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第10部 姦禁のリリス
#104 女王と魔少女④
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あたかも、巨大な糸ミミズの巣にでも放り込まれたような感じだった。
ぬらぬら粘液を滴らせる肉の壁から無数の細い触手が伸び出し、四方八方から杏里の身体に絡みついてくる。
首に、手首に、乳房に、胴に、太腿にと巻きついた触手は、まるでそれぞれが別の生き物ででもあるかのように、杏里の柔肌の上を這い回り、開口部を見つけては中に潜り込んでこようとしているのだ。
鼻孔にも口にも、そしてもちろん、膣とアナルにも・・・。
杏里の体内に侵入した触手の群れは、解き放たれたおびただしい数の精子が卵子を求めるように、体の中の空洞という空洞に入りこむ。
そして内部で互いに絡み合ってはより太い触手へと融合し、杏里の内臓にまで巻きついてぎりぎりと締め上げにかかる。
各触手の先端は微細な針の植わった口になっていて、それを杏里の体組織に差し込んではエキスを吸い上げる。
その内と外からの同時攻撃に、杏里は途方もない快感を覚えていた。
膣から分泌されたエキスが触手の群れとともに全身に充満し、すべての細胞に尽きぬ快感を伝えてくる。
が、それだけ触手を杏里の体内に送り込みながらも、黒い少女が真の融合へと行きつけないでいるのは、零の激しい抵抗を受けているからだった。
とうの昔に同化したはずの零の細胞が勝手に増殖し、少女の体機能を著しく阻害しているのだ。
少女の後悔が、羊水のような体液の海を介して、杏里の意識に流れ込んでくる。
-どこ? 黒野零、おまえは、どこにいるの?
何千何万という触手に絡みつかれ、全身の毛穴からエキスを吸引されながら、杏里はぼんやり感じていた。
零がすぐ近くにいる。
彼女は、死んでなどいない。
触手に巻かれるがまま、杏里は羊水の中を、胎児のように回転する。
眼を閉じて恍惚感に浸りながら、周囲で起き始めた異変を察知していた。
肉の壁が不自然に蠢動を繰り返し、別の何かに変わろうとしている。
触手たちの動きが次第に鈍り、杏里の体内から1本また1本と抜けていく。
少女は今や、取り込んだ杏里の始末どころではなくなっているらしい。
己の中で癌細胞のごとく増殖する零を押し留めようと必死なのだ。
その異種の細胞同士の拮抗が、周囲の温度をどんどん高めていく。
暑い・・・。
あまりの息苦しさに、安里は意識を取り戻した。
脱出しないと・・・。
なんとかして、ここからー。
でないと私、いずれ窒息してしまう・・・。
宇宙遊泳のように身体を動かし、入ってきたほうへと懸命に頭を向けた時だった。
ふいに目の前の肉の壁が破れて、血を噴き出した。
破れ目から腕が伸びてきて、杏里の手首をがっしり掴んだ。
「いいか? 死んでもこの手を離すな!」
破れ目から中を覗き込んで、由羅が言った。
「今、助けてやるからな!」
ぬらぬら粘液を滴らせる肉の壁から無数の細い触手が伸び出し、四方八方から杏里の身体に絡みついてくる。
首に、手首に、乳房に、胴に、太腿にと巻きついた触手は、まるでそれぞれが別の生き物ででもあるかのように、杏里の柔肌の上を這い回り、開口部を見つけては中に潜り込んでこようとしているのだ。
鼻孔にも口にも、そしてもちろん、膣とアナルにも・・・。
杏里の体内に侵入した触手の群れは、解き放たれたおびただしい数の精子が卵子を求めるように、体の中の空洞という空洞に入りこむ。
そして内部で互いに絡み合ってはより太い触手へと融合し、杏里の内臓にまで巻きついてぎりぎりと締め上げにかかる。
各触手の先端は微細な針の植わった口になっていて、それを杏里の体組織に差し込んではエキスを吸い上げる。
その内と外からの同時攻撃に、杏里は途方もない快感を覚えていた。
膣から分泌されたエキスが触手の群れとともに全身に充満し、すべての細胞に尽きぬ快感を伝えてくる。
が、それだけ触手を杏里の体内に送り込みながらも、黒い少女が真の融合へと行きつけないでいるのは、零の激しい抵抗を受けているからだった。
とうの昔に同化したはずの零の細胞が勝手に増殖し、少女の体機能を著しく阻害しているのだ。
少女の後悔が、羊水のような体液の海を介して、杏里の意識に流れ込んでくる。
-どこ? 黒野零、おまえは、どこにいるの?
何千何万という触手に絡みつかれ、全身の毛穴からエキスを吸引されながら、杏里はぼんやり感じていた。
零がすぐ近くにいる。
彼女は、死んでなどいない。
触手に巻かれるがまま、杏里は羊水の中を、胎児のように回転する。
眼を閉じて恍惚感に浸りながら、周囲で起き始めた異変を察知していた。
肉の壁が不自然に蠢動を繰り返し、別の何かに変わろうとしている。
触手たちの動きが次第に鈍り、杏里の体内から1本また1本と抜けていく。
少女は今や、取り込んだ杏里の始末どころではなくなっているらしい。
己の中で癌細胞のごとく増殖する零を押し留めようと必死なのだ。
その異種の細胞同士の拮抗が、周囲の温度をどんどん高めていく。
暑い・・・。
あまりの息苦しさに、安里は意識を取り戻した。
脱出しないと・・・。
なんとかして、ここからー。
でないと私、いずれ窒息してしまう・・・。
宇宙遊泳のように身体を動かし、入ってきたほうへと懸命に頭を向けた時だった。
ふいに目の前の肉の壁が破れて、血を噴き出した。
破れ目から腕が伸びてきて、杏里の手首をがっしり掴んだ。
「いいか? 死んでもこの手を離すな!」
破れ目から中を覗き込んで、由羅が言った。
「今、助けてやるからな!」
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