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第9部 倒錯のイグニス

#308 蜜色の罠③

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 アトラクション用のビニールプールの中はかなりの広さだった。
 が、それでも30人ほどの生徒たちが次々に飛び込んでくると、すぐに芋を洗うような混乱状態に陥った。
 四方八方から手が伸びてきて、裸の杏里につかみかかってくる。
 逃げようにも、ローション・オイルのせいでプールの縁はつるつる滑り、つかまることも不可能だ。
 またたくまに手足を押さえ込まれ、杏里はプールの真ん中で大の字になった。
 ちょうど、水面に水平にはりつけにされたような格好である。
 そこに無数の手が這い寄ってきて、身体中を触り始めた。
 首筋、腋の下から始まって、乳房を、へそを、脇腹を、内腿を、そしてむき出しの秘部を夥しい指がはい回る。
 口を、耳を、へそを、膣口を、アナルを…。
 身体中の穴という穴を、狂ったように何十人分の指がかき回す。
 ローション・オイルの効果は絶大で、いきなりの挿入でもまったく痛みはない。
 それどころか、一瞬にして閾値を超える快楽の波に襲われ、杏里はあっけなく悶絶した。
 口から、乳頭から、膣口から、生のエキスがあふれ出す。
 あふれ出した媚薬入りのエキスは、プールを満たす大量のローション・オイルに薄められ、生徒たちに影響を及ぼすまでには至らない。
 何人かが杏里の両足にとりついて、不自然なまでに大きく押し広げる。
 大陰唇と小陰唇をめくられると、クリトリスリングと融合しかけた大きな陰核があらわになった。
 -わあ、でっかい!ー
 -このお豆、なんか、カチカチになってるんですけどォー
 -杏里ったら、感じてる証拠だよー
 -さっすが、淫乱ー
 -これねー
 -これを奪えば、優勝なんだよねー
 -志望校合格と、三年分の学費ゲットなんだよねー
 女生徒ふたりが杏里の股倉に仲良く首をつっこみ、しきりに指先で陰核を弄り始めた。
 ーなんか、肉に食い込んでて、取れないんだけどー
 -クリトリスごとちきっちゃえば、いいんじゃない?-
 ただでさえ肥大し切った陰核を細い指で弄り回され、杏里の背筋にぞくぞくするような電流が走る。
 喘ぎの形に開いた口に別の指たちが入り込んできて、舌をつまみ、ねじってきた。
 その間にもふたつの乳房は何十本もの指にこねくり回され、引っ張られて、快感の震源と化してしまっている。
「あん…」
 杏里は喘ぐ。
 腋の下を舐め上げられるのも、たまらない。
 顎の裏側も気持ちがいいし、手足の指を一本ずつ吸われると、気が遠くなる…。
「くう…」
 身体じゅうから力が抜けていく。
 -こいつ、喜んでやがる!ー
 誰かが嘲笑う。
 ゆるゆると杏里は首を振る。
 さらさらの髪が、オイルの海に扇のように広がった。
 否定したいけど、その通りだ。
 ローション・オイルの効果は絶大だった。
 こんなに感じるのは、久しぶり…。
 揉まれる。
 つねられる。
 ひっぱられる。
 撫でられる。
 触られる。
 噛まれる。
 弄り回され、突っ込まれ、かき回される…。
 そんな、だめ。
 そこは、もう。
 あふ。
 いく…。
 私、いっちゃう…。
 何十本という指の感触に、杏里が絶頂に達するのに、大して時間はかからなかった。


 

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