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第10部 姦禁のリリス
#50 背徳の宴⑩
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杏里の胸から残った肉をはぎ取ると、花はそれを床に置き、器用に前肢を使って食べ始めた。
杏里の右胸にはぽっかりと赤い穴が開き、その中にどくどくと鮮血が溜まっていく。
「おやまあ、花ったらよっぽどおなかが空いてたんだねえ。あんたたちがちゃんと餌をやっといてくれないから」
りつはまったく悪びれたふうもない。
「馬鹿やろ。非常識なのはばあさんのほうだろ? そんなでかい犬、どこに隠してたんだよ? 基地にペット連れてくるなんて、普通、あり得んだろうが」
「どこって、この上のお花畑だよ。井沢さんの了承はちゃんと取ってあるよ。失礼だねえ」
むっとした表情になると、りつが顎で天井をしゃくってみせた。
確かにこの上は、沼人形工房の敷地に広がる広大なジオラマだ。
同心円状の花壇のあちこちに人間そっくりのラブドールたちを配した、豪奢なパノラマ庭園になっている。
太郎と花は、どうやらそこに放し飼いにされていたということか。
「それに、この子はこんなことぐらいで死にはしないよ。あんたもあのビデオ見ただろう? あの豚みたいな女の化け物に、この子が貪り食われる映像をさ」
「ま、まあな」
百足丸は渋い顔になった。
りつの言うのは、黒野零の大のお気に入りの、例の動画のことだろう。
怪物と化したふみが杏里の肉を引きむしっては食う、あまりの趣味の悪さに吐き気を催さずにはいられないあの映像・・・。
「ほら、見なよ。もう再生が始まった」
りつの声に顔を上げると、杏里の胸の傷口に早くも変化が起こっていた。
円形の血の海の中から、ゆっくりと乳房が盛り上がってくる。
出来立てのプリンのようなそれは、ふるふる震えながら、次第に形を整え、大きくなっていく。
乳房を食べ終えた花が、何か気配を感じたのか、ピンと耳を立てた。
ワン!
ひと声吠えると、元のようにベッドの端に前肢をかけ、後肢で立ち上がる。
そして、傷口から新たな乳房が盛り上がっているのを見て取ると、さかんに尾を振って嬉しそうに舐め出した。
花が血を舐め取るにしたがって、その下から真珠色に輝く乳房が現れてくる。
丸く、豊かな、瑕ひとつない美しい乳房である。
噛み切られたはずの乳首までちゃんと再生しているほどの、念の入れようだ。
生えて来たばかりの乳首はきれいな桜色をしていて、思わず触れたくなるほど初々しい。
「そうそう、そうやって舐めてやるのがいちばんだよ。その子の挑発に乗っちゃいけない。食べ過ぎるとね、自家中毒を起こして、おまえがおかしくなってしまうから。あの醜い豚女みたいにね」
ほう、このばあさん、見かけによらず、賢いな。
百足丸は感心した。
りつは、あの動画の意味をよく理解しているようだ。
あの時、杏里の肉を食べ過ぎて、ふみは何か別のものに変わったしまったのだ。
不老不死の人魚の肉にも、副作用があるということなのだろう。
「太郎もいい加減、ズッコンバッコンはそのへんでおやめ。いいかい、身体にいいのは、その子の身体から滲み出るエキスなんだよ。それをおなかいっぱいになるまで舐めるんだ。それこそ穴という穴、身体の隅々まで、残りあまさず、ね」
りつの指示で、太郎が未練たっぷりに杏里の膣からペニスを抜いた。
くうん。
悲しげに鳴くと、代わりに今抜いたばかりの穴を長い舌でペロペロ舐め始める。
「あああん、あうぅっ!」
開き切った尿道口と肥大した陰核も一緒に舐められ、杏里がまた喘ぎ出した。
「さあ、あたしもちょいと手伝おうかね」
着物の袖をまくって、りつが言う。
そうして、百足丸のほうを見ると、悪戯っぽくにやっと笑った。
「見てるだけというのも辛いだろう。なんなら兄さんも、一緒に楽しむかい?」
杏里の右胸にはぽっかりと赤い穴が開き、その中にどくどくと鮮血が溜まっていく。
「おやまあ、花ったらよっぽどおなかが空いてたんだねえ。あんたたちがちゃんと餌をやっといてくれないから」
りつはまったく悪びれたふうもない。
「馬鹿やろ。非常識なのはばあさんのほうだろ? そんなでかい犬、どこに隠してたんだよ? 基地にペット連れてくるなんて、普通、あり得んだろうが」
「どこって、この上のお花畑だよ。井沢さんの了承はちゃんと取ってあるよ。失礼だねえ」
むっとした表情になると、りつが顎で天井をしゃくってみせた。
確かにこの上は、沼人形工房の敷地に広がる広大なジオラマだ。
同心円状の花壇のあちこちに人間そっくりのラブドールたちを配した、豪奢なパノラマ庭園になっている。
太郎と花は、どうやらそこに放し飼いにされていたということか。
「それに、この子はこんなことぐらいで死にはしないよ。あんたもあのビデオ見ただろう? あの豚みたいな女の化け物に、この子が貪り食われる映像をさ」
「ま、まあな」
百足丸は渋い顔になった。
りつの言うのは、黒野零の大のお気に入りの、例の動画のことだろう。
怪物と化したふみが杏里の肉を引きむしっては食う、あまりの趣味の悪さに吐き気を催さずにはいられないあの映像・・・。
「ほら、見なよ。もう再生が始まった」
りつの声に顔を上げると、杏里の胸の傷口に早くも変化が起こっていた。
円形の血の海の中から、ゆっくりと乳房が盛り上がってくる。
出来立てのプリンのようなそれは、ふるふる震えながら、次第に形を整え、大きくなっていく。
乳房を食べ終えた花が、何か気配を感じたのか、ピンと耳を立てた。
ワン!
ひと声吠えると、元のようにベッドの端に前肢をかけ、後肢で立ち上がる。
そして、傷口から新たな乳房が盛り上がっているのを見て取ると、さかんに尾を振って嬉しそうに舐め出した。
花が血を舐め取るにしたがって、その下から真珠色に輝く乳房が現れてくる。
丸く、豊かな、瑕ひとつない美しい乳房である。
噛み切られたはずの乳首までちゃんと再生しているほどの、念の入れようだ。
生えて来たばかりの乳首はきれいな桜色をしていて、思わず触れたくなるほど初々しい。
「そうそう、そうやって舐めてやるのがいちばんだよ。その子の挑発に乗っちゃいけない。食べ過ぎるとね、自家中毒を起こして、おまえがおかしくなってしまうから。あの醜い豚女みたいにね」
ほう、このばあさん、見かけによらず、賢いな。
百足丸は感心した。
りつは、あの動画の意味をよく理解しているようだ。
あの時、杏里の肉を食べ過ぎて、ふみは何か別のものに変わったしまったのだ。
不老不死の人魚の肉にも、副作用があるということなのだろう。
「太郎もいい加減、ズッコンバッコンはそのへんでおやめ。いいかい、身体にいいのは、その子の身体から滲み出るエキスなんだよ。それをおなかいっぱいになるまで舐めるんだ。それこそ穴という穴、身体の隅々まで、残りあまさず、ね」
りつの指示で、太郎が未練たっぷりに杏里の膣からペニスを抜いた。
くうん。
悲しげに鳴くと、代わりに今抜いたばかりの穴を長い舌でペロペロ舐め始める。
「あああん、あうぅっ!」
開き切った尿道口と肥大した陰核も一緒に舐められ、杏里がまた喘ぎ出した。
「さあ、あたしもちょいと手伝おうかね」
着物の袖をまくって、りつが言う。
そうして、百足丸のほうを見ると、悪戯っぽくにやっと笑った。
「見てるだけというのも辛いだろう。なんなら兄さんも、一緒に楽しむかい?」
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