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第10部 姦禁のリリス

#44 背徳の宴④

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 杏里の体液にまみれ、折り重なるようにして床に倒れたふたりの老女。
 ベッドの上では、なおも全裸の杏里が愉悦に躰を波打たせている。
「こりゃ、やばいな…。こっちまでおかしな気分になってくる」
 たじたじとなって、百足丸がつぶやいた。
「これがタナトスの”浄化”ってやつか。快楽のあまり記憶の一部が消し飛ぶってのもわかる気がするな」
「気をつけろ。おまえのターゲットはあくまでも零であって、この娘じゃない。ここで骨抜きにされたら、元も子もないだろう」
 今にも杏里に手を伸ばしかねない百足丸を、井沢がそう牽制した時である。
「おお、そっちはすごいことになってるじゃないか」
 百足丸と井沢を押しのけるように前に進み出て、もうひとりの老女、りつが言った。
「おい、おばさん、いずなはどうした?」
 驚く百足丸。
 まだ駆け出しとはいえ、いずなもれっきとしたタナトスである。
 そのいずなと一戦を交えながらぴんぴんしているこのばあさんは、いったい・・・?
「あの小娘なら、とっくの昔に昇天して涅槃の境地さ。こう見えてもあたしはね、若い頃は花街でちょいと浮名を流したものさ。”弁天のりつ”といったら、知らぬ者はないくらいにね」
「花街だと? いつの時代の話をしてるんだ?」
 呆れながらも、そういうことかと納得する。
 駆け出しのタナトスより何十年ものセックス経験を誇る元売春婦のほうが、性的には優位にあるというわけだ。
 なぜそのような経歴の老婆が選ばれた3人の中にいるのかは謎ではあるが、職業柄、どこかで富豪にでも気に入られて囲われたのだろう。
 百足丸は勝手にそう思うことにした。
「なんでもいいが、ばあさん、杏里はいずなとは格が違う。悪いことは言わないから、やめといたほうがいい」
 辟易する百足丸に、りつが白粉を塗った不気味な顔でにたりと笑いかけた。
「昔から、ダメだと言われると燃えるたちでねえ。旦那と知り合った時も、そうだったよ」
 どれどれ。
 舌なめずりしながら、杏里の股間を覗き込むりつ。
「ちょいとあんた、手伝っておくれ。この子が動けないように、両手を押さえておいておくれでないかい?」
「しようがないな。どうなっても知らないぞ」
 杏里の頭の側に回ると、百足丸は乳房の上にかがみこむようにして、その両腕を押さえつけた。
「よしよし、じゃ、行くかね」
 りつが眼を光らせ、拡張器で広がった杏里の尿道口に右手の人差し指を突っこんだ。
 同時に親指を曲げ、肥大した陰核を真上から押し潰す。
「まだだよ」
 いひひと笑いながら、更に左手の親指を膣に、薬指をアナルに突っ込むと、残った指でそのあわいの会陰部をしきりになぞり始めた。
「ああんっ! だめええっ!」
 静かだった杏里が狂ったように叫び出し、腰をぐっと突き上げた。
 じゅるっと音がして、ダムが決壊したかのように膣穴から新たな淫汁がほとばしる。
「どうだい? 気持ちいいかい? 逝きたいならお行きよ、天国でも地獄でもさ」
 ひいひい肩で笑いながら、りつが勝ち誇ったような口調でそう言った。
 


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