激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

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第10部 姦禁のリリス

#48 背徳の宴⑧

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 鎧のような筋肉に覆われた逞しい四肢。
 短い毛が密生する、しなやかな胴。
 そして、耳まで裂けた口が印象的な、獰猛な顔つき。
 その2頭は、ドーベルマンという種の中でも、特別に巨大な体躯をしていた。
 まるで小型の雄牛を目の当たりにするような、そんな迫力を醸し出しているのだ。
 これがペット?
 百足丸は、己の眼が信じられなかった。
 90歳過ぎの老婆のペットにしては、この獣たちはあまりに禍々しすぎる。
 怪物のような2頭の犬を前にして、百足丸にできることといえば、気絶した真布と光代を安全な壁際まで引きずっていくことぐらいだった。
 2頭のドーベルマンは、そんな百足丸には見向きもせず、悠然とした足取りで杏里の横たわるベッドへと向かっていく。
 いずなのベッドに目もくれないのは、それほど杏里の放出するフェロモンが強烈だからだろう。
 優れた嗅覚を持つ犬にとって、この部屋は媚薬入りのお香を炊いたも同然なのだ。
「太郎、花、たっぷり可愛がっておやり」
 歌うような口調で、りつがけしかけた。
 2頭とも長く幅の広い舌をだらりと出し、はあはあ喘いでいる。
 短い尾がぴんと突き出し、かすかに揺れているのは興奮している証拠だろうか。
 名前からわかる通り、花は雌で、太郎のほうは雄だ。
 百足丸が舌を巻いたのは、その太郎の股間にそそり立つペニスだった。
 白い毛に包まれた筒状のそれは恐ろしく長かった。
 成人男性の性器の3倍はありそうなその肉棒が、激しく勃起して腹につかんばかりに反り返っているのだ。
 あれが杏里に挿入されるのか…。
 少し想像しただけで、危うく射精しかけるほど百足丸は興奮した。
 人気アイドルを凌ぐほどの美少女杏里が、裸に剥かれて快感に痙攣しているさまだけでも十分に官能的である。
 意識を失いかけた無抵抗なその全裸の美少女を、怪物のような犬たちが力ずくで凌辱しようというのだ。
 見ものだった。
 これほどの倒錯した場面には、そうそう出会えるとは思えない。
 杏里の横たわるベッドに、軽々と2頭の犬が飛び乗った。
 ベッドが揺れ、その拍子に杏里の裸身が軽くバウンドした。
 花が上半身、太郎が下半身を縄張りにするかのように、位置につく。
 そして2頭同時に頭を下げると、長い舌で杏里の裸体を舐め始めた。
 花は杏里の乳房を、太郎がその内腿を舐めている。
「ああん・・・」
 半分眠っていたかに見えた杏里が、覿面に反応した。
 犬特有の熱いざらざらした舌は、さながらヤスリのようなものである。
 人間の手や舌による愛撫とは、刺激の強さは段違いなはずだった。
 花がふたつの乳房を濡れた鼻先で押しながら、勃起した乳首を集中的に舐めている。
 太郎はというと、内腿から更に遡り、いよいよ杏里の濡れそぼった性器に達しようとしている。
 前肢で杏里の太腿を押さえつけ、大きく開脚させて顔を突っこむそのやり方は、人間の男のそれと変わらない。
「だ、だめ・・・」
 杏里が切なげに喘いだ。
「そ、そんなことされたら、また、いっちゃう・・・」
 今の杏里には、相手が犬だということがわかっているのだろうか。
 百足丸には、それが疑問だった。
 譫妄状態で、自分が何に犯されようとしているのか、気づいていないとしか思えない。
 それほどまでに、目の前の杏里は気持ちよさそうなのである。
 激しくあえぐ杏里の乳首と膣から、新たなエキスが滲み出る。
 その味が気に入ったのか、ドーベルマンたちの舌の動きが速くなる。
 やがて太郎が唸り出し、開き切った杏里の太腿と太腿の間に下半身を押しつけた。
「くう・・・」
 杏里が鳩のように鳴き、自分から腰を突き出した。
 がうっ。
 狂おしげに、太郎が吠える。
 杏里の脚が、太郎の腰に巻きついた。
 百足丸は目を皿のように見開いた。
 逞しいドーベルマンと猥褻極まりない全裸の美少女が、狂ったように絡み合っている。
 目と鼻の先で、世にも美しい獣姦が始まったのだ。



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