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第10部 姦禁のリリス

#79 板挟み③

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 むっちりした太腿の間で、ルナの白魚のような指が蠢いた。
 杏里はいつしか座席の上に横になり、由羅の膝に頭を乗せている。
「おいおい」
 迷惑そうな顔をしながらも由羅はその頭を膝に抱いたまま、興味津々といった表情で杏里を見下ろしている。
 ルナがシートとシートの間に跪き、股間と乳首を弄りながら全身にキスの雨を降らせ始めると、杏里は子猫のように鳴き、せわしく息を喘がせた。
「まったく、全然変わってないな、杏里の淫乱は」
 馬鹿にしたように由羅が言う。
「しょうがないから、うちもちょっと手伝ってやるか」
 上体をかがめると、半ば開いた杏里の唇を、自分の唇で餌をついばむ小鳥のようにつついてきた。
「ああ、由羅・・・キスして」
 由羅の唇を求めて、杏里が口を尖らせる。
 が、由羅はわざとじらすように、その唇を避けて、杏里の頬や鼻に唇を這わせていく。
「いや、いじわる、じらさないで」
 拗ねたように抗議して、口を開いた時、由羅がおもむろに人差し指を中に突っ込んできた。
 フェラチオをするように、その指に吸いつく杏里。
 唾液をまぶし、じゅるじゅると音を立ててねぶり始めた。
 由羅が続いて親指を入れてくる。
 舌をつままれ、杏里が歓喜の悲鳴を上げた。
「若いってのは、いいねえ」
 バックシートからはいつのまにかふたりの老婆が身を乗り出し、目を皿にして凌辱される杏里を眺めている。
「ひと段落着いたら、わたしらも混ぜて、盛大な乱交パーティも開こうじゃないの」
 などと言って、愉しそうにクスクス笑う。
 敵に寝返ったのがばれ、由羅たちに捕まったにもかかわらず、真布ばあさんはまったく臆したふうもない。
「あのさ、みんな」
 バックミラーで後部座席の”行為”をのぞいた重人が、助手席からうんざりしたような声で言った。
「もうそろそろ、沼人形工房に着くんだけど、準備はいい?」
「ごめんなさい」
 釣鐘型の杏里の乳房を口に含み。幸せそうに甘噛みしていたルナが、はっと顔を上げた。
「ありがとう。おかげでだいぶすっきりしたわ。私、もう、大丈夫」
「やせ我慢するなよ。まあ、今はまだ完全じゃないだろうから、零を殺した後、ばあさんの言うように、みんなで気が済むまで乱交パーティでもするんだな。おまえはその時、杏里に本格的に浄化してもらうがいいさ。ヤチカの残滓を一滴残らず洗い流すためにもね」
 由羅がからかうように言うと、
「そうして私に杏里のこと忘れさせて、杏里を独占するつもり? 悪いけど、そうはいかないわ」
 挑発するように、ルナが碧い眼で由羅を睨み返した。



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