激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

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第10部 姦禁のリリス

#15 ヤチカの策略②

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 抱擁を解くと、薄いネグリジェの上から、ヤチカが乳首に触れてきた。
 電流が奔ったような感触に、思わずびくんと身を震わせるルナ。
「うぶなのね」
 ヤチカが微笑んだ。
「まさかとは思うけど、あなた、処女?」
 ルナはぎこちなくうなずいた。
 性経験は、ないことはない。
 シンガポールに居た頃、同年代の少年と、何度か行為に及ぼうとしたことはある。
「最後まで、いかなかったのね?」
 見抜かれていた。
「途中で嫌気がさしたんでしょ? 男って、ガサツだから」
 うなずくしかなかった。
 そうなのだ。
 セックスでいい思いをしたことなど、一度もない。
 ただ、杏里との刹那の触れ合いを除いては…。
「じゃあ、ここも、あんまり触られたこと、ないんだ」
 ヤチカが手の甲で乳首を片方ずつ撫で上げた。
「気持ち、いい? おなかがひくひくしてるけど」
「どうして…」
 かすれた声で、ルナは言う。
「どうして、こんなこと、するんですか…?」
「いやなの?」
 ヤチカが顔を覗き込んでくる。
「もう、やめたい?」
 長い沈黙の後、ルナは小さく首を横に振った。
 ヤチカの愛撫は、正直、気持ちよかった。
 もう少し、続けてほしい。
 そう思う。
 その先に何が待っているのか、見届けたい。
 そんな気分になっていた。
「いいわ」
 ヤチカがルナのネグリジェの裾をつかみ、上に引き上げる。
「脱いで。もっといいこと、してあげる」
 されるがままに、両手を上げる。
 ネグリジェを脱がされると、こんもりと盛り上がった胸と、透き通るような裸身が現れた。
 パンティ一枚になったルナを、ヤチカがベッドの上に横たえる。
「乳首が、もうこんなに」
 硬く尖った乳首を指でつままれた。
 ヤチカは服を着たままである。
 自分だけ裸にされるのは、見世物にでもなったようで、たまらなく恥ずかしかった。
 が、それが逆に官能を刺激したのか、ルナはいつになくたかぶっている。
「かわいい」
 ため息をつくようにつぶやいて、ヤチカが舌を使い始めた。
 首筋から胸の谷間、乳房のつけ根、腹…。
 よく動く熱い舌がルナの肌を這い降りていく。
 それが内腿からそのつけ根に移ると、ルナは切なげな吐息を吐いた。
「湿ってる。ここ、ほら、染みができてるわ」
 パンティの中央を、筋に沿って縦になぞられた。
 はあ、はあ、はあ…。
 ルナの息が荒くなる。
 勝手に膝が左右に開いていくのがわかる。
「見ていい?」
 何度もパンティのクロス部分をなぞった後、へりに指をかけてヤチカが訊いた。
 うなずくと、下着の締め付けが緩み、性器が露出するのが感覚でわかった。
「きれいよ、とっても」
 肉の襞を指で開き、内部を覗き込みながら、ささやくようにヤチカが言った。
 



 

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