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第10部 姦禁のリリス
#47 背徳の宴⑦
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「いやはや、さすがに疲れたわ」
びくびく痙攣を続ける杏里の裸身から、りつがようやく身を起こした。
何事もなかったかのように、けろりとしている。
床で失神している老婆ふたりと違い、まるで”浄化”されていないようだ。
そういうことか、と今更ながらに百足丸は思った。
タナトスの”浄化”は、ストレスを抱えた対象に、それを上回るエクスタシーを与えることで成立する。
つまり、ストレスの蓄積のない者や、オルガスムスに達していない者には通用しないのだ。
その点でいうと、りつはおそらく後者なのだろう。
りつはいずなと杏里を逝かせるだけ逝かせて、自身は冷静そのものなのである。
薬物に耐性でもある体質なのか、杏里の分泌するエキスに含まれる媚薬成分も、彼女には功を奏さなかったということらしい。
「じゃが、これで終わりにするつもりではなかろうな」
脱いであった薄物を羽織ると、値踏みするように百足丸を睨んで、りつが言った。
驚くべきなのは、その若返りぶりである。
今、こっちを見ているりつは、すでに老婆などではない。
50代の熟女といっていいほど、顏の皺も消え、肉付きもよくなり、すっかり若返ってしまっているのだ。
「い、いや、俺の判断では、どうも」
もごもごと百足丸は返事をした。
終わったら連絡しろ。
井沢はそう言い残して出て行ってしまったのである。
何を指して終了としていいのか、百足丸にはてんで見当がつかないのだ。
「まだ時間があるなら、わしのペットにもいい思いをさせてやりたいのじゃが」
探るような眼で百足丸を見つめ、りつが言う。
「ペット? なんのことだ?」
「待ってておくれ」
言い置いて、りつが出口のほうへと歩き出す。
「じゃが、悪いことは言わん。わしのいない間は大人しくしておることじゃ。その杏里とやらに手を出したが最後」
りつがにやりと笑った。
「兄さん、あんたは間違いなく、地獄に堕ちるぞよ」
「なんだ、あの糞ババア」
憤懣やるかたないといった表情で、百足丸はベッドの上の杏里を見下ろした。
己の体液にまみれ、ローションでも塗りたくったかのように全身を光らせている杏里は、いまだ快感が抜けきらないのか、半眼になって白目を剥き、半開きの口からだらりと舌を垂らして滑らかな下腹をひくひく痙攣させている。
仰向けになっても形を保っている豊満な乳房が激しく上下するさまといい、放り出された2本の脚のつけ根にぱっくり開いた赤い穴がひくつく様子といい、まるで犯してくださいといわんばかりの無防備さだ。
その男好きのする生意気そうな美少女フェイスを見ていると、つい、滅茶苦茶に蹂躙してやりたいという破壊欲がこみあげてくる。
せめてキスだけでも、と迷っていると、
「お待たせ」
変に獣臭い匂いを漂わせて、小袖に着替えたりつが入ってきた。
「げえ」
百足丸が尻込みしたのは、ほかでもない。
りつの手にしたリードの先に、巨大なドーベルマンが2匹、繋がれていることに気づいたからだ。
「わしの人生の伴侶、ハナと太郎じゃよ。この子たちにも、長生きしてもらおうと思ってね」
ひひひひと口元に手を当てて笑いながら、楽しそうにりつが言った。
びくびく痙攣を続ける杏里の裸身から、りつがようやく身を起こした。
何事もなかったかのように、けろりとしている。
床で失神している老婆ふたりと違い、まるで”浄化”されていないようだ。
そういうことか、と今更ながらに百足丸は思った。
タナトスの”浄化”は、ストレスを抱えた対象に、それを上回るエクスタシーを与えることで成立する。
つまり、ストレスの蓄積のない者や、オルガスムスに達していない者には通用しないのだ。
その点でいうと、りつはおそらく後者なのだろう。
りつはいずなと杏里を逝かせるだけ逝かせて、自身は冷静そのものなのである。
薬物に耐性でもある体質なのか、杏里の分泌するエキスに含まれる媚薬成分も、彼女には功を奏さなかったということらしい。
「じゃが、これで終わりにするつもりではなかろうな」
脱いであった薄物を羽織ると、値踏みするように百足丸を睨んで、りつが言った。
驚くべきなのは、その若返りぶりである。
今、こっちを見ているりつは、すでに老婆などではない。
50代の熟女といっていいほど、顏の皺も消え、肉付きもよくなり、すっかり若返ってしまっているのだ。
「い、いや、俺の判断では、どうも」
もごもごと百足丸は返事をした。
終わったら連絡しろ。
井沢はそう言い残して出て行ってしまったのである。
何を指して終了としていいのか、百足丸にはてんで見当がつかないのだ。
「まだ時間があるなら、わしのペットにもいい思いをさせてやりたいのじゃが」
探るような眼で百足丸を見つめ、りつが言う。
「ペット? なんのことだ?」
「待ってておくれ」
言い置いて、りつが出口のほうへと歩き出す。
「じゃが、悪いことは言わん。わしのいない間は大人しくしておることじゃ。その杏里とやらに手を出したが最後」
りつがにやりと笑った。
「兄さん、あんたは間違いなく、地獄に堕ちるぞよ」
「なんだ、あの糞ババア」
憤懣やるかたないといった表情で、百足丸はベッドの上の杏里を見下ろした。
己の体液にまみれ、ローションでも塗りたくったかのように全身を光らせている杏里は、いまだ快感が抜けきらないのか、半眼になって白目を剥き、半開きの口からだらりと舌を垂らして滑らかな下腹をひくひく痙攣させている。
仰向けになっても形を保っている豊満な乳房が激しく上下するさまといい、放り出された2本の脚のつけ根にぱっくり開いた赤い穴がひくつく様子といい、まるで犯してくださいといわんばかりの無防備さだ。
その男好きのする生意気そうな美少女フェイスを見ていると、つい、滅茶苦茶に蹂躙してやりたいという破壊欲がこみあげてくる。
せめてキスだけでも、と迷っていると、
「お待たせ」
変に獣臭い匂いを漂わせて、小袖に着替えたりつが入ってきた。
「げえ」
百足丸が尻込みしたのは、ほかでもない。
りつの手にしたリードの先に、巨大なドーベルマンが2匹、繋がれていることに気づいたからだ。
「わしの人生の伴侶、ハナと太郎じゃよ。この子たちにも、長生きしてもらおうと思ってね」
ひひひひと口元に手を当てて笑いながら、楽しそうにりつが言った。
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