激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

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第10部 姦禁のリリス

#80 女王絶頂

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 水平に開き切った零のしなやかな脚の中心を、百足丸のトゲだらけの勃起ペニスがぶち抜いた。
 極太ティルドで緩んだ零の性器は、底なしの沼さながらだった。
 信じられないほど細くくびれた腰を両手でつかみ、力任せに肉棒を突き上げると、何の抵抗もなく半ばまでめり込んだ。
「ああああ・・・」
 百足丸の憎しみをこめたピストン攻撃に、零が気持ち良さげに身をよじる。
「どうだ? 感じるだろう?」
 久しぶりの手応えに、百足丸の興奮はほぼマックスに達していた。
 ペニスが零の体内で膨張し、逆トゲが膣壁に食い込んで、おいそれとは抜けなくなっている。
 優生種の雄のペニスは、犬と同様、射精するまでこの状態が続くのだ。
 輿に零の下半身を乗せ、両手を自由にする。
 自由にした両手で、目の前の乳房をつかんだ。
 つんと立った零の乳房は、手のひらに少し余るくらいのサイズである。
 それを、両手の手のひらで、潰さんっばかりに揉みしだく。
 激烈な突き上げと乳房への情け容赦のない凌辱に、零の美しい顔に切なげな表情が浮かぶ。
「いい・・・もっと・・・もっとして・・・」
 開いた口から長い舌がだらりと垂れ、眼窩の中で眼球が裏返りかけている。
 その淫蕩な表情に、百足丸の獣欲は頂点に達したようだった。
「い、逝くぞ、この雌豚め!」
 叫んで、精液をぶちまけようとした、その時である。
 ふいに零の膣の括約筋が恐ろしい力で収縮し、百足丸のペニスを絞めつけた。
「うううっ」
 激痛に、すぐそこまで来ていた快感の波が嘘のように引いていく。
「誰がメスブタなの?」
 零の右腕が動き、シーツで作った即席のロープを引き千切った。
 続いて、左腕も自由にすると、両手で百足丸の首を絞めてきた。
「お、おまえ・・・どうして・・・?」
 あり得ないことだった。
 鍼で頸椎を破壊された零は、首から下の筋肉を動かせないはずなのだ。
 だが、思い返してみると、感じるたびに、零は身体をよじって身悶えしていた。
 つまり・・・。
 百足丸は、己のうかつさを呪いたくなった。
 零には杏里に匹敵する治癒能力がある。
 そのことを失念していたのだ。
「おやおや、どうしたんだい? 女王様は半身不随だったんじゃないのかい?」
 百足丸の背後で、呆れたようにりつが言った。
 零の復活を目の当たりにして、2頭のドーベルマンが唸り出す。
「再生したんだわ・・・神経組織が」
 犬たちの後ろに隠れるようにして、いずなが言う。
 肉の爆ぜる不気味な音がした。
 ペニスを半ばでへし折られた百足丸が、ずるずると床に崩れ落ちる。
「おまえたち、殺す」
 自由の身になった零が言った。
「下等動物のくせに、いい気になって」

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