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#21 美醜審問会⑤
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開け放たれた正面玄関の扉から、一歩中に足を踏み入れると、異様な光景が玉の視界に飛び込んできた。
体育館の端から端まで、横一列に長机が並べられている。
その上に等間隔で乗っているのは、視力検査で使う機械のような四角い箱だ。
箱にはひとりずつ担当の生徒がついていて、一様に腕を組み、入ってくる玉たち囚人の群れを眺めている。
奥のステージの上には幕が下りていて、その前の演壇にあの長沢メルが立っていた。
集められた生徒は、予想外に多かった。
全校生徒の1割は超えているのではないだろうか。
ブスやブサメンがこんなにたくさんいると知って玉は少しうれしくなったが、それでもよくよく観察してみると、どうしてこの子が?というレベルの生徒も多かった。
玉からしてみればごく普通の顔立ちをしている者たちが、かなりの数、混じっているのである。
100人近い生徒が中に入り終えると、ギイっという耳障りな音とともに玄関の扉が閉められた。
玉たちを囲む審問会側の生徒たちは、誰もがイケメン、美少女ぞろいである。
もうそれだけで集められた生徒側は委縮し、元気をなくしてしまっていた。
小夏ちゃん、お願い。助けて。
玉は正面の壁に掛けられた黒縁の額入り写真に目を凝らした。
そこではかなげに微笑んでいるのは、あの憧れのアイドルである。
宇宙生物から授けられた異能力リバースによって、なぜだか玉は小夏そっくりに変身できるようになった。
だが、今のところ、その力の使い道がわからない。
5年前に死んだアイドルに生まれ変わったところで、特に何かいいことがあるとも思えない。
幽霊と間違われて、テレビのオカルト番組にでも引っ張り出されるのがオチ、という気がする。
体育館の端から端まで、横一列に長机が並べられている。
その上に等間隔で乗っているのは、視力検査で使う機械のような四角い箱だ。
箱にはひとりずつ担当の生徒がついていて、一様に腕を組み、入ってくる玉たち囚人の群れを眺めている。
奥のステージの上には幕が下りていて、その前の演壇にあの長沢メルが立っていた。
集められた生徒は、予想外に多かった。
全校生徒の1割は超えているのではないだろうか。
ブスやブサメンがこんなにたくさんいると知って玉は少しうれしくなったが、それでもよくよく観察してみると、どうしてこの子が?というレベルの生徒も多かった。
玉からしてみればごく普通の顔立ちをしている者たちが、かなりの数、混じっているのである。
100人近い生徒が中に入り終えると、ギイっという耳障りな音とともに玄関の扉が閉められた。
玉たちを囲む審問会側の生徒たちは、誰もがイケメン、美少女ぞろいである。
もうそれだけで集められた生徒側は委縮し、元気をなくしてしまっていた。
小夏ちゃん、お願い。助けて。
玉は正面の壁に掛けられた黒縁の額入り写真に目を凝らした。
そこではかなげに微笑んでいるのは、あの憧れのアイドルである。
宇宙生物から授けられた異能力リバースによって、なぜだか玉は小夏そっくりに変身できるようになった。
だが、今のところ、その力の使い道がわからない。
5年前に死んだアイドルに生まれ変わったところで、特に何かいいことがあるとも思えない。
幽霊と間違われて、テレビのオカルト番組にでも引っ張り出されるのがオチ、という気がする。
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