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第10部 姦禁のリリス
#9 零の発情
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三方の壁いっぱいに、目を覆いたくなるほど、残虐な光景が映し出されている。
全裸の少女の肩を太い腕で鷲掴みにし、化け物じみた大女がそのやわらかな乳房を食いちぎる場面である。
皮膚が爆ぜ、血がしぶき、脂肪がはみ出る。
食いちぎった乳房の残骸を口に放り込み、、むしゃむしゃと少女の倍ほどもある巨体の醜女が咀嚼する。
が、自分の肉体の一部が目の前で喰われているというのに、少女の顔に苦痛の色はない。
むしろ、そこに浮かんでいるのは、うっとりとした恍惚の表情だ。
それもそのはず。
信じられないことに、食い千切られた乳房の跡から、新たな肉が隆起し始めているのだ。
少女は、杏里だった。
そしてその影像を食い入るように見つめながら、しきりに己の乳房と陰部を虐めているのは、零だった。
犬のように四つん這いになった零のしなやかな背が、快感で反り返る。
艶やかな髪がその背に広がり、身体の動きに合わせて揺れている。
ドアを後ろ手に閉めて、その狂態を百足丸は唖然とした表情で眺めていた。
「そんなにいいか」
試しに訊いてみた。
「ああ」
珍しく、零が返事をした。
「すごいよ。これ…」
零が杏里に執着していることは、最初からわかっている。
杏里の映った影像さえ見せておけば、大人しくなるのだ。
井沢のマインドコントロールが潜在意識に効いているせいもあるが、おおむね零の関心は笹原杏里というタナトスの少女にしかないらしい。
零は、希少な国内産の雌優生種である。
その身体能力は凡百の雄優生種をはるかに凌駕し、知能は高いのに性格は残忍極まりない。
これが、残虐行為淫乱症ってやつか…。
百足丸は、内心、舌を巻く思いだった。
ちらっと目にするだけで嘔吐しそうなほど血みどろの映像に、この女は感じているというわけだ。
ともあれ、井沢の言うように、チャンスではあった。
杏里の肉体を実験台にして、優生種の延命方法を探る。
その計画と並行して井沢が進めようとしているのが、雌優生種である黒野零を使った繁殖計画だ。
優生種は、人間から遺伝子異常で生まれてくる。
だが、繁殖能力は極めて低い。
なぜなら、雌が雄に対して圧倒的に少ない上、蟷螂の雌雄関係のように、仲間同士の性行為が完全に雌主導だからである。
あぶれた雄たちは、当然、近似種の人間の雌を襲う。
だが、性器の形状が違い過ぎるため、行為の最中に大抵の人間は死んでしまう。
また、仮に無理やり受胎させたとしても、生まれてくるのは奇形児ばかりなのだ。
その意味で、零の存在は貴重だった。
零を孕ませ、子孫をつくる。
井沢は真剣にそう考えている。
これまで零と接触するたびに無力感に苛まれてきた百足丸だったが、なんとなくきょうはいけそうな気がした。
「せっかくの素敵なオカズなんだ。オナニーだけでは、物足りないんじゃないか」
零の背後に忍び寄り、もう一度、声をかけた。
いつでも行為に及べるよう、百足丸自身も零と同じく一糸まとわぬ姿である。
零は何も言わない。
すっかり自慰に没頭してしまっているようだ。
百足丸のペニスは、すでに勃起し、臨戦態勢に入っている。
日本人形のたおやかな外観に野生獣の精気を漲らせた零は、驚くほど淫らで美しい。
見ているだけで勃起せざるを得ないのだ。
「ほら、これでどうだ。俺が手伝ってやる」
意を決して、百足丸は後ろから零の真っ白な裸身を抱きしめた。
全裸の少女の肩を太い腕で鷲掴みにし、化け物じみた大女がそのやわらかな乳房を食いちぎる場面である。
皮膚が爆ぜ、血がしぶき、脂肪がはみ出る。
食いちぎった乳房の残骸を口に放り込み、、むしゃむしゃと少女の倍ほどもある巨体の醜女が咀嚼する。
が、自分の肉体の一部が目の前で喰われているというのに、少女の顔に苦痛の色はない。
むしろ、そこに浮かんでいるのは、うっとりとした恍惚の表情だ。
それもそのはず。
信じられないことに、食い千切られた乳房の跡から、新たな肉が隆起し始めているのだ。
少女は、杏里だった。
そしてその影像を食い入るように見つめながら、しきりに己の乳房と陰部を虐めているのは、零だった。
犬のように四つん這いになった零のしなやかな背が、快感で反り返る。
艶やかな髪がその背に広がり、身体の動きに合わせて揺れている。
ドアを後ろ手に閉めて、その狂態を百足丸は唖然とした表情で眺めていた。
「そんなにいいか」
試しに訊いてみた。
「ああ」
珍しく、零が返事をした。
「すごいよ。これ…」
零が杏里に執着していることは、最初からわかっている。
杏里の映った影像さえ見せておけば、大人しくなるのだ。
井沢のマインドコントロールが潜在意識に効いているせいもあるが、おおむね零の関心は笹原杏里というタナトスの少女にしかないらしい。
零は、希少な国内産の雌優生種である。
その身体能力は凡百の雄優生種をはるかに凌駕し、知能は高いのに性格は残忍極まりない。
これが、残虐行為淫乱症ってやつか…。
百足丸は、内心、舌を巻く思いだった。
ちらっと目にするだけで嘔吐しそうなほど血みどろの映像に、この女は感じているというわけだ。
ともあれ、井沢の言うように、チャンスではあった。
杏里の肉体を実験台にして、優生種の延命方法を探る。
その計画と並行して井沢が進めようとしているのが、雌優生種である黒野零を使った繁殖計画だ。
優生種は、人間から遺伝子異常で生まれてくる。
だが、繁殖能力は極めて低い。
なぜなら、雌が雄に対して圧倒的に少ない上、蟷螂の雌雄関係のように、仲間同士の性行為が完全に雌主導だからである。
あぶれた雄たちは、当然、近似種の人間の雌を襲う。
だが、性器の形状が違い過ぎるため、行為の最中に大抵の人間は死んでしまう。
また、仮に無理やり受胎させたとしても、生まれてくるのは奇形児ばかりなのだ。
その意味で、零の存在は貴重だった。
零を孕ませ、子孫をつくる。
井沢は真剣にそう考えている。
これまで零と接触するたびに無力感に苛まれてきた百足丸だったが、なんとなくきょうはいけそうな気がした。
「せっかくの素敵なオカズなんだ。オナニーだけでは、物足りないんじゃないか」
零の背後に忍び寄り、もう一度、声をかけた。
いつでも行為に及べるよう、百足丸自身も零と同じく一糸まとわぬ姿である。
零は何も言わない。
すっかり自慰に没頭してしまっているようだ。
百足丸のペニスは、すでに勃起し、臨戦態勢に入っている。
日本人形のたおやかな外観に野生獣の精気を漲らせた零は、驚くほど淫らで美しい。
見ているだけで勃起せざるを得ないのだ。
「ほら、これでどうだ。俺が手伝ってやる」
意を決して、百足丸は後ろから零の真っ白な裸身を抱きしめた。
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