」
呆然と立ちすくんでいると、メルの指示に従って人波が移動し始めた。
後ろから押され、仕方なく玉も列につく。
いやだ、こんなの。
どうして、誰も逆らわないの?
玉は助けを求めて周囲を見回した。
だが、周りには、ゾンビのごとく生気を失った生徒たちの列が、幾重にも伸びているだけだった。
長沢クリニック?
玉はほとんどないに等しい眉をひそめた。
長沢といえば、メルの苗字と同じである。
何やらきな臭い匂いがした。
文部科学省公認というだけでもいい加減怪しいのに、その上謎のクリニックがスポンサーとは…。
「では、そろそろ始めましょうか」
玉たち100人のブス・ブサメンが、固唾を呑んで見守るなか、メルが声を張り上げた。
「やり方は簡単です。みなさんは、そこに並んでいる機械に顔を当てるだけでいいのです。それは、名付けて”顔面偏差値測定器”。その結果出た数値によって、みなさんにはレベル別にこちらに並んでいただきます」
メルが右手を差し伸べると同時に、ステージ上の緞帳が上がり始めた。
現れた3枚の垂れ幕を見て、会場から異様などよめきが漏れた。
左側が、
『エステ』。
真ん中が、
『整形』
そして、右側が、
『殺処分』
となっている。
玉の背筋が凍った。
エステと整形はわかる。
長沢クリニックの正体は、きっと美容外科に違いない。
メルのいう、顔面偏差値を短期間で上げる手段、なるものの正体は、おそらくこれなのだろう。
でも、
『殺処分』って、何…?
「さ、早く始めてください。誰からでもかまいません」
呆然と立ちすくんでいると、メルの指示に従って人波が移動し始めた。
後ろから押され、仕方なく玉も列につく。
いやだ、こんなの。
どうして、誰も逆らわないの?
玉は助けを求めて周囲を見回した。
だが、周りには、ゾンビのごとく生気を失った生徒たちの列が、幾重にも伸びているだけだった。
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