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第10部 姦禁のリリス

#78 板挟み②

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「そういうことなら、いいよ。触っても」
 なおも由羅に食ってかかろうとするルナの手を取って、杏里は自分の裸の胸に誘った。
「杏里・・・」
 ルナが息を飲む。
「実は私、色々されちゃって、ちょうど身体がうずうずして仕方なかったところなの」
 嘘ではなかった。
 身体中の性感帯に百足丸の鍼を打ち込まれ、2頭のドーベルマンに犯されながら、巧者のりつに弄ばれた。
 あの恍惚とした感触が、まだ全身の神経の中に色濃く残っているのだ。
「色々って、例えば・・・?」
 アクアマリンの瞳を好奇心に光らせて、おずおずとルナが訊く。
「とっても恥ずかしいこと・・・口に出しては言えないぐらい・・・」
 杏里の艶やかな頬に、赤味が差した。
「それで杏里は、感じたの・・・?」
「うん。おかしいでしょ? みんな、敵だったのに」
「ばか」
 ルナが杏里の左の乳首を親指と人差し指でつまみ、強くねじり上げた。
「そんな・・・誰にでも感じるなんて、許せない」
「あん」
 杏里は喉の奥で可愛らしく喘いだ。
「いいよ・・・ルナ・・・、もっと、して・・・」
「だめな杏里。本当にえっちなんだから」
 細い筆で描いたようなルナの眉が吊り上がる。
「お仕置きだよ。泣いても知らないよ」
 乳首をつまみあげられ、こよりをよじるようにコリコリ捩じられると、杏里はあまりの快感に身を震わせた。
 無意識のうちに開いた太腿の間から、生温かいものがあふれ出てじっとりとシートを濡らす。
「し、下も、触って」
 大きく股を開いて腰を前に突き出すと、
「けっ、見てられないぜ」
 自分からけしかけたくせに、由羅がぼそっとつぶやいて不機嫌そうに顔を背けた。
「い、いいの?」
 湯気の立ちそうな杏里の陰部を凝視して、ルナが訊く。
 杏里はすっかり欲情に潤んだ眼をしている。
 どんな時でも受け身に徹する、タナトスの本領発揮だった。
「触ってほしいの。ううん、触るだけじゃ、物足りない。中に指を入れて、杏里の”ここ”を滅茶苦茶にして・・・」
「なんていやらしいの・・・。杏里も、調教されちゃったんだ。私みたいに」
 ルナの瞳に涙の粒が盛り上がった。
「だったら、私が目を覚まさせてあげる」
 そして、おもむろに杏里の秘所の肉襞をめくり上げると、おもむろに長く細い人差し指を膣口に突っ込んだ。

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