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第9部 倒錯のイグニス
#315 凌辱職員室⑤
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「いやあ、久しぶりに本気でイキましたなあ。こんな素晴らしいセックスは、何年ぶりでしょう」
杏里の尻から下半身を離すと、モアイ像に酷似した長い顔に満面の笑みを浮かべ、大山が言った。
「さすが笹原君、締まり具合が実にいい。さあ、皆さんも、たっぷり楽しんでみてください。では、私は次の準備があるので、これで」
そそくさとズボンを穿くと、あっけに取られている教員たちをしり目に、急ぎ足で職員室を出て行った。
失敗だ。
杏里はほぞを噛む思いで、その後ろ姿を見送った。
大山のセックスは、あまりに性急だった。
ペニスからのエキスの注入が無理なら、キスに誘い込むなり、乳首を吸わせるなり、他にも浄化の方法は色々あったのだが、杏里にその隙も与えず、大山はただ一方的に精を放って勝手に行為を終了してしまったのだ。
仕方がない。
このあと体育館で行われるという、”敗者復活戦”でとどめを刺すしかない。
テーブルにむき出しの裸の尻をつけ、教員たちのほうを振り返る。
片足を椅子の上に乗せ、何もつけていない股間をさらけ出す。
全員の視線が無毛の恥部に集まるのを待って、杏里はおもむろに口を開いた。
「次は誰からにしますか? 場所はここでいいですか? それともテーブルの上に上がっての正常位をお望み?」
どよめく教師たち。
杏里の臆面もない挑発に、誰もが面食らったように互いの顔を見合わせている。
「いや、その前にひとつ、お願いがあるのだが」
そこにのんびりした声が割り込んできて、小柄な初老の教師が杏里の前に歩み出た。
頭は見事に禿げあがり、髪の毛といえば、耳の上と後頭部を半月型に覆っているだけだ。
ほかの者同様、やはり下半身は裸だが、白髪の混じった陰毛の間からそそり立つ男根は哀れなほど貧弱だった。
「お願い、ですか?」
意外な展開に、杏里は眉を吊り上げてその小柄な教師を見た。
3年生担当の理科の先生だ。
あんまり影が薄いので、名前までは覚えていない。
「これで、オナニーをして見せてほしいんだよ」
テーブルに歩み寄り、老教師がその表面に立てたのは、極太の真っ黒なキャンドルのような物体だった。
「こ、これは…?」
杏里はその無骨なシルエットを一瞥して、声を失った。
海綿体に真珠を埋め込んだ勃起ペニス。
それを本物そっくりにかたどったティルドである。
黒人の男根をベースにしたように異様に太く、そして長い。
「俗にいうアダルトグッズだね。まさか定年間際のこの歳で、こんなものを購入することになろうとは思ってもみなかったよ」
人の好さそうな丸顔に、照れたような苦笑が浮かんだ。
「どうして、オナニーを? 私と直接、セックスしたくないんですか?」
「もちろんしたいさ」
老教師が真顔に戻る。
「私のように枯れた男でも、君みたいに官能的な娘さんを前にしたら、性的興奮を覚えずにはいられないからね。しかし、わかってるんだ。校長の見せてくださった監視カメラの映像を冷静に分析すれば、誰の目にも明らかだろう。笹原君、君と性行為に及んだ者は、例外なく皆おかしくなる。まるで精神をやられたかのように、自慰地獄から抜け出せなくなるか、あるいは完全に意識を失ってしまうようだ。せっかくのこのチャンスを前にして、私たちはそんなふうにあっけなく終わらせたくないんだよ。できるなら、もっとずっと長い時間、君との素敵な出会いを楽しみたいと思ってね。それでまず、私たちの前でオナニーを実演してほしいと、まあ、そういうわけなんだ」
杏里は、口の中がからからに乾いていくのを感じていた。
バレている。
大山はいともたやすく浄化できるようなことを言ってこの場を去って行ったが、杏里のやり口はすっかり教師たちに筒抜けになっているのだ。
どうする?
杏里は無意識のうちに、前歯で血のにじむほどきつく下唇を噛みしめていた。
杏里の尻から下半身を離すと、モアイ像に酷似した長い顔に満面の笑みを浮かべ、大山が言った。
「さすが笹原君、締まり具合が実にいい。さあ、皆さんも、たっぷり楽しんでみてください。では、私は次の準備があるので、これで」
そそくさとズボンを穿くと、あっけに取られている教員たちをしり目に、急ぎ足で職員室を出て行った。
失敗だ。
杏里はほぞを噛む思いで、その後ろ姿を見送った。
大山のセックスは、あまりに性急だった。
ペニスからのエキスの注入が無理なら、キスに誘い込むなり、乳首を吸わせるなり、他にも浄化の方法は色々あったのだが、杏里にその隙も与えず、大山はただ一方的に精を放って勝手に行為を終了してしまったのだ。
仕方がない。
このあと体育館で行われるという、”敗者復活戦”でとどめを刺すしかない。
テーブルにむき出しの裸の尻をつけ、教員たちのほうを振り返る。
片足を椅子の上に乗せ、何もつけていない股間をさらけ出す。
全員の視線が無毛の恥部に集まるのを待って、杏里はおもむろに口を開いた。
「次は誰からにしますか? 場所はここでいいですか? それともテーブルの上に上がっての正常位をお望み?」
どよめく教師たち。
杏里の臆面もない挑発に、誰もが面食らったように互いの顔を見合わせている。
「いや、その前にひとつ、お願いがあるのだが」
そこにのんびりした声が割り込んできて、小柄な初老の教師が杏里の前に歩み出た。
頭は見事に禿げあがり、髪の毛といえば、耳の上と後頭部を半月型に覆っているだけだ。
ほかの者同様、やはり下半身は裸だが、白髪の混じった陰毛の間からそそり立つ男根は哀れなほど貧弱だった。
「お願い、ですか?」
意外な展開に、杏里は眉を吊り上げてその小柄な教師を見た。
3年生担当の理科の先生だ。
あんまり影が薄いので、名前までは覚えていない。
「これで、オナニーをして見せてほしいんだよ」
テーブルに歩み寄り、老教師がその表面に立てたのは、極太の真っ黒なキャンドルのような物体だった。
「こ、これは…?」
杏里はその無骨なシルエットを一瞥して、声を失った。
海綿体に真珠を埋め込んだ勃起ペニス。
それを本物そっくりにかたどったティルドである。
黒人の男根をベースにしたように異様に太く、そして長い。
「俗にいうアダルトグッズだね。まさか定年間際のこの歳で、こんなものを購入することになろうとは思ってもみなかったよ」
人の好さそうな丸顔に、照れたような苦笑が浮かんだ。
「どうして、オナニーを? 私と直接、セックスしたくないんですか?」
「もちろんしたいさ」
老教師が真顔に戻る。
「私のように枯れた男でも、君みたいに官能的な娘さんを前にしたら、性的興奮を覚えずにはいられないからね。しかし、わかってるんだ。校長の見せてくださった監視カメラの映像を冷静に分析すれば、誰の目にも明らかだろう。笹原君、君と性行為に及んだ者は、例外なく皆おかしくなる。まるで精神をやられたかのように、自慰地獄から抜け出せなくなるか、あるいは完全に意識を失ってしまうようだ。せっかくのこのチャンスを前にして、私たちはそんなふうにあっけなく終わらせたくないんだよ。できるなら、もっとずっと長い時間、君との素敵な出会いを楽しみたいと思ってね。それでまず、私たちの前でオナニーを実演してほしいと、まあ、そういうわけなんだ」
杏里は、口の中がからからに乾いていくのを感じていた。
バレている。
大山はいともたやすく浄化できるようなことを言ってこの場を去って行ったが、杏里のやり口はすっかり教師たちに筒抜けになっているのだ。
どうする?
杏里は無意識のうちに、前歯で血のにじむほどきつく下唇を噛みしめていた。
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